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恋奉人~貴方の片想い奉仕します~  作者: 蓮之都
協調篇
1/7

友人の一目惚れ

ラブコメ初投稿です。


誤字脱字があるかもしれませんが許してください

私立迎才学園高等部しりつげいさいがくえんこうとうぶ龍之支部たつのしぶ

通称・迎高の龍


俺は中学での三年目を勉学へと費やして、念願の迎高へと入学する事ができた。今は入学式を行う為に生徒達は各々、各支部に移動中というわけだ。


迎高からは毎年多くの天才、秀才と呼ばれるであろう人達が輩出される。現にノーベル賞や芥川賞等を取った人が卒業生にいるそうだ。


その為、受験者数は千人を軽く越える私立でありながら受験者の中には滑り止めではなく本命で受験する人が殆どだ...っていうか滑り止めで受験する人なんて聞いたことがない。


学園側も受験者が多くその殆どが、難関問題をかき集めた入試で合格ラインを越える為か、高等部を四つの支部に分けている。


「おーいかなめ。やっとだなぁ俺達の青春の地だ」


後ろから、いきなり背中を叩きながら話し掛けてきた長身の男を見た。


「いきなり叩かないでよ。痣できたらどうすんの」


こいつは城之崎きのさき のぼる唯一俺と同じ中学から迎高への進学が決まった180越えの長身を持つ男だ。


因みに、要とは俺のあだ名だ。名前じゃないからそこの辺り良く覚えていてくれ。


「登も龍だけ?」


「そうだよ。俺が龍に行くからな。そこの校門を登竜門と名付けよう」


「(やめてくれ。俺そんなアホな思考回路の奴と仲良くしたくない)」


「龍の字違うけどな」


「意味は同じだ」


そんな会話を挟みながら、しばらく二人で歩き学園東側にある龍之支部へと向かっていると、ある女子生徒が眼に止まった。


背中まで伸ばした黒髪で毛先は外側に跳ねていて、しっかりと制服を着飾っていて姿勢正しくお手本のように前を歩いていた。そんな彼女をまるでマネキンかと思ってしまった。


後ろ姿しか見えなかったが恐らく育ちの良いお嬢様か、もしくは美男女夫婦から産まれた美少女というところだろう。


「(これは校内で色々と噂になるに違いないな。御愁傷様)」


そんな事思っていると隣から肩に手を乗せられた。誰かなんて言う必要はない。俺の隣には一人しかいないから。


「やべぇ。惚れた」


登の方へ顔を向けると俺に聞こえる声で前を見ながらボソッと呟いた。


「おめでとう良かったな」


ここは友人として褒めてやろう。多分玉砕するかもしれないから軽くな。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


異様に長いだろうと思っていた入学式は、そんな事を想わせることなくスピーディーに終わった。


今は割り振られたクラスの教室へと向かっている。迎高は各支部の新入生が二百五十人と決まっていてどこの支部も一クラス五十人となっている。


一般的には、狭いと思ってしまうかもしれないが、他の高校と比べて教室一つ一つが一回り大きく建られているため大した差はない。


「登は、何組?」


「俺はE組。要は?」


「俺もE組」


「お、じゃあ三年目だな」


登は俺に向かって笑顔でよろしくと言ってきた。その言葉は俺が言いたいよ。登と同じクラスで居られることが俺にとっては救いに等しいからな。


「こちらこそ」


E組の教室に向かっていると扉の前で多くの生徒が立ち並んでいる。明らかに人数が多いため他のクラスの人達もいるとすぐに判った。


「ねぇあのさ俺達自分の席のある教室に入りたいから通してくれないか」


立ち並んでいる人達に登が掌を合わせて頼み。生徒達はすぐに道を開けて通してくれた。


クラスの扉が埋まるぐらい集まった生徒達を見て嫌な予感を持ちながらも教室に入っていた。


「か、可愛い」


登の後ろに付いて教室に向かおうとした時に周りから可愛いという言葉がちらほらと聞こえた。その時、俺は自分の現状を理解し溜め息が出そうになった。


「(ここも一緒か。なんだかもう聞きたくない言葉だな)」


教室に入ってすぐに、黒板に貼り出された席次を確認して自分の席に向かおうとすると、教室の扉から少し離れた所で登が停止していた。


登は教室の窓側の後ろの方に顔を向けたまま銅像のように動かなかった。

何を見ているのか気になり登の視線を辿るとそこには、背中まで伸ばした長い黒髪に外側に跳ねた毛先。薄い茶色の瞳を持つ少女が両手で開いた小説のページをゆっくりと捲り、そこに書かれているであろう文字を見つめていた。

一つ一つの特徴を見て、すぐに誰か判断が出来たし理解した。


「(間違いない、ついさっき前を歩いていた美少女だ)」


登の事をスルーして自分の席に着いて時間が経つのを待った。


教室の中が異様でしょうがない。席に座っているのは自分と周囲の目線を集めている美少女のみ、教室内にいるのはピクリとも動かない登を含めた三人だけ。


「君達何をボーッと立ってるだい?」


教室の外から威厳を感じさせる声が聞こえた。スマホから廊下の方へと目線を変えると先程まで美少女の方を見ていた生徒達が背中を向けていた。


「ホームルームの時間だよ。ここにいる全員が遅刻扱いは免れません。わかったら自分のクラスの教室に戻りなさい」


生徒達が各々教室に入っていきショートカットのストレートヘアーのスーツ姿の女性が出席簿を持って現れたか。


「本日から一年間君達の担任をすることになった東雲よ。宜しくね」


東雲先生が微笑みながら自己紹介をした後、出席番号順に自己紹介と言うことになった。


「そうそう、自己紹介一人終える毎に質問させてもらうわね」


「(マジですか)」


「そういうわけなので皆も質問してみてね」


東雲先生の思いがけない発言で俺はトラウマを作ってしまわないか不安でしょうがなかった。


色々と頭を悩ませていると自分の順番が回って来てしまった。仕方ないと意気込み俺は覚悟を決めて席を立ち、皆の方へと体を向けゆっくりと口を開いた。

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次回は三月七日に投稿する予定です

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