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12話:未仔ちゃんは、健気で甘可愛い PART5

 夏彦は考える。

 揉んでみたいの?

 そんなもん、揉んでみたいに決まっている。


 登山家がそこに山があったら登るように、男なら目の前に胸があれば揉みたい。

 男たるもの――否。おとこたるもの、ぱふぱふこそ至高。


 しかし、夏彦は知っている。そんな簡単に、胸は揉める代物ではないことを。

 それ故、「おっぱい揉んでいいので、私と付き合ってください」と未仔が告白してきた意味が理解できなかった。「何か裏があるのでは……?」と警戒さえしていた。


 カフェに入るまでは。

 未仔が心から自分を好きでいてくれていることに気付くまでは。


 恋愛経験の浅い夏彦には、未仔が自分を好きでいてくれる理由までは分からない。

 けれど、自分に向けられているものが、純粋な好意によるものか否かくらいは分かる。

 それくらい未仔の優しさには愛が感じられた。


 感じられたからこそ、


「も、揉みたい!」


 公衆の面前でもお構いなし。夏彦は未仔へと思いの丈をぶつける。

 はたから見ればセクハラ発言、未仔から見れば雄々しい発言。


 夏彦の口からハッキリと揉みたい発言を初めて聞いた未仔は、少々顔を赤らめつつ、1つ大きく深呼吸。

 そして、『いつでも大丈夫ですよ……?』とでも言わんばかりに、胸前で握っていた両こぶしをゆっくりと下ろしていく。


 最中だった。


「けど!」

「? けど?」

「それ以上に、未仔ちゃんを傷つけるようなことはしたくない!」

「!」


 そう。夏彦は人畜無害な男なのだ。

 真っ直ぐにピュアな男なのだ。


「そういう行為って、いきなりすることじゃないと思うんだ。……ゆ、ゆくゆくというか、互いの気持ちがたかぶった際にというか……」


 童貞は夢見がちなのだ。処女厨なのだ。

 だが、それでいい。

 まだ見ぬ世界へ夢を見て何が悪い。


「それにさ。胸目当てで未仔ちゃんと恋人になったって思われたくないからさ」

「……。恋人に、なった? …………。 ! そ、それって、」


 ひたすらに見つめてくる未仔に、夏彦は恥ずかし気に笑いかける。

 さらには、隣に座る未仔へと向かい合うと、深々と頭を下げる。


「こんな俺で良ければ、是非ともお付き合いしてください」


 夏彦。未仔へと告白返し。

 夏彦には、自分が愛されている理由は分からない。けれど、十二分に愛されていることは知っている。


 それで十分だと思った。理由はこれから教えてもらえばいいし、彼女に愛される以上に大切にしていきたいという気持ちも芽生えている。


「……ナツ君」

「うん?」

「大好きっ……!」

「…………。!!!??? みみみみみみ未仔ちゃん!?」


 顔を上げた夏彦が、目玉くらうのも無理はない。

 感極まった未仔が、自分の胸板へと飛びついてきたから。


 未仔の華奢な身体は体温がとても温かく、ミルクブラウンな髪からは甘く華やかな香りが鼻孔をくすぐってくる。

 何よりもだ。


 おっぱい。


 おっぱいがこれでもかというくらい当たっている。

 揉まない発言のご褒美? 揉む必要がないほどに未仔の柔らかくて、むにゅんむにゅんしたマシュマロバストが夏彦を天国へと誘ってしまう。全神経が胸板へと集中してしまう。

 付き合い始めて数秒。「もういつ死んでもいい……」と夏彦は幸せの渦へと身を委ねてしまう。


 おめでとう。夏彦に彼女ができました。





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2人が結ばれたからといって、勿論、お話は終わりません。

まだまだ続きます。むしろ、ここからが本番ですので、今後もよろしくどうぞ!



【お知らせ】

先日、ヤベェ読者さんたちを紹介したら、感想欄がおっぱいのコメントだらけになりました。

ヤベェ奴らがもっと増えた。大歓迎。


とりあえず、おっぱいフレンズ5000人目指して、今後は頑張っていこうと思います。

おっぱいフレンズは、ブックマーク&評価よろしくどーぞ。 ʅ(◔౪◔ ) ʃ

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『おっぱい揉みたい』って叫んだら、妹の友達と付き合うことになりました。3巻書影
― 新着の感想 ―
[一言] おっぱいフレンド = ぱいフレ という認識でおけ?
[一言] 君のおっぱいの熱意が伝わってきたよ・・・ 是非おっぱいになろうじゃないか(意味不
[一言] やべぇ奴の元には、やべぇ奴が集まりますもんね。(小声) …あれ?ということは、僕もやべぇ奴なのか…?(戦慄)
感想一覧
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