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人間嫌いの俺が人間の為に一肌脱ぎます  作者: ゆうやん
第一章 少年時代
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団体戦

「ぼくの獲物はこの弓だから後方支援になるけど平気?」


「それなら心配ない。俺に当てなければ思う存分撃ってくれていい。」


 成り行きで共闘することになったが取り敢えずこの試験を合格することが最優先だと割り切るしかないか。


「俺はこの刀だからあの中に入ることになる。」


「わかった、それなら目の前の邪魔な奴らはぼくが片付けるよ。」


「頼む。」


 さて、この試験は殺さなければなんでもしても良いんだよな?

 それならと姿勢を低くし足裏に魔素を溜める。


「レーナスフォローを頼む。」


「ふぉろー?」


「あぁ……補助を頼むっと意味でいいかな。」


「了解!」


 レーナスは俺が何をしようとしているのかを理解したようですぐに両足に溜めた魔素の安定化をはかる。


「レーナス、三つ数えるから地面に向かってエアーの魔法を。」


「ぼくはどうすればいい?」


「ケルシーは三つ数え終わったら前にいる数人を倒してほしいかな。後は支援してくれればいいから。」


「分かった。」


「それじゃ行くよ。三、二、一、今!」


 両足に溜めていた魔素を開放し地面に向かってレーナスがエアーの魔法を発動する。

 一気にトップスピードになる。

 ケルシーは一瞬驚いた顔をした顔をしたがすぐに俺の目の前に迫る相手チームの受験生を次々に倒していく。

 彼の狙撃スキルに驚いたがそれよりも俺の今のスピードよりも速い速度で矢が飛んでいくことに驚いた。

 多分弓に強化魔法を付与しながら風魔法を使い速度を上げているのだろうな。

 矢が当たった受験生はかなり痛そうにその場にうずくまる。

 おかげでスムーズに激戦区に突っ込むことができた。


「な、なんだ!?」


「どこから!?」


「そんなことよりこいつも敵だ!囲んで一気に潰せ!」


 敵チームのリーダーが一瞬焦った様子だったが冷静に指示を出し俺を潰しに来る。


「レヴィー!」


「地面に向かって撃て!」


 レーナスがかなりの魔素を地面に向かってぶつける。

 一瞬にして土煙が周囲を覆い視界が悪くなる。


「レーナス、手を。」


「はい!」


 お互いのを手を取り合い存在の確認をする。

 繋いだ手を中心に時計回りに回転しエアーの魔法を周囲に放つ。

 威力は抑えているが気絶させる程度のダメージ量にしてある。

 一瞬にして俺たちの周りに居た相手チームは一掃される。


「こいつらかなり強い……おい!手負いは無視してこっちに集まってこいつを先に仕留めるぞ!」


 リーダーの声に離れていた相手チームの受験生が集まり再度包囲網が完成する。


「レヴィーどうする?」


「聞かなくてもわかるだろ。」


「そうだね、全部やっつければ良いんだよね。」


「その通りだ!」


 手を放し互いに背中合わせになる。

 次々に迫りくる敵をレーナスが魔法で倒し、それをかいくぐって来た敵をを俺が刀で切り伏せる。

 時には立ち位置を交換したり、時にはレーナスが前かがみになった俺の背中を乗り越え反対側にいる敵を魔法で気絶させる。


「あの二人踊っているみたい……」


 多分回覧席で見ていた受験生の誰かが言ったのかそんな言葉が聞こえてきた。

 周りにはそんな風に見えるのか。

 だが今は目の前の敵をなぎ倒すことを優先しないと気を抜くとこの状況が簡単に崩れる。


「レヴィー、魔素が少し尽きてきたかも。」


 いくら上位精霊になったレーナスでも防御壁を展開しながら突っ込んでくる敵を気絶させるとなるとかなりの魔素を消費する。


「精霊回路を使って俺から魔素を強制吸収して回復を!」


「良いの?」


「まだ魔素は余っているから平気だ。」


「分かった。」


 その瞬間一気に疲労感が襲ってくる。

 レーナスと繋いでる精霊回路が強制的にこじ開けられた反動だろう。

 この程度ならまだ平気だろう。


 そうしながら戦っている中で横目でケルシーを見ると周りに居る補助系の受験生を倒していた。

 こっちは任せていて大丈夫だと思ったのか自分にできることをしている。

 そのおかげか相手チームの防御壁の展開が追い付かない様子で先ほどより楽に倒すことができる。

 数分後には俺たちの周りには相手チームの受験生の山が出来上がった。


「最後はお前だけだな。」


 俺はリーダーの受験生に向きながら言い放つ。


「くそ!負けてたまるか!」


 そう言いながら手に持っていた短剣に強化魔法を付与しこちらに突っ込んでくる。


「その程度で主導者が務まるのか。」


 俺は一瞬で間合いを詰め胴に刀を叩き込む。


「ガハ!」


 リーダーは意識を手放しその場に崩れ落ちる。

 静寂が訪れる。

 周りを見ると俺たちにチームで残っているのは数人だったようで接戦だったようだ。


「そこまで!団体戦一回戦は二番の勝利!!」


 学園長の終了を告げる合図に歓声が沸き上がる。

 俺とレーナスはハイタッチをしケルシーのところに戻る。


「ケルシーお疲れ。」


「お疲れ様だよ。」


「あはは、ぼくは何もしてない気がするんだけど……」


「そんなことないさ、周りに居た補助している受験生を倒してくれたから俺たちは早くあの人数を倒せたんだから。」


「ちゃんと見ていてくれたんだね。」


「当然よ。私とレヴィーで勝ち取った勝利じゃないのよ。私たちで勝ち取った勝利なんだから。」


「えへへ、少し恥ずかしいかな。」


 照れたように前髪を弄るケルシーを見ているとこいつ本当に男かと考えるぞ。

 これがいわゆる男の娘ってやつか。


「まぁ、お疲れ様ということで。」


 俺が手を掲げると二人も掲げる。

 そして小気味良い音を立ててハイタッチをしたのだった。

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