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リーゼント


 少女は成長し、小学3年となる

1人の少年が同じクラスになった

少女が少年を観察しだして数日ある事に気がついた

なぜか、少年の周りだけ雰囲気が楽しそうだった

少年が良く笑うせいなのかは分からなかったが

少女が少年を見る限り

裏表のない感情、それに正直な少年でもあった

その底は、その本質は見えない


ただ、その【リーゼント】と呼ばれる


独特の髪型は、彼の生き様とも言える表現の現れだと感じるのだった。



 少女は人間観察と同時に、何時ものように

机にかじりつき1人マンガを書き続ける。


 ある日の放課後

もう何作目かは分からないが

拙いながらも、それなりに納得できる

36ページに及ぶ、オリジナルの短編のマンガが出来上がった。


 少女は、コレを他人や家族に見せるつもりはなかった

今まで書いてきた何作にも及ぶ作品も誰にも見せたことはない

他人と関わる事が苦手な少女

それは、両親にも及ぶ

両親はプロの製作者である

アマチュア、それも小学生の描いたマンガなど見せれるはずもなかった。


だが、1つの物が完成した


その喜びは少女にとって嬉しい事であり


机で出来上がった原稿を見てニヤニヤする少女だった。




「とうとう描き終えたんだな」と


不意に原稿が誰かの手によって掬い上げられた


驚いて視線を送ると


あの【リーゼント】と呼ばれる髪型の少年である。



 声を掛けられるのも

会話を交わすのも

描いたマンガを見られるのも初めての少女は

対応もできず、動きが止まる。


 気にもせず、少年は

出来上がったマンガを読んでいく

そして、出てきた言葉は


「作りが悪いな・・・。」


「悪い?」


 それなりに納得がいく出来上がりの原稿

それが【悪い】と言われ、反応してしまう少女


「あぁ、とくに酷いのは、この8ページめの建物や

 21ページめの窓、だいたいパースがなってねぇ

 人の大きさと建物や部屋の大きさがマチマチだ!」


「は・・・背景?」


「あぁ、職業柄どうしてもな

 マンガは・・・絵は上手いな

 少年マンガより、少女マンガ寄りだけどな

 ただ、短編とするなら

 ストーリーや展開が強すぎる

 それが全体のジャマになってるな。」


 少女は、それなりにイラっとする

背景はしかたがなかった事はある

父親はイラストレーター・キャラデザはするが

基本【人物】を専門で書いているので

背景は苦手でもある、これは少女も同じであり

少年の言い分も理解できた・・・がだ!

母親譲りの、ストーリーやシナリオ制作は、自信があったのだ!


「じゃま?」


 その言葉にリーゼントの少年は

少し考えこみ、そして口を開く


「・・・・

 先に言っとくが、凹むなよ?」


 少女は何故か素直に「うん」と答えたのだった。


「まぁ、一番が作者の頭でっかちなストーリーだな・・・



そして、少年のダメ出しが始まった・・・。


順序建てて、説明する少年のダメだしは

オブラートに包むような事もなく

キツイ言葉を続けていくが

少女の心に素直に入ってくる

理解できない事も「なぜ?」と聞くと

理解できるように説明をしてくれる・・・。


そして、初めて理解し納得出来た

自分に足りない、いや

知ってはいた、だが、それが自分の中で納得がいかなかった事が・・・。


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