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25話:相席昼食

 昼休み。夏彦にとっては、待ちに待ったと言っても過言ではないランチタイム。

 彼女の手料理の詰まったランチボックスをひらけば、


「うぉぉ……!」


 思わず感嘆の声も上がってしまう。

 メインであろう唐揚げは、年頃男子がガッツリ食べれるようゴロッと大きめ。黄金色に輝く衣だけでも食欲をそそるのに、敷かれたレタスや味のアクセントに用意されたレモンや白髪ネギは、彩まで楽しませてくれる。


 サイドメニューだって凄い。梅シソが品良く香る卵焼き、カレーパウダー入りのポテサラ、キノコたっぷりのバターソテーなどなど。1品1品に愛情がたっぷり詰まっているのが、見ただけで伝わってくる。


 夏彦、食べるまでもない。


「すごく美味しいです……っ!」

「ナツ君、まだ食べてないよ……?」


 未仔としては、味の感想が欲しいような、純粋に嬉しいような。

 今現在、夏彦と未仔は勉強机をくっつけ合い、仲良く隣同士座っている。


 2人きり?


 NO.向かい側には琥珀と草次。

 夏彦クラスにて、グループで食事中である。


「何でお前らがいんだよ」というツッコミを夏彦が入れることはない。何故ならば、夏彦と未仔が『皆で一緒に食べよう』という結論を出したから。


「じゃあ皆で食べよー♪」


 夏彦にとって、おっとりマイペース妹がいるのは予想外だが。


「何で新那にいながいるんだよ」

「夏兄とミィちゃんが、2人きりで食べるなら付いてこなかったよ? けど、琥珀ちゃんや伊豆見いずみ先輩と食べるって言うんだもん。にーなだけ仲間外れはイヤだもん」


「ミィちゃん、夏兄がいじめる~」と、新那が未仔の肩へと擦り寄れば、未仔は夏彦に目で訴える。「……駄目だった?」と。


「いや、全く問題ない!」


 可愛い彼女に駄目と言えるわけもなく。

「はい、にーなたちの勝ちー♪」と喜ぶ妹とは対照的に、琥珀と草次はイマイチ腑に落ちないといった様子。

 ついには琥珀が、


「なぁ。ホンマに2人きりで飯食わんでええの?」


 夏彦たちとしては予想どおりの反応。故に、自信を持って「うん」と頷ける。


「皆、もう疑ってはないと思うけど、今みたいに『本当に付き合ってます』ってアピールしていったほうが、心から納得してくれると思うからさ」


 夏彦の朗らかな笑みにつられるように、未仔も同意見だと大きく頷く。

 さらには、「あのっ」と琥珀へと話しかける。


「ん? どしたん?」

「さっきは大声出してしまって、ごめんなさ――、」

「ストップ!」

「!?」


 未仔の言葉を遮った琥珀は、ハッキリ、堂々と言うのだ。


「謝られたらウチも謝らなアカンくなる! だからアカン!」

「………。???」


 未仔、クセの強い関西弁に混乱状態。

 さすが夏彦。いつも一緒にいるだけのことはある。


「琥珀はこう言ってるんだよ。『ウチと未仔ちゃん、どっこいどっこいだから、お互いに謝るくらいなら水に流そう』って。ゴメンね、コイツも不器用な奴だからさ」


 照れている? 怒っている?


「~~~っ! 恥ずいからハッキリ訳すなやっ! 愛妻弁当、お前より先に食ったろかい!」

「なんで!? マ、マジで唐揚げ食べようとするなぁ!」


 本気で唐揚げを強奪しようとする琥珀と、必死にランチボックスをガードし続ける夏彦。

 そんな光景にキョトンする未仔へと、草次が締める。


「まぁ、コイツら基本こんな感じだから、長い目で見てやってくれよ」


 一進一退の攻防を繰り広げる夏彦と琥珀、黙々と弁当を食べ始める草次。

 未仔は思わず笑みがこぼれてしまう。

 夏彦・琥珀・草次の関係は、いつもこんな感じなんだろうなと。






地味に、メンバーが初勢ぞろい。

俺も唐揚げ食いてえ。



-報告-

以前からお願いしていた19~23話のタイトル案は、明日の投稿と同時に、新しいタイトルにチェンジします。

あとがきでも発表できればと!



-余談-

今日、イートインスペースのあるパン屋で、パンとコーヒーの会計済まして席着いた瞬間に、「今から半額セールなんで、良かったら見ていってね」って店員のオバちゃんに言われた。

その事実、1分前に教えて欲しかった。

商売の鬼。



『唐揚げもいいけど、おっぱいも好き』という、どうしようもない人、ブックマーク&評価の程よろしくどーぞ。ʅ(◔౪◔ ) ʃ

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『おっぱい揉みたい』って叫んだら、妹の友達と付き合うことになりました。3巻書影
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