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45話:未仔ちゃんとの甘々デート PART9

『神崎』と書かれた表札のある一軒家。すなわち、未仔宅に到着。

 地元なだけに何度も通り過ぎたことはある。けれど、いざ女の子の部屋、それどころか彼女の家に訪問するのだから、夏彦のソワソワ具合はお察しの通り。

 玄関へ入れば、ギコちない挨拶を交わしてしまう。


「お、お邪魔します……!」

「今は誰も家にいないみたいだから、リラックスしてもらって大丈夫だからね?」

「ふ、2人っきり……?」


「それはそれで緊張してしまうのですが……」と言いたくなる気持ちをグッ、と堪えつつ、未仔に案内されるがままに階段を上がって行く。

 そこまで長くないはずの階段も長く感じてしまう。チャンピオンロードをくぐり抜けた後の、無駄に長い階段に負けないくらい。


 夏彦、妄想がやめられない止めらない。

 未仔ちゃんの部屋はどんな感じだろうか。

 イメージ的に、可愛い雑貨やヌイグルミが沢山置いてそう。

 パステルピンクにまとめられた乙女要素たっぷりの部屋?

 めっちゃイイ香りするんだろうなぁ。

 などなど。


 高望み、ハードルを上げることしばらく。廊下奥にある未仔の部屋のドアが開く。

 夏彦は驚かずにはいられない。


 自分の妄想を具現化したような部屋だったから。

 否。自分の妄想以上に、乙女らしさや可愛らしさが込められた部屋だったから。


 パステルピンクを基調とした部屋に、アンティーク調の白い家具たち。レース素材の遮光カーテンや大きめなベッドが、お嬢様感やお姫様感を漂わせる。

 テディベアが好きなのだろう、丸鏡のついたドレッサーやチェストなどの上には色違いのクマたちが、ちょこんと並べられている。

 部屋全体からは、やすらぎを覚える甘い香りが。普段の未仔から香る花の匂いだ。


 感想。THE・未仔。

 未仔らしさ満載の部屋に、夏彦は感動さえ覚えてしまう。ハンカチがあるのなら目頭を押さえたくなるし、タオルがあればブンブン振り回したくもなる。

 どこぞの関西女の独身リーマンチックな趣味部屋とは大違い。あれはあれで落ち着くのだが、やはり華のJKの部屋に相応しいのは未仔と言わざる得ない。


「どーぞどーぞ♪」


 廊下前で突っ立つ夏彦の手を未仔は握ると、部屋へと招き入れる。

 言われるがままにクッションへと腰を下ろした夏彦は、浮かれている場合ではないと我に返る。

 彼女の部屋に来て、ノーコメントは彼氏としてダメだろうと。

「素敵な部屋だね」とか、「未仔ちゃんの部屋っぽくて、すごくイイ」とか。

 褒めワードは無限に浮かぶ。浮かぶのだが、緊張も相まって言葉に出すのが、酷く恥ずかしい。

 意を決して、口にする言葉は、


「お、おっきいヌイグルミだね!」


 しょうもない男である。

 未仔としても、ベッド上で寝そべる巨大ヌイグルミを指差されるのは予想外だったようだ。「あっ、ナッツ」と呟いてしまう。


「へー。ナッツって言うんだ」

「へっ!?」

「何か有名なマスコットの名前なの?」

「う、ううん……。ナッツって言うのは、私が付けた名前……」


 モジモジと三つ編みを揺らす未仔を見た夏彦は、何故そこまで気まずげに照れているのかが理解できない。

 少し考えることしばらく。「ああ、成程。自分で付けたから恥ずかしいのか」と自己解決。


「そんなに恥ずかしがらなくてもいいよ。スニーカー好きの琥珀なんて1足ごとにアダ名付けるしさ。エアマックスのスニーカーだからってMAX鈴木――、」

「ち、違うの!」

「??? 違う?」

「えっとね……、笑っちゃダメだよ?」

「う、うん?」


 未仔、羞恥を堪えつつカミングアウト。


「ナツ君のナツから取って、ナッツなんです……」

「!!!」


 思いもよらぬナッツの起源。愛くるしすぎる理由の発覚に、「な、なるほど……!」と未仔に負けないくらい夏彦も顔を赤らめてしまう。


 未仔に聞くのは酷すぎる。故に、ナッツに問いただしたい。

「君は一体いつから、未仔ちゃんのベッドにいるんだい?」とか、「もしかして、一緒に寝てなんかいないよね……?」とか、「おはようのキス、おやすみのチューなんかされませんよね!?」とかとか。


 一方その頃、未仔ちゃん。


「~~~~っ! ジュ、ジュース淹れてくるね!」


 その場にいると、恥ずかしさで燃え上がってしまうと、大慌てで部屋から出て行ってしまう。


「…………」


 いきなり訪れる静寂。夏彦とナッツが2人きり。

 夏彦は呟く。というより、ナッツに話しかける。


「お前が羨ましい……!」


 ヌイグルミに嫉妬を抱く哀れな男、ここにありけり。






ナッツ再登場。


「つい先日、未仔ちゃんに下着姿で抱きつかれましたけども」とナッツは思う。




【雑談】

ここ数年は、テレビよりYoutubeのほうが観てる気がします。

お気に入り実況者のゲーム配信をまったり楽しんだり、格ゲー全くできないのにストVのライブ配信に熱中したり、サンドウィッチマンやバカリズムのコントでゲラゲラ笑ったり。

やっぱり便利ですよねー。好きなものが気軽に観れるのは。

初めてネット広告費がテレビ広告費を超えたとか。

若者のテレビ離れ、すごい分かる。


最近、東京03のコントを見直してます。

『スマイルハウジング』ってネタがイチ押し。


皆さんはYoutubeで好きな動画や配信者はいますか?

私、気になります。



おっぱいフレンズは、ブックマーク&評価よろしくどーぞ。

Twitterもやってますʅ(◔౪◔ ) ʃ

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『おっぱい揉みたい』って叫んだら、妹の友達と付き合うことになりました。3巻書影
― 新着の感想 ―
[一言] ナッツとテレパシーで話ができたら… とか思ったけど、ナッツの存亡が危ぶまれるので、できなくてよかった。 個人的にいつも未仔ちゃんのにんべんが気になる。 「未子」でも「ミコ」でも良いのに、に…
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