プロローグ:ミッドナイト×ミコミコ
夜も更けた自室のベッドにて。
あとは目を瞑って寝るだけなのだが、傘井夏彦は決して目を瞑ろうとは思えない。
それどころか、このまま夜が明けるまで起き続けるモチベーションさえある。胸が高鳴り続けてしまうし、表情が緩みっぱなしにもなってしまう。
スマホの画面越し、笑顔でお喋りしてくれる少女が原因だ。
少女の名を神崎未仔。
夏彦、最愛の彼女である。
『ナツ君、さっきからずっとニコニコしてるけど、どうしたの?』
「いや~~~、いつも以上に距離が近いと恥ずかしいけど、やっぱり嬉しいなって!」
「えへへ……。私も嬉しいですっ♪」
未仔は夏彦同様、ベッドに横たわり、まるで一緒に寝ているかのようなリラックスモード。普段話し合うときよりも顔と顔の距離が近いのは甘えん坊故。「もっと近づいちゃおっと」とさらに擦り寄って来るのは夏彦が大好き故。
音声通話ではなくビデオ通話で大正解と言わざるを得ない。大好きな彼女の声を聞けるだけでも昇天しそうなのに、顔を見ながら話せるのだから。
少し垂れた大きな瞳、ちょこんと小さな鼻、リップが塗られた桜色の唇。愛嬌たっぷりなルックスは相も変わらず可愛らしい。
風呂上がりに丁寧にブラッシングしたのだろう。キューティクルに富んだミルクブラウンの髪が一層艶々と輝きを帯びている。
部屋着であるロゴTシャツのフォントが立体的に見えるのは、特殊加工されているからではない。小柄な彼女のたわわな胸が原因である。
夏彦の感想。
スクショを10枚ほど撮ってもよろしいでしょうか。
未仔は勿論、夏彦も尚、恋人を愛し続けているのはお察しの通り。
どれくらいお喋りしたのだろうか、どれくらいイチャイチャしたのだろうか。
夏彦が未仔の異変に気付く。
「もう日付跨いじゃってるし、そろそろお休みにしよっか」
未仔の活動メーターの限界が近いようだ。スマホ画面に映る未仔がうつらうつらと船をこぎ始めてしまう。
彼女となら何時間でも電話し続けることができる夏彦としても、やはり無理をしてまで相手してもらうつもりは毛頭ない。
とはいえ、未仔としては無理をしてでも大好きな彼氏ともっとお喋りがしたい。
寝惚け眼を小さな手で擦りつつ、
『んーん……。もっとナツ君とお喋りしたいから、だいじょーぶ……』
「いやいや。未仔ちゃん、もう殆ど目が開かなくなってるじゃないか」
「やぁ……。まだお話するんだもん……」
(か、かわええ……!)
まるで、欲しい玩具の前で駄々をこねる子供。
「睡魔に負けるつもりはありません」と、未仔はお気に入りのクマのぬいぐるみ、ナッツをギュッと抱きしめる。
夏彦にとってヒーリング効果絶大な光景なのだが、未仔としてはどうだろうか?
未仔としてもヒーリング効果は絶大。普段から一緒に寝ているナッツを抱きしめてしまえば、あまりの抱き心地の良さに、完全に瞳が閉じ切ってしまう。
「未仔、ちゃん? もしもーし」
『…………』
へんじがない。ただの びしょうじょ のようだ。
小さな小さな寝息が聞こえてくれば、10カウント数える必要もない。
彼女の寝顔を眺めつつ、おもむろに夏彦は呟く。
「こんな可愛い子が、俺の彼女なんだよなぁ」
すやすやと眠っているのは未仔のはずなのに、『夢を見ているのは自分なのでは?』と思えるくらいに夢見心地な日々。
夢を見続けていると思っても仕方ないのだろう。
おっぱい揉みたいと叫べば揉んでいいと言ってくれ、
ぱふぱふしたいと思えば、ぱふぱふさせてくれる。
彼氏のためなら一肌も二肌どころか、生まれたままの姿にもなってくれる。尽くしに尽くしてくれる彼女のほうが絶滅危惧種レベルで珍しい。
ばぶみを極み尽くした彼女こそ、未仔という存在。
触れることができないのは分かっているものの、スマホ画面に映る未仔の頬を優しくも指でなぞってしまう。
未仔、タッチパネル機能搭載?
『……えへへ。ナツ君、大好きー♪』
「!!! ゆ、夢の中でも俺のことを愛して――、~~~~~っ! 未仔ちゃんめっっっっちゃ可愛い~~~~~!」
己の気持ち悪さなど何のその。近隣の迷惑にならないように、枕に顔を埋めて愛を叫ぶ夏彦であった。
未仔の寝顔をスクショしたのは言うまでもない。
新シーズン開幕!
今回は夏休みをメインにする予定です。
バカップルのさらなるイチャイチャを表現するためには、夏休みは必要不可欠かなと(笑)
今後もどうぞよろしく!
オッパイヽ(゜∀゜)メ(゜∀゜)メ(゜∀゜)ノオッパイ
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