模擬戦
模擬戦が行われる会場は少し離れた場所にあり、見た目はローマにあるコロッセオにも似た会場だ。
中に入るとほかの受験生が数人いた。
「ここで戦うのね。」
一緒に来たロロナは圧倒された様子で回りを見渡す。
俺も回りを見渡しどう戦うかと思っていると鋭い視線を視線を感じ振り返る。
その視線の先に一人の監視役の人がこちらを見ていることに気づく。
(なんか嫌な視線だな。)
そう思いドリアドに少し屈むようにお願いするように袖を引っ張る。
「どうされましたか?」
「あそこにいる人から少し嫌な視線を感じた。」
「あのお方ですわね。わたくしも気になっておりましたので監視しておきますわ。」
「お願いするよ。」
「任せてください。」
これであいつが何かしらの行動をしたときには対応ができる。
説明の時にドリアドが感じた嫌な気配の持ち主があいつなら罠にはめる事ができるな。
そんな考えを巡らせながらいると学園長が出てきた。
「全員そろったな。これより模擬戦を開始する。」
その言葉を合図に数人の教師が箱を持って受験生に何かを引かせて回る。
俺のところにも来たので箱に手を入れ紙を一枚引く。
開くと25と数字が書かれていた。
「今配った用紙に書かれていた数字は対戦相手を決めるものだ。これから数字を順番に読み上げる、呼ばれた者は前に出てくれ。」
そう言うと1から順に読み上げていく。
ロロナはどうやら13番目だったらしく呼ばれて前に行く。
それからすぐに俺も呼ばれたので前に行き誘導され列に並ぶ。
こうして俺たち受験生は四つの班に分けられた。
「それでは模擬戦の内容を説明する。まずは分かれてもらった四つの班で団体戦をしてもらう。その後残った受験生同士で一対一の模擬戦をしてもらう。以上が今回の模擬戦の内容になる、各々戦闘に励むように。」
そう言うと学園長は姿を消す。
その後、一番前にいる受験生が再度呼ばれくじ引きをする。
俺たちのチームはロロナが居るチームとは戦わないで済むようだ。
「これより1番と2番の団体戦を行います。各自準備をしてください。」
それを合図にほかの先生に誘導され控え室に向かう。
案内された控え室には木で作られたいろいろな武器が用意されていた。
「それではこの中から自分にあった装備を選んでください。終わりましたら先ほどの会場に向かってください。」
さて、どうするか。
そう考えながら一通り武器を見て回る。
日本刀に似た長刀、ナイフにククリ、斧や槍などもある。
「レヴィーは何にするの?」
「そうだな……やっぱりこれだな。」
手にした武器は中ぐらいの長さの日本刀だ。
名前は何って言ったかな?
忘れたがこの武器が一番しっくりくる。
父との訓練でもこれを使っていたしこれで良いか。
武器を手に会場に戻る。
ほかの受験生も集まってきて会場にそろう。
「そろったようだな。それではこれより団体模擬戦を開始する!」
それを合図に一斉に受験生が行動しだす。
俺は少し離れた場所で状況を確認する。
この試験で求められるのは自分に合った戦闘スタイルで状況判断ができるかなどだろう。
実際接近戦が得意な人は最前で戦い、そこに支援が得意な人が的確に味方の支援をしている。
俺は接近と支援両方できるが今は状況を把握することに徹する。
しばらく見ていると向こうのチームには指示するリーダー的な人がいるのにこっちのチームにはいない。
そのせいか統率が取れておらずバラバラになり一人一人倒されていく。
これは厳しいな……
「少し厳しいですね。」
ふと、隣に知らない男が冷静に話かけてきた。
「やっぱりそう思うか……」
「そうだね、向こうは統率が取れているがこっちは統率が取れていない。全滅するは時間の問題だな。」
「それなら君が指示すればいいと思うが。」
「残念ながらぼくは指揮をとるのが苦手なんだよ。」
「俺もだ。」
「そっか、後方で冷静に戦況を見ているからってきり指示するのに分析してると思ったんだけと違うのか。」
がっかりした感じでため息を吐く。
「期待に応えられなくてすまんな。」
「いや、こっちが勝手に期待しただけだから。こっちこそごめん。」
「ところでこれどうする?」
「そうだね、君これをどうにかできそう?」
「流石に人数が多いから無理だな。」
そう返答すると値踏みするようにこちらを見てくる。
「なんだよ。」
「なるほどね。一人じゃなければ覆せると。」
「そうだな。」
まぁ、レーナスがいれば全滅させれるけど、それは黙ってよ。
「なら今から共闘する?」
「生憎俺は人が嫌いなんで。」
「そう言わずに。」
グイグイくるな。
しかし戦況が良くない今の状況を見るとこのままだと確実にこっちのチームが負ける。
それは試験結果に悪影響になりかねない。
ため息を吐き男を見る。
「状況的に仕方ないか。」
「良かった、自己紹介がまだだったね。ぼくはケルシー。」
「レヴィーだ。」
「よろしくレヴィー。」
「あぁ、よろしく。」
そうして一時的に俺たちは共闘することになったのだった。




