ミリス・アルバルマ
◆ミリス・アルバルマ
302⋯⋯20歳(外に出てからカウント。実質ノイルと同い年。誰がなんと言おうと同い年)
純白の髪に紅玉の瞳を持つ、魔人族の絶世の美女。
属性
【治癒】
約3000年前の装人族と魔人族の大戦争時代から生きている変人。魔王と勇者、そう呼ばれるミゼリオとフュリス、二人の子であり、『悠久の呪薬』を服用した事で身体の成長と老化が止まり現代まで生き延びていた。
彼女の容姿は15歳の時点で止まっていたため、充分に成熟しておらず、やや小柄であり若干の幼さを残している。しかし同時に3000年以上の時を生きているため、年齢不詳の魅力も兼ね備えていた。
『秘密基地』で気の遠くなる程の年月を一人で過ごし続けた事により、何よりも何かに縛られる事を嫌い、達観しているようで寂しがり屋な一面を持つ。また、土人形達に一人で話しかけていたため、相手の反応を窺わず一方的にペラペラと喋り続けてしまう癖がある。『秘密基地』から解放してくれた、初めてまともに会話したフュリス以外の相手、竜人族であるネアとラキにも多大なる影響を受けており、好きだからこそ必要以上の干渉をしないという考え方を持っている。これは、縛られる事の苦痛を知っているからこその考え方でもある。絵を描き始めたのも二人の影響。
とはいえ、ノイルに対しては本人の許しもあり、基本的には自然体の彼の傍に居る事を楽しんでいるが、遠慮なく自身に縛り付け振回す事も厭わず、絶対に手放すつもりはない。
唯我独尊、自由奔放、恐れ知らずに見える彼女だが、実際の所はノイルに本気で嫌われる事を恐れていたり、両親と二度と話せないかもしれないという事実から逃げ、目を逸らしていたりと、弱く脆い一面も持っている。更に、圧倒的強者でありながら様々な事に対して不器用であり、上手くこなす事ができない。とりわけ自身の身だしなみについては、長年容姿が変化せず、『秘密基地』内でも土人形達に任せきりだったため、髪一つ結うのも下手だった。ノイルから言わせれば、年齢不詳の超人であるにも関わらず、酷く子供っぽい幼子のような矛盾した妙な人。
元々彼女はマナを見通す魔眼以外は普通の魔人族と何ら変わらず、むしろ劣る程度の才しかなかった。マナ量はほんの僅かに優れいているが、それ以外は非才の身であり、不器用である。
『秘密基地』内でのもはや狂気と言ってもいい執念と、他にやる事のなかった環境により、彼女は最強の存在へと至ったが、逆に言えば戦闘に関して以外は精神も含めあらゆる点で未発達。故に、ノイルの評価は妥当である。
因みに、彼女が『記憶の中の怪物』の中で幾度も戦ったミゼリオは、『アステル』が乗り移った状態を再現しているため、通常よりも遥かに強化されていたが、当の本人は知る由もなかった。そんな相手と遊んでいる感覚で渡り合っていた彼女は、単独であれば間違いなく最強の実力を誇る。
対エルシャン戦では不利な状況の上に不調も重なり苦戦したが、本気の彼女と渡り合える者は基本的には居ない。故に、難しいとぼやきながらもマナの綻びを完全になくす事のできるノイルとの模擬戦を、彼女は好んでいた。
最強という自覚のある彼女だが、同時に自身の非才さも理解しており、ソフィに対しては治癒に関しては直ぐに敵わなくなるだろうと考えているが、特に気にしてはいない。むしろ一目置いており、度々アドバイスしている。彼女の妙なテンションに合わせられるソフィとは、実はかなり仲が良い。『アステル』戦以降は、二人でノイルに日々マッサージを施していた。もっともソフィは、ノイルに必要以上の接触をしないために周りが送り込んだ監視役でもあったが、二人の仲は更に深まり、周囲はあまりいい顔をしなかった。
ノイルを失いかけた事もあり、『アステル』戦以降は本人も知らぬ内に独占欲が強くなっている。基本的な彼女のスタンスは変わらないが、これまで程女性関係に寛容ではなくなり、そんな彼女に周囲は危機意識を覚えた。とはいえ、ノイル自身の選択を邪魔するような事はせず、あくまでもより積極的に彼にアプローチするようになっただけであり、周囲に二人の関係を誇示するようになっただけである。しかしもちろん周りはいい顔をしなかった。
因みに一時的なノイルの穴埋めとしてニノンを雇った彼女だが、自身の髪に触らせる事だけはせず、ノイルが動けるようになるまでそれだけは自分でやっていた。その甲斐もあってか、自分でもある程度は色んな髪型にできるようになっている。『悠久の呪薬』の効果が切れ成長が再開した事もあり楽しんでいた。しかし、ノイルが髪を梳ける程に回復してからは、再び彼任せとなる。
『白の道標』に人が増えた事により、後に地下施設も作ったが、外観は何一つ変化しなかった。
そうしてより激化した日々を、新しくなった『白の道標』で彼女はノイルと共に過ごし続け、後に半魔人の子をその身に宿すことになるが、それはまだ先の話である。
小ネタのようなもの
ミリスのもう一つの名、クイン・ルージョンはインクルージョンという宝石の内包物を表す言葉から取ってます。




