心の友
少女は6年生となる・・・
この年の文化祭、少女は先生に監視され
同人誌の即売会を行えなかった。
少女は、学園での生活を
創作活動と人間観察に費やした
学園では、少女は隠すことなく漫画を描く
それは、徐々に知れ渡る・・・
あの有名少女漫画を書いてる漫画家であると・・・。
そうなると、それを利用しようとする人間が現れることは世の中の常である。
少女の漫画家としての仕事を知る人間は
少女に近づいていく・・・
少女の富と名声と金をと・・
それは、生徒でもあり、先生でもあった・・・
人間の闇の姿を目の当たりにする少女は
人見知りから、人間不信、対人恐怖症・・・・となっていく
より殻に篭る少女
授業態度や
2度のR-18の学園祭での販売や
それを反省もしない
問題児でもある少女は
中等部の進学で問題児が集まるクラスである
1-Jに入れられることとなった。
そこには【心の師】である少年も居た事は
孤独な少女にとって嬉しいことでもあった。
少女は、裏表無い小さな子供
とくに女の子、幼女が好きだった
そして、新しいクラスには
少女のお気に入りとも言える、小さな女の子がいた
キグルミを着る女の子
だが、少女に声をかけると言う勇気は無い
毎日きぐるみの幼女を観察できれば
自身の制作活動に熱が入ると
人知れず思っていた矢先
中等部、1-Jでは
先輩である2ーJの生徒が乱入する事件が起きる
そして、中等部2年、その中心人物である
赤髪の少年・・・いや、すでに青年と呼べる体格を持つ生徒が
【心の師】である少年と対峙する。
だが、赤髪の青年の視線は幼女に向く!
青年を止めようと動く、師匠と、赤く燃える姿の女生徒だったが
二人の動きを止めた先輩である赤髪の青年!
いや、その余波は少女も襲う!
だが・・・
少女はその余波をレジストする
元々、漫画の原稿用紙には気を使っているのだ
机に下げたカバンの中にも原画があるのだ
何かあった時のため
少女の持つ、魔法デバイスに内蔵されている
パッシブ(常時発動型)の、ある魔法が・・・。
少女にとって、ソレは
その時起きた、争いなど、どうでも良い事でもあった
大切なのは・・・その後、キグルミ幼女の受ける虐待!
それは、中等部から転入してきた不快な存在
毎日の様に幼女を虐待していく・・・。
その不快な男子生徒の存在が誰かと気づいたのは
この年の、夏の同人誌即売会
毎年来る、美少年と美少女が現れ
メガネの男性に隠れるように言われ隠れるのだが
その場所を知っているかの様に美少年は少女を見つけると
「よう!
ずっと楽しみにしてたんだぜ!
教室で書いてるの見ててさ
あ~~~今すぐ原稿を見たいけど
きちんと製本されたのを読んだほうが
楽しめるってさ
それにしても、今まで俺が来たら隠れてたのは知ってたけど
先生だったとわな!
でさ・・・
あとでいいからさ、サインくれね?」
「だ・・だれ?」
「は?
同じクラスだろ
たまに、俺を睨てるから
知らない事はないだろ?」
人間観察が得意な少女でも
クラスメイトの変わり者である、不快な少年と
目の前の少年が同一人物と気がつくのに
数秒かかったのは仕方の無いことだっただろう。
そして、しばし共通の話題である
学校の事や、リーゼントの事で話が合い
こと漫画や小説やアニメに関して
この少年はリーゼントより詳しく
幼女趣味以外で、少女と少年は
まさしく趣味が合うのだった。
その後、少女は、変わり者の少年とあまり話すことはなかった
学園では、少女が
リーゼントの少年や、変わり者の少年から
距離を取っていったこと確かであったが
あるとき、ふと気づく
学園の授業終わり
少女は授業が終わった事も気づかず原稿を書いてるのだが
気が付けば、教室に残っているのは
少女とリーゼントの少年と、あの変わり者の少年、3人だけである
時たま、帰りに飯に誘われる少女だが
断り続けるも、時間が合えば常に誘ってくる
変わり者の少年に少女は聞く・・・
「拙者・・・友達では無いのであるが・・・・」と
趣味が合えど、会話を楽しんだのは1度のみ
それも10分ほどだった
それなのに・・・と
帰ってきた言葉は当たり前かのように
「さあな、俺は友達だと思ってるけどな」とそして
小さく笑い、子供の様な無邪気な顔をして
「だいたい友達だからってさ
別に仲良く会話しなくちゃいけない訳じゃないだろ
俺は、100年に一回会って
「よ!」「やぁ!」の短い会話で終わっても
そいつを友達だと思ってるし
そいつから友達だと思われてなくても気にしねぇ
それと同じで
俺が、お前を友達と認識したんだ
お前が、どれだけ俺を無視しようと
俺の誘いを断ろうと
どれだけ、漫画に集中して遅くまで教室に残ろうと
俺はお前をまって、遊びに誘う
ただ、それだけだ!
俺は俺で、好きで勝手にやってる事だし
お前は、好き勝手にすればいい
まぁ、俺は嫌われても
逆ギレされて、殺されても気にしないし
死んでも、死体になってでも誘うけどな!」
ケラケラとダラシのない態度で
変わり者の少年は笑い
リーゼントの少年は、呆れた顔で少女に視線を送り
「ここにも【変態】の被害者が・・・。」と笑い出す
少女は・・・恐る恐る
「拙者は・・・2人の友達で良いのでござるか?」と聞くが
帰ってきた言葉は、予想もしない言葉
「知らん!
それは、俺の決めることじゃねぇ!
俺の聴きたい事は1つだ
これから俺達の遊びに行くのに付き合うか、付き合わないかだ!」
少女は納得する
目の前の2人は、元々他人の評価など気にする人間ではなかったと
そう、確固たる【個】を持つ存在なのだと
そして、自分に近づく大人達みたいに
自身の利益の為に、私を利用したり、お金目的ではないと
少女は、ブサイクな笑顔で首を縦に振るのだった。
そして少女は、変わり者の少年を
【心の友】
と、呼ぶようになったのだった。