ミーナ・キャラット
◆ミーナ・キャラット
19歳(本編終了時20歳)
黒髪に深紫の瞳、愛らしい顔立ちの半獣人の女性。
魔装
《黒爪》
ノイルの学生時代の同級生であり、彼が師匠と呼ぶナクリの実子。そしてノイルに謙虚に生きようと決意させた人物。
一見すれば気が強く、サバサバしており他人にも自分にも厳しい少し取っつき辛い人間に見えるが、実際の所は非常に優しい人間であり、女の子らしい物が大好きな乙女である。
可愛い物や甘い物には目がなく、お姫様抱っこに憧れていたりと、結構な少女趣味。また、普段は厳格な振る舞いをしているが、一日中だらけるだけのぐうたら日を設けていたり、一時期ルームメイトであったノイルがだらけていても、小言を言いながらも強引にその態度を直そうとはしなかったりと、甘い一面も持っており、お固いどころかかなり柔軟性がある。
そして、文句を言いながらもエルシャンの異常な行動を止めたり、ノイルのフォローをしたりと面倒見がいいと同時に、普段は自分を律しているが実は甘えん坊。
好きになった相手にはとことん尽くし甘えるタイプであり、好きな相手のやる事ならば大抵の事は許容し、辛くともなんでもできる端から見れば非常に危ういと感じる部分もある。
女性陣の中ではかなりまともな常識人であり、ノイルと共に周りに振り回される苦労人でもあったが、彼に好意を抱き、それを隠さなくなってからは度々暴走傾向にあり、周囲に引けを取らなくなった。
内心は乙女であり、好きな相手と二人切りになればレットが顔を顰める程に甘々な関係を求める彼女が、厳しく強い女性となったのは半獣人として生まれたからである。半獣人の、そのともすればマニアックとも言える容姿は、一部の人間に非常に人気があり、そうでなくとも幼き頃より異性に好色の目を向けられる事の多かった彼女は、それを快く思っておらず、警戒心が自然と強くなった。加えて半獣人特有の呪いとも呼ぶべき発情期が、異性を遠ざける決定的なものとなる。発情期のフェロモンは、本人の意思に関わらず異性を惹きつけ狂わせてしまうため、昔からトラブルが多くうんざりしていた彼女は、異性との距離感に非常に気を遣うようになってしまう。
男嫌いというわけではないが、殊更に距離を縮めようとはせず、自己保身に努めるようになった。
しかし実際の所は恋愛事に興味深々であり、強い憧れを抱いていた。
ノイルへの第一印象は最悪のものであり、再開もまた最悪なものであったが、その後の決闘を経て、彼への見方を変える。
更に一月程共に同じ部屋で過ごす内に、思っていた以上に気が合い意気投合。互いに遠慮し合わない友人となる。
実際、まともであった頃の彼女とノイルの相性は頗るよく、表情だけで意思疎通すら可能であった。二人の合わせ技である〈黒猫の遊戯場〉はクライスに美しいとすら評された程である。
また、ソフィの一件で更にノイルを見直す。恩人として、友人として、彼が居なくなった自室に違和感を覚える程には気に入っていた。
そんな彼女とノイルの関係は、その後迎えた発情期の夜の一件で大きく変わることになる。フェロモンによって正常な思考が困難になりながらも、彼女のためを想い、自傷してまで一線を越えないよう耐え抜いた彼に対する想いは、恋心へと変化した。しかし、エルシャンがどれだけノイルを想っているかよくわかっていた彼女は、横恋慕するわけにはいかないと、酷い罪悪感を覚えながら自身を責め、気持ちを必死に抑え込む事になる。それは上手くいかず、一時彼女は荒れ、自身を見失い暗い感情が芽生え始めたが、【湖の神域】でのノイルとの大喧嘩、ソフィからの真っ直ぐな言葉、アリスから聞かされた彼の決意により、もう自身の気持ちに嘘は吐かないと決断する。
その後の守護獣との戦闘におけるノイルとのコンビネーションは、ソフィとアリスを呆然とさせる程のものであった。しかし、彼女を庇い、ノイルは彼女の目前で右腕を失う事になる。だが、目覚めた彼にかけられのは、何の裏表もない純粋な労いの言葉で、想いはこれ以上ないほど高まり、彼女は溢れ出そうになる涙を必死に堪えた。
【湖の神域】を攻略した後、彼女は自身の想いを真っ直ぐにノイルへと伝え、エルシャンと向き合う。しかしながら、当然今までのように良好な関係とは言えない仲になり、顔を合わせれば歪み合う間柄となったが、パーティは解散せず、その後何時までも何時までも喧嘩をし続けることになる。
彼女は母親であるミントの言葉通り、ひたすらにノイルへと自身の気持ちを伝え続けた。その様子は完全にバカップルであり、周囲を激しく苛立たせ反感を買ったが、彼女はもう迷わず引く事はなかった。
『アステル』戦においては《狩人》と『空脚』の力を使いこなし、『破滅の死獣』を翻弄する程の動きを見せるなど、その実力も彼女の魔装の性質上、ノイルへの想いに比例して高まっており、ミリスがたまに遊びに付き合えと誘う程に成長した。
そんな彼女の怒涛の攻勢(好き好き攻撃)は止むことを知らず、キルギスとの一件により無事にノイル(カエ・ルーメンス)と婚約していたこともあり、更にはナクリの手厚い援護を受け、誰よりも先に子を授かることになる。
実力と実績を考慮して昇格の話も出ていたが、既にランクSへの興味をなくし、何よりも愛する者の傍に居る事が重要になっていた彼女は、その話を一蹴し、ヴェイオンは頭を抱え、採掘者の間では、密かに『黒猫』ではなく『色ボケ猫』という二つ名が広まった。
しかし、彼女はそれをもはや気にする事はなく、何時までも自身の気持ちを偽らず、彼へと好きだと伝え続けたという。
小ネタのようなもの
ミーナは1番最初に思いついたキャラクターで、同時にヒロインにするかどうか散々悩んだキャラでした。
結果的にヒロインになったのですが、それから考えた本当に最初の最初の案では、彼女との逃亡エンドでした。