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人間嫌いの俺が人間の為に一肌脱ぎます  作者: ゆうやん
第一章 少年時代
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ロロナ救出【前半】

 ラガールフの傷の回復を待ち喋れるようになるのを確認して状況を話してもらった。

 どうやら爆発が起きた瞬間何者かがロロナを連れ去って行くのを見たそうだ。

 それを阻止するのに立ちはだかったが弱体化の魔石を使われ、更に深手を負ってしまったようだった。


「ロロナの現在地は分かるか?」


「はい、精霊回路でつながっていますので。今はここから北に向かって移動しています。」


「そうか、ありがとう。」


 居場所を聞き立ち去ろうとする。


「レヴィー殿!」


 ラガールフがそんな俺の背中に声を投げかける。


「どうか、どうかロロナ殿を!」


「ラガールフは安心して治療を受けてろ。ロロナは俺が必ず取り戻すから。」


「かたじけない……」


 ラガールフは言葉に安心したのか目を閉じ眠る。


「レヴィー。」


 医務室から出てきた俺にレーナスたちが集まる。


「今から北に向かう。」


「ロロナさんを助けるのですか?」


「ラガールフと約束したからな。」


「そうですか。北の方角でしたらわたくしが管理していた森に行きつきますわね、でしたらわたくしの分身を森の入り口で待たせておきますわ。そこからは分身がロロナさんの魔素を辿って案内いたしますわ。」


「すまない、頼む。」


「レヴィー、ぼくも行っていいかな?」


「ケルシーも?」


「うん、相手が何者かわからないなら支援が必要だと思うんだ。」


 確かに上位精霊のラガールフがやられる程の相手だ。

 しかし、そんな相手がいるのを知って尚も俺と一緒に来る意味があるのか?

 俺は森に居る精霊たちに呼びかけ手助けしてもらえれば安全に事件を解決できる自信がある。


「危険なのを承知で付いてくるっと?」


「そうだよ。」


「どうしてそこまでして。」


 するとケルシーは周囲に人が居ない事を確認して耳にかかっていた髪を除ける。


「その耳、あなたエルフなの!?」


 ケルシーの耳はエルフ特融の細長い耳をしていた。

 エルフ、正確には耳長族は本来エルフの森と言われている人が侵入できない場所で生活しており、その存在も今となっては伝説とされている。

 人前に出てくることはなく独自に生活環境でひそかに暮らしていると言われていたがどうしてそんなエルフがここに?


「ぼくの事はこれが終わったらちゃんと話すよ。でも森の中でなら僕の、エルフとしての特徴を生かせるし何より森はぼくたちの庭みたいな場所だ。だからお願い、一緒に連れってて。」


「……理由としてはそれ以外にもあるんだな。」


「うん。君になら話してもいいとは思うが時間が無い。ダメなら僕はここに残ってさっきの怪我をした精霊の看病をするよ。」


 少し落ち込んだ様子で上目遣いでこちらを見てくる。


「……後でちゃんと理由を話してくれ。」


「え?」


「付いてきても良いがちゃんと理由を話してくれ。約束だ。」


「うん。うん!ちゃんと話すよ!」


「話はまとまった?」


「あぁ、今からロロナの救出作戦を行う。作戦は簡単だ、敵を見つけ次第容赦なくぶっ飛ばせ。そしてロロナを救出する、それだけだ。」


「「了解!」」


 話が纏まり俺たちは急いで試験会場から出る。


「待ちなさい!」


 会場から出た瞬間目の前に学園長が姿を現す。


「どこに行くつもりだ?」


「あんたには関係ない事だ。」


「攫われたロロナを助けに行くのだろう。」


「だとしたらどうする?」


「もちろん止めるわい。今、国王が部隊編成をし攫った犯人が向かった方に騎士団を派遣する準備をしておる。お主らが行かなくてもロロナは無事に助かるだろう。」


「悪いが俺は人間の言うことは信用してないんでね。あんたらが勝手に騎士団を使ってロロナを助けに行くなら結構、だがな俺は俺で勝手にロロナを助けに行く。」


「どうしても行くと言うならワシは無理やりでも止めるぞ?」


「あんたに構ってる暇はないんだ。邪魔するなら容赦しないが?」


 俺と学園長が睨みあい一歩も譲らない状況になる。

 互いに魔素の操作に集中し一触即発の状態。


「待ってください!」


 そんな俺たちの間にケルシーが割って入る。


「お主は。」


「学園長行かせてください!」


「しかし……」


「これはぼくのお願いです。行かせてください!」


「お主の事情は聴いておるが子供だけで行かせる訳にはいかんのじゃ。」


「それは何かあった場合学園の責任問題になるからでしょうか?」


「う……ぬう……」


 どうやら学園長はけるケルシーの何らかの事情を知っている様子だ。


「責任ならぼくの独断の判断で行ったことにしてください。そうすれば学園の責任問題にはなりません。国王も理解してくれます。」


「しかしワシには学園の生徒になる未来のある少年少女を守る役目がある。」


「それなら心配いらないぜ。さっきの模擬戦闘を見ていたのならわかるだろ?」


「その自信は時に自惚れとなる事をしれ小僧。」


「悪いけれどレヴィーの強さは私が保証するわ。」


「お主はそやつの精霊じゃな。」


「そうよ。レヴィーの強さは自惚れじゃないわ。」


「それを保証する方法はあるのかの?」


「上位精霊の私が言っているのよ、それが証明で満足じゃないかしら?」


 珍しく強気のレーナスに驚きつつも信頼してくれている事に感謝する。


「精霊回路で契約者の力量がわかるって事か……」


「だめですか?」


「仕方ないのう、じゃが危険と感じたのであればすぐに逃げてくるのじゃ。そしてその時の状況を報告してくれ。」


「「「分かりました!」」」


 学園長の許可ももらい俺たちはロロナの救出に北に向かうのだった。

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