表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/126

1話:傘井夏彦という男

 傘井夏彦かさいなつひこは、多くを望まない平々凡々な男子高校生だ。


 中流サラリーマン気質とでもいうのだろうか。地位や名誉を望まず、無病息災、家内安全といった『現状の維持こそ幸せ』を信条とするマイペーススタイル。


 そんな人畜無害さを評価され、小中時代、さらには高校2年生になったばかりの今現在も、『程良い』ポジションで『それなり』の学園生活を謳歌し続けている。

 人気者ではないが、クラスメイトの誰にでも話しかけられる、クラスに1人はいますよね的なキャラ。


 良く言えば。


 悪く言ってしまえば、中途半端なのだ。誰とも会話できるからといって、誰とも仲が良いかといえば話は別なわけで。

 エグい話、夏彦がいなくても世界は回る。いたら楽しいし、彩りを加えることはできるが、いなければいないで特段支障は出ない。



 おでんでいうところのハンペン、

 色鉛筆でいうところの白、

 モンハンでいうところの狩猟笛、

 アニメには出演するが、映画には出演しない出木杉君。



 そんなクラスの打ち上げには誘われるが、仲良しグループで行く旅行には誘われない悲しきごうを背負った男。


 とはいえ、夏彦自身、満足しているといえば嘘になるが、特に不満も無かった。

 中途半端な立ち位置こそ、自分の強みだと理解していたから。誰にでもできるポジションのようで、誰にでもできないポジションだと自負していたから。


 中間管理職的ポジションを苦と思っていない点も大きいだろう。

 向こうがどう思っているかは不明だが、気を許す友だっている。ふうがわりな奴ら故、許した気をいつ八つ裂きにされるかは不明だが。



 以上、中流サラリーマン、中途半端、中間管理職など、『中』の文字に愛されてやまない平凡な少年こそが傘井夏彦である。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

スニーカー文庫より、10/1(金)発売!

-公式ページはコチラから-
『おっぱい揉みたい』って叫んだら、妹の友達と付き合うことになりました。3巻書影
― 新着の感想 ―
[一言] 笛を崇めよ!RIZEで使用率3位だぞ!なお腕前のほうは()
[一言] 狩猟笛馬鹿にすんじゃねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!
[気になる点] 出来杉君はもっと上のポジションじゃ?w
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ