表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アイの新世界(物語)  作者: 夢のファイヤー
プロローグ
4/89

04.竜の島 旅立ち

ドレイクさん達が来てから一か月がたった。


午前中は僕とマリカさんで魔法の訓練。

と言っても、ソフィさんからは

僕が一人で訓練している様に見えているだろうけど。


ソフィさんはアイさんと一緒に食材調達の狩りも含めて

草原の方で戦闘訓練に行っている。


午後はアイさんが、ソフィさんと僕の連携と魔法も含めた

戦闘訓練を見てくれていた。


ソフィさんは人型の時は両手の爪を伸ばして武器にしている。

ソフィさんの爪はマニキュアを塗ったように赤い。

ドラゴンの時の鱗と同じなんだと思う。


ドレイクさん達との一連の出来事で、

アイさんが魔法と戦闘訓練を重視する理由がよく分かった。

この世界はとりあえず実力を示した方が話が早い。


今の状況の様に社会の規模が極端に小さい場合には、

最もシンプルな相対性、そして最もシンプルな優劣を

競う方法として、個対個での戦いになるのだろう。


そもそも強くないと生き残れないというのが大きいけど。


これまでも魔法と戦闘訓練は一生懸命やっていたが、

実際に目の当たりにすると心構えも変わってくる。

更に気合を入れて訓練に邁進する。


今はマリカさんと午前の魔法の訓練中だ。


マリカ:(だいぶ魔法にも慣れてきたね。)

総司:(マリカさんのお蔭だよ。)

マリカ:(訓練ばっかりで飽きてきたりしてないか?)

総司:(大丈夫。

  魔法が上達すると出来ることも増えて面白いから。

  でも、ずっとここにいるのには、飽きてきたかな。)

マリカ:(そうだよな。

  総司もそこそこ戦える様になってきたし、

  ソフィもいるから、もう旅に出ても大丈夫そうだし、

  アイさんに相談してみなよ。)

総司:(うん。お昼ご飯のときにちょっと相談してみるよ。)


引き続きマリカさんから教えてもらいながら、

実際に魔法を使っての繰り返しを続ける。


アイ:「総司クーーーーン!ご飯が出来たよーーー!」

総司:「今行くよーーー!」


いろいろしてもらうばかりで申し訳ないとは思うが、

僕が強くなるのが一番なのが分かるので、そのまま甘えている。


ソフィさんが来てからは、食材は基本的に現地調達にしている。

ソフィさんが現地に詳しいので、訓練混みの恐竜狩り、

野草や果物の採取などで、それなりに種類もある。


総司:「恐竜の尻尾のお肉も美味しいね。

  ここって恐竜がいっぱい居るみたいだけど、

  他もそうなのかな?」

ソフィ:「私は他の島は見たことがないけど、

  恐竜種がいるのはこの島だけみたいだよ。

  詳しいことが知りたかったら

  お父さんか、お母さんに聞いた方がいいかな。」


アイ:「ドレイクさん達はこの島を出たことがあるの?」

ソフィ:「結構昔みたいだけど、

  別の大陸を旅したことがあるって言っていたよ。

  その時の話をいくつか聞いたことがあるし。」

アイ:「別の大陸には飛んで渡ったの?

  結構離れているはずだけど…。」

ソフィ:「飛んで行くのは無理って聞いたよ。

  そういえばどうやって行ったんだろうね…。

  聞いたこと無かったよ。

  アイさん達こそ他の大陸から来たんじゃないの?」


アイ:「私達はこの島に転生したの。

  だからここ以外は行ったことがなくて…。

  似た世界のことを知っていて、

  近い知識は持っているけど、

  部分部分でこの世界と同じかが、わからないの。」

総司:「他の島はソフィさんもアイさんも

  行ったことが無いんだね。

  この島ではどんな生物がいるの?」

ソフィ:「基本的にドラゴン、恐竜種、植物、

  昆虫くらいしか見たことないね。

  恐竜種で一纏めにしているけど、草食の恐竜から

  肉食の恐竜までいろいろな種類がいるよ。

  極稀に、力を示すためにこの島に渡って来る人も

  いたらしいけど、私は会ったことないよ。」


ソフィさんと話ながらアイさんを見てみると

ニコニコしながら僕の方を見ている。


アイ:「総司君はここを出て、他の場所に行きたいと

  思っているんでしょ。」

総司:「ここが嫌な訳じゃないけど、いろいろ見てみたいな。」

アイ:「そうだね。

  そろそろ旅に出たいよね。

  まずはドレイクさんとエウリアさんに

  話を聞きに行ってみようか。」


ソフィ:「私も外に行ってみたいと思ってたんだ。

  せっかく勇者のお供になったんだし。

  それじゃ、私が呼んでくるよ。」

総司:「僕は勇者じゃないけどね…。」

ソフィ:「またそんなこと言って。

  総司君はドラゴンで五本指に入ると言われている

  お母さんにも認められているのよ?」

総司:「ありがとう。

  ソフィさんに一緒にいてもらえるように頑張るよ。」

ソフィ:「ええ。ずっと一緒だね。」


ソフィさんが抱き着いてくるので、

僕もそれに合わせる。

ちょっと恥かしい。


アイ:「えーと…。もういいかな…。

  いろいろ教えてもらうのに、

  来てもらうのは悪いから、私達が行くよ。

  ソフィさんは道案内をお願い。」

ソフィ:「ええ。わかったわ。」


早速午後からドレイクさん達のところへ行くことになった。

飛んで行っても良いが、

途中のトラブルを避けるために

ドラゴンの姿に戻ったソフィさんの背中に

乗せてもらって移動する。


総司:「うわぁ。すごい景色だね。

  雲がずっと下の方に見えるよ。」

アイ:「綺麗だね!」


温暖な気候の場所だが高所なのでかなり気温が低い。

魔法の効果が無ければ、景色を楽しむどころでは無いと思う。

本当に魔法は便利だ。


総司:「ソフィさんの鱗も綺麗だね。

  一枚でも結構高く売れそう。」

ソフィ:「少しくらいなら取ってもいいよ。

  髪の毛を抜くくらいの感覚だから

  そう気にしなくても大丈夫だよ。」

総司:「いいの?じゃあ、ちょっと貰っちゃおうかな…。」

アイ:「総司君の防具を作ろうよ。」

ソフィ:「いいけど、総司君は赤が似合うかなぁ?

  黒の方が似合いそうだから、

  ついでにお父さんから何枚か貰って帰ろうよ。」

アイ:「いいね!黒の方が似合うと思う。」


総司:「ソフィさんとエウリアさんは赤いドラゴンで、

  ドレイクさんは黒いドラゴンだけど、

  他にはどんな色のドラゴンがいるの?」

ソフィ:「緑、金、白、銀、青とか、いろいろいるよ。」

総司:「この辺りにも他の竜族の人はいるの?」

ソフィ:「見た事ないから、いないんじゃないかな。

  でも、地中でずっと寝ている人もいるから、

  いないとは言い切れないんだよね。」

総司:「え?ご飯を食べなくても大丈夫なの?」

ソフィ:「竜族は寝ている間は自己治癒魔法で

  細胞が復元される分で間に合っちゃうから大丈夫だよ。

  その代わり活動する際の消費が多いから、

  動くとすぐにお腹が空いちゃうんだよね。」


確かにソフィさんの食事量は多い。

一回の食事で僕の数倍は食べてるんじゃないかな。

たまにアイさんからおやつも貰っているみたいだし。


総司:「竜族の人はずっと寝ていられるから、

  寝ている人が多いってことかな?」

ソフィ:「どのくらいいるかはちょっと分からないな~。

  竜王国には知ってる人はいるだろうけど。」

アイ:「そっか。この島にも竜王国があるのか。

  総司君は行ってみたい?」

ソフィ:「止めておいた方が良いと思うよ。

  質素なお城はあるけど、街があるわけじゃないし。

  それに竜王国にいる人達と、アイさんと総司君が

  負けるまで竜の試練をしなくちゃいけなくなると思う。

  アイさんと総司君だと竜王様に勝っちゃうとこまで

  ありえるから、大事になるんじゃないかな…。」

アイ:「どうする?」


総司:「大事になるのは嫌かな…。」

アイ:「そうね。竜王国はまた今度にしようか。」

ソフィ:「アイさんと総司君は竜の島のことも

  あんまり知らないのか。

  私も行ったことがないんだけど、

  竜の島には竜王国の他にソルの地下迷宮っていう、

  すっごく深い洞窟があるらしいよ。

  まだ誰も最深部には到達したことが無いんだって。」

アイ:「そこは危なそうだし、

  潜るとなると時間もかかりそうだからやめておこう。」


いろいろと話をしているうちに、

遠くに大きな灰色の建物が見えてくる。


鉄筋コンクリートの建造物の様に見える。

ただ、あれはアイさんの作った横穴の中の家と

よく似ているので、魔法で作った家なのだろう。


入口はドラゴンの大きさでは入れそうに無いので、

人型で暮らしていると思われる。


ソフィ:「そろそろ着くよ。」

総司:「了解だよ。」


ソフィさんはゆっくりと着陸し、

僕とアイさんが降りると人型へ変化した。


建物の方から二人ほど、こちらに向かって歩いて来ている。

一人はドレイクさんなので、もう一人がエウリアさんだろう。


ちなみに僕はエウリアさんを見たことが無い。

マリカさんから聞いた話では、

ソフィさんとよく似ているそうなので、間違いないと思う。


ソフィさんが手を振っている。


ソフィ:「ただいまー。」


ドレイクさんとエウリアさんは難しい顔をして歩いてくる。


エウリア:「ソフィ。どうしたのですか?」

ソフィ:「ちょっと聞きたいことがあってね。」

ドレイク:「ようこそいらっしゃいました。」

総司:「ドレイクさん、エウリアさん、急な訪問ですいません。

  お聞きしたいことがありまして。」

エウリア:「お元気そうで何よりです。

  ひとまずは家の方にお越しください。」

アイ:「はい。ありがとうございます。」


竜の試練から一か月しか経っていないので

お久しぶりというほどでもない。


エウリアさんを初めて見たが、母親という歳にはとても見えない。

ソフィさんよりは上に見えるが二十代に見える。


総司:「お母さんもとっても綺麗な人だね。」

ソフィ:「ん?ありがとう。」


ソフィさんは一瞬不思議そうな顔をしたが、

自分も綺麗と言われていることに気が付いて、

嬉しそうに答えた。


しまった。

僕も一回会っていることになってるんだ。

気にしてなさそうだから、まあ大丈夫だろう。

しかし、ドレイクさんとエウリアさんに

不審に思われるかもしれない。


アイさんが主導で会話してもらえるように

頼んだ方がいいかな。


アイさんの方を見ると、アイさんは笑顔で頷いた。

まだ言ってないのに、アイさんには通じたみたいだ。

相変わらずすごいな。


建物の中に入ると、広いエントランスになっていて、

正面に階段、左右に扉がみえる。


階段は二階に着いたところで、

左右にわかれる通路に繋がっている。


装飾などは適度に配置されている程度で、

上品な雰囲気になっている。


ドレイクさん達は階段を上がり、

右側にあるテーブルと椅子のところに立つ。


エウリア:「ここで少々お待ちください。」

ソフィ:「私も行く。」


エウリアさんとソフィさんが階段を下りていく。


ドレイク:「どうぞ。お座りください。」

アイ:「ありがとうございます。」

総司:「ありがとうございます。」


僕とアイさんが座ると対面の椅子にドレイクさんが座る。


ドレイク:「聞きたいことが有るそうですが、

  どの様な事でしょうか?」


上品に微笑みながらドレイクさんが言う。絵になる人だ。


アイ:「はい。ドレイクさんとエウリアさんは

  この大陸から出て、旅をした事が有るとお聞きしました。

  私達も他の大陸へ旅に出たいと思っています。

  そこで、この大陸から他の大陸へ渡る方法を

  お聞きしたいと思い伺いました。」

ドレイク:「この大陸に来た時のルートは使えないのですか?」

アイ:「はい。私と総司はこの大陸に転生してきました。

  ですので、他の大陸からこの大陸へのルートは知りません。

  そして、この世界の常識に疎い部分があります。

  旅によって見聞を広めることも目的の一つです。」


ドレイク:「転生者は強い魔法使いだったという

  伝承がありましたが、そういうことでしたか。

  ここまで強いとは思っていませんでしたが。

  しかし状況は理解しました。

  他の大陸に行くには、船で海を越えていく必要があります。

  空を行くには遠すぎて、不眠で飛び続けることが

  不可能なためです。」

アイ:「海を越えるというと、

  船を作って航海するということでしょうか?」


ドレイク:「はい。ですが、

  この大陸の周囲は海流が強く複雑で、

  素人が航海するのはほぼ不可能です。

  この大陸は竜の島とも呼ばれており、

  島の形がドラゴンを横からみた形に見えます。

  ちょうどドラゴンの尻尾に相当する位置の先に、

  小さな島が有ります。

  そこに住む人魚に助力を頼むのが、

  最良と思われる方法です。

  私も人魚の助力により大陸間の移動をしました。

  幸い総司さんも居ますし、

  人魚の助力を得る事は難しくないでしょう。」


アイ:「人魚に頼み事ですか…。」


ドレイクさんの話にアイさんが難しい顔をしている。

それを見たドレイクさんも苦笑いを浮かべていた。


アイさんがこんな顔をするのは珍しい。

珍しいというか、僕が見るのは初めてだと思う。


ちょうどエウリアさんとソフィさんが、

トレイでティーセットを持って戻ってきた。


各々に紅茶のような飲み物を注いでくれる。

お茶請けは果物とナッツ類だ。


総司:「ありがとうございます。」


御礼を言うとエウリアさんは笑顔で答えてくれた。

その後、エウリアさんはドレイクさんの隣に、

ソフィさんは僕の隣に座る。


エウリア:「お話しは済んだのですか?」

ドレイク:「この大陸を出て旅をしたいそうだ。

  大陸を渡る方法について、

  人魚に助力を乞うことをお勧めしたところだ。」

エウリア:「そうですか。」


エウリアさんはソフィさんの方をチラッと見て、

そのまま目を閉じて沈黙した。


アイ:「他に方法は無いのですか?」

ドレイク:「航海に慣れたものであれば、

  自力で海を渡ることも不可能では無いでしょうが、

  安全な方法とは言えません。」

アイ:「そうですか。」


よく分からないけど、微妙な雰囲気になっているのは分かる。

どうしてか聞きたい気持ちもあるが、

変にしゃべって試練の時の僕との違いで

不審に思われるのが怖いので、そのまま僕も黙っている。


総司:(マリカさん。何だか微妙な雰囲気だけど何でか分かる?)

マリカ:(あー。うん。何となく分かった。

  たぶん間違ってないと思う。)

総司:(教えて。)

マリカ:(うーん…。その前に聞きたいんだけど、

  総司は女性経験はあるか?)

総司:(は?どうしてそんなこと聞くんだよ。)


表情に出さない様にマリカさんとの念話を続ける。


マリカ:(人魚の助力の条件は、たぶん子作りだからだ。)

総司:(マジで?)

アイ:(それで合ってる。

  人魚は女性しかいない種族だから

  他種族の男性との…、交配…、によって子孫を増やすの。

  竜の島との渡航は、強い魔法使いくらいしかしないから、

  優秀な子孫を残すために、

  竜の島との渡航の助力を対価にするのは

  良い方法だとは思う。)


アイさんにも念話は聞こえていたみたいだ。

ソフィさんも微妙な表情をしているので、

たぶん分かっている感じだ。


マジか…。

初めてがこんな事務的な感じになっちゃうのか…。


エウリア:「人魚はみんな美人揃いですよ。

  総司さんは若いんだから、いっそ楽しんじゃいなさい。

  不安なら先にソフィアに手ほどきさせますよ?」


沈黙を破って、エウリアさんがとんでもない事を言う。


「総司さんは若いんだから」という部分を強調して言っていたので、

ドレイクさんは含まないという意図も入っているのだろう…。


ソフィ:「お母さん!何言ってるの!」


ソフィさんが顔を真っ赤にして言う。

ドレイクさんは笑顔のままだ。

既に嫁に出した心境なのだろうか…。


しかし居心地が悪い。

僕が何か言わないといけない雰囲気だ。


総司:「楽しめるかは、よく分からないけど、

  大丈夫だよ。心配ない。」


何が大丈夫なのか、僕もよく分からないが、

周囲のプレッシャーに負けて何とか答える。


ドレイク:「仕方ないですね。

  私が一緒に行って、

  総司君の代わりに対価の役目を果たしましょう。」


すかさずエウリアさんがドレイクさんの後ろ頭を叩く。

スパーンと良い音がした。


ドレイクさんのお蔭で雰囲気が軽くなった。流石だ。

僕はドレイクさんに笑顔で頭を下げると、

ドレイクさんも笑顔で答えてくれる。


アイ:「とりあえず交渉はしてみるけど、

  ダメだったらごめんね。」

総司:「大丈夫だと思う。むしろちょっと楽しみだったり?」

アイ:「総司君が思っているような生易しいものじゃないよ?」


アイさんが珍しくジト目で僕を見る。

アイさんはそんな顔も可愛いなぁ。


エウリア:「そろそろ外も暗くなるし、

  しばらく会えなくなるでしょうから、

  今日は泊まっていって下さいね。」

アイ:「はい。ありがとうございます。」


エウリアさんの提案はありがたい。

喜んで一泊させて貰うことにした。


女性三人は夕飯の支度に行ったため、

ドレイクさんと二人(正確にはマリカさんもいるが)で残った。


ドレイクさんは女性がいると出来ない話も含めて、

いろいろと教えてくれた。


マリカさんにも当然聞こえているだろうが、

気を利かせて黙ってくれている。


大人の男性と二人で会話することがほとんど無かったので、

とても新鮮で楽しい時間だった。

お父さんがいたら、こういう感じなのかも。



そして次の日の朝、朝食を全員で食べた後に家に帰る。


ドレイク:「アイさんも総司君もお元気で。

  幸多い旅になることをお祈りします。」

エウリア:「ソフィア。身体に気をつけるのですよ。」

ソフィ:「はい。行ってきます。」

アイ:「お世話になりました。

  私も総司も魔法適正が高く長寿の身です。

  いずれまたソフィアさんと一緒にお邪魔します。」

総司:「ドレイクさんもエウリアさんもお元気で。

  また寄らせて頂きます。」


来た時と同様にソフィさんがドラゴンの姿に戻り、

アイさんと僕を乗せて飛び立つ。

ドレイクさんとエウリアさんは

見えなくなるまで手を振ってくれていた。

もちろんアイさんと僕も手を振っている。


アイ:「帰ったら旅に出る準備よ。

  楽しい旅にしましょうね。」


アイさんが笑顔で言う。


総司:「そうだね。アイさん、ソフィさん、

  これからもよろしくね。」

ソフィ:「こちらこそ。」


総司:(マリカさんも、これからもよろしくね。)

マリカ:(ええ。総司は心配しなくて大丈夫。

  遠慮なく私を頼りなさい。)

総司:(いつもありがとう。

  マリカさんのお蔭で、いつも安心していられるよ。)


この世界に来て、僕は本当に恵まれている。

こんなにも優しい人達に囲まれているのだから。


旅先で出会う人達は、善い人、悪い人、いろいろだろうけど、

みんなと一緒ならきっと楽しくやっていけるだろう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ