~人類滅亡寸前だったから頑張ってみた8話~
目が覚めると朝になっていた
危険な森でもぐっすり眠ってしまうなんて、自分の性格にもあきれたものだ
眠っている間にモンスターに襲われていないのは運が良かった
というか、寝ている間にモンスターに襲われているのが普通であるが、神の幸運に助けられたのだろう
鋼のメンタルで少しばかり危機感を感じにくくなっているのかもしれない
今後はもう少し注意しないと幸運も必ず続くとは限らないしな
身体が軽いのでステータスを確認すると体力が最大まで回復しているし、食事と水をとって寝ることで回復したのだろうがいつもならばまだ疲労が残っているはずだ
恐らくは、ステータスによっていくらか補正されているのは間違いないだろう
ひとまず思い着く目標は、街へ向かい食料と安全な住居を確保、生き残った人間の捜索だな
街には森にいるモンスターよりも危険な魔族が残っているかもしれないしできる限りレベルもあげておこう
ダイゴは干していた肉の少しを朝食にして再び南へ向かった
□視点(ある勇敢な兵士)
街には魔族のしたっぱ達がうろうろしていた
まだ生き残っている人間を探しているのだろう
魔族との闘いのなか出来る限りの女子供を連れてこの協会の地下まで逃げてきたのだ
足止めに何人もの屈強な兵士達が犠牲になっていった 恐らくもう、魔族のエサか奴隷として連れていかれた 残っているのはこの協会の人間のみだろう
まだ地上では魔族が残っている
死んだ兵士達の為にも俺が何とかしなくては
しかし、このスキルでどうしろというのだ
(回想シーン)
国王「王国騎士ヴィンセント、そなたを人類最後の騎士団長として命ずる」
ヴィンセント「王よ、この命に代えてもこの国を守ることを誓います」
◇
勇敢な兵士であるヴィンセントは、自らが騎士団長に任命され誓ったことを思いだし、国民すら守れなかった情けない自分に腹が立ってしかたなかった しかし、何としても今生き残っている人々だけでも守る 再び誓うのであった