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人間嫌いの俺が人間の為に一肌脱ぎます  作者: ゆうやん
第一章 少年時代
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ロロナ救出【後半】

 学園長の許可を貰った俺たちはエアーを使いながら家々の屋根を飛びながら北に向かって進む。

 下に居た通行人は驚いた顔をしていたが気にしてる余裕はない。


「誘拐犯は今どこかわかるか?」


 俺は肩に乗っている小さなドリアドの分身に話しかける。


「森に居た精霊の情報ですと人ではない速度で森の中をかけていると言っているわ。」


「分かった、ありがとう。」


「レヴィー、この速度だと追いつかないかも。」


「仕方ない、レーナスはケルシーの補助を。」


「何をするつもりだい?」


「今の速度で間に合わない、なら一気に目的地までぶっ飛ぶまでだ。」


「それって、まさか……」


 俺はケルシーに向かってニッコリと笑い二人を抱き寄せる。

 そのまま両足に魔素を溜める。

 開けた広場に着地した瞬間真上に向かって一気に飛ぶ。

 かなりの高さまで飛んでから再度両足に魔素を溜める。

 そして空中に魔法防御壁を地面と垂直になるように展開し一気にエアーの魔法を防御壁に向かって解放する。


「うわあああぁぁぁぁぁ!!!」


 普通では体感しなほどの速度で俺たちは森に向かって文字通り飛んで行ったのだった。




「あーゆう事するなら先に言ってくれないかな!!」


 森の入り口に着いてケルシーを下すとすごい剣幕で怒られた。


「言ったところで結果は変わらなかったと思うけど?」


「それにしても心の準備とかあるでしょ!」


「時間がないのにそんなことしてられないだろ。」


「そうだけど……うぅ……」


 涙目になりながら睨んでくるケルシーを宥めながら俺たちは森の中に入っていく。


「お待ちしておりましたわ。」


「君がドリアドの分身か。」


 森に入ってすぐにドリアドと同じ顔の精霊が姿を現す。

 本体と違うのは髪の色くらいでこっちのドリアドは薄い青色をしていた。


「はい、本体から情報は聞いておりますわ。」


「それなら話が早い、案内を頼む。」


「分かりましたわ。」


 分身のドリアドを仲間に加え俺たちは森の中を急いで進む。


「ドリアド、今誘拐犯はどこにいる?」


「今は森の奥にある洞窟に居ますわ、入り口には何人か警戒に見張りが居ますわね。」


「そうか、森に居る精霊にはこのことを伝えたのか?」


「伝えましたわ。皆協力してくれると言ってますわ。」


「それなら洞窟の周りを包囲するように言い伝えてもらっていいか。」


「もうしておりますわ。」


「仕事が早いことで。」


「お褒めにあずかりますわ。」


 ふふふとドリアドは笑う。

 しばらく進むと遠くからでも分かるほど大きな洞窟が見えてくる。


「あそこですわ。」


 近くの草むらに身を潜め観察する。

 先ほどのドリアドの情報通り数人の蛮族のような格好の人が見張りをしている。


「これからどうする?」


「周りに精霊がいるんだよな?それなら手助けをしてもらおうか。」


 そうすると近くの草むらや木の上から数多の精霊が姿を現す。


「呼ばれたー。」


「なにする?なにする?」


「強いお兄さんなにするー?」


 そう言いながら精霊達は俺の周りを飛び回る。


「そうだな、君たちにはあそこに居る怖いお兄さんと遊んでほしいかな。」


「あれと遊んでいいの?」


「なにして遊ぶ?」


「どうするー?」


「そうだな……ばらして遊んでも良いよ。」


「ちょっと!それはどうかと思うよ!」


 ケルシーは慌てた様子で止めようとする。


「ケルシー、あいつらは平気で人の命を奪う連中だ。」


「どうしてそんな事言えるの?話し合えばきっと……」


「それは無いな、あの連中は平気で人との約束を破る。」


 生前の記憶から言ってもあの連中は本当に平気で裏切りや虐殺をする。

 それに、こういった異世界系の作品に出てくる蛮族は基本頭の中が金と性欲で埋まっているって相場が決まっている。

 そう考えるとロロナの身の安全がなおさら心配になってくるな。


「でも……」


「それに俺たちはあんな感じの連中に一度襲われている。話し合いが通じる連中とは思っていないんだ。」


「……」


 なおも食い下がるケルシーに少し疑問が浮かぶ。

 確かこの世界のエルフって人間が嫌いって本で読んだことがある。

 それなのにどうしてそこまで人間を助けようとするのか……

 のちに話してくれると言っていた自身の秘密に関りがあるのか?



「ケルシー、これは仕方ないことだと割り切れ。」


「……仕方ないことなのかな。」


「この世界に生きている人間が全て良い人間だけだとは思うな。」


「……分かった。」


 涙目になりながらもうなずくケルシー。

 俺はため息を吐きながら周りにいる精霊に指示を出し行動してもらう。

 数分後には見張りをしていた蛮族が悲鳴を上げながらバラバラにされていく。


「……きついなら死体を見るな、吐くぞ。」


「うん……」


 青い顔をしているケルシーに一言言葉をかけ洞窟に入っていく。

 中に入ると松明で明るく照らされていた。

 途中で蛮族が持っていたククリナイフを広いながらドリアドに外にいる精霊もついてきてもらうようにお願いして全員で中を進んでいく。

 そのまま進むと奥から数人分の足音が近づいてくる。

 俺は数匹の精霊に注意を引いてもらうようにお願いをする。


「な、なんだ!」


「いきなり松明が落ちた?」


「どうせ雑に縛り付けていたんだろ。」


 精霊が落とした松明に視線が向いた瞬間俺は一瞬で間合いを詰める。

 一人の喉を深く抉るようにナイフで切り裂きながら残りの二人に風の刃を放ち声を上げ暇を与えない。


「終わったから先に進もう。」


「流石レヴィー、仕事が早い。」


「うっぷ……人が死んでいく……」


 ケルシーがかなり気持ち悪そうにしているが我慢してもらうしかないな。

 そもそも10歳程度の少年が平気で人を殺すことが異常なんだがな。

 ほかにも何人かの蛮族に出会ったが全て俺やレーナス、精霊たちが皆殺しにし壊滅状態にしていった。




 最深部であろう場所に着いた。

 人の手が加わった様子の無かった洞窟だったはずだがその場所だけ鉄の扉で塞がれていた。


「ここから先何があるかわからないから皆用心するように。」


「分かったわ。」


「うん、わかった。」


 ほかの精霊も頷き各々突入する準備をする。

 準備が完了したのを確認し俺は鉄の扉に向かって威力を抑えた爆炎魔法使う。

 ここまで来たらド派手に暴れても問題ないだろう。

 そして土埃を勢いよく薙ぎ払いながら破壊した扉の中に入る。

 そして俺たちが目にしたのはボロボロに引き裂かれた服を身にまといながら数人の蛮族に抵抗しているロロナとニヤニヤしながらそれを見ている多くの蛮族、そして離れた場所にただ一人全身を黒いローブで包んでいる謎の人物がこちらを見ている光景だった。

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