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そうです、ただの魔法使いです  作者: 玄上ひとえ
第1章 魔法使いと入れ替わりました
21/89

18 ご依頼クエスト

て、テストォオオオオ──ッ‼︎

 

 ──ギルド


「いらっしゃいませ! 今日はどういったご用件ですか? 」


 ギルドの受付のお姉さんはいつだって愛想が良い。だからロエがこんな良いお姉さんに『その通りよ、このハゲっ! 』と言ってしまう前に既にロエの口を塞いでいる。


「クエストを受けに来たんですけど、討伐クエスト以外のオススメのクエストってありますか? 」


 ミノタウルスの一件もあり、当分は討伐クエストを控えようと思う。そもそもメンバーの実力も計れてない様なパーティーが討伐クエストを受ける事自体ヤバい。そんなパーティーのリーダーは本当にヤバい!


 今考えるとミノタウルス戦はヤバかった。何がヤバいって、初手で血の雨を降らせたのが一番ヤバい! 日本のゲーマーが聞いたら『ウケるww 』と言って草を生やすだろう。


「京太郎、討伐クエストは受けないの? 」


「そうだな、討伐クエストは俺たちにはまだ早いからな。お互い何が出来るとか知らないうちは他のクエストを受けようぜ」


「キョータローの言う通りだね。まだ私たちパーティー組んで1日しか経ってないもんね」


「そうゆう事だ、ロエもそれでいいか? 」


「私は別にそれでも構わないわよ。そうじゃなくて…… 」


 ロエは少しだけ顔を赤くしながら、目を逸らす。声も語尾辺りは殆ど聞こえない程小さくなる。


「わ、私のせいで、京太郎が討伐クエストをトラウマになったんじゃないかって……し、心配──」


「何? 」


「な、何でもない! 」


 ロエはプイっとそっぽを向く。


「何て言ったんだよ? 」


「何でもないわよッ! 」


 ロエは恥ずかしいのか一向に顔を合わそうとせず、口調を荒げる。


「心配しなくとも、お前のせいでトラウマになったらとかでは無いから」


「──ッて聞こえてるじゃないの‼︎ 」


「まあ、聞こえてないとは言ってないからな」


 俺は笑いながらロエをからかう。正直初戦から重傷だったので討伐クエスト自体は少し怖い所もあるが、自分の事を他人に心配されるのはあまり好きじゃない。だから誤魔化す様にロエをからかう。


 本当に、そうゆう所はうちの元上司を見習ってほしい。報酬の時もそうだが、ロエもガーネットも優しすぎるんだよな。


 ゴミカス(上司)なんか、俺の心配なんかした事無いし、石川五右衛門の如く俺の手柄を全てかっぱらっていきやがったし……全く、トンデモないヤツだったな。熱湯でもブッかけてやれば良かったぜ。


「だったら何のクエストを受けるの? 」


「あー、考えてないから受付のお姉さんに聞きにきたんだよ」


 そもそも他にどんな種類のクエストがあるかも知らないしな……


「それでしたらあちらの掲示板をご覧ください! 」


 そう言いながら、受付のお姉さんは受付横の掲示板に手を添える。


「掲示板には、種類別のオススメのクエストをピックアップしてますので、悩んだ時はこちらを参考ください! 」


「成る程、掲示板か…… 」


 俺たちは掲示板に目を向ける。討伐クエストを始め、ダンジョン攻略、素材集め、あとはご依頼クエスト?


「このご依頼クエストって言うのは? 」


「ご依頼クエストはギルドからのクエストでは無く、民間の方や他の冒険者の方々がギルドと通してクエストを発注します。なので様々なクエストが御座います」


「へー、なるほどなー 」


 俺も『魔法の教授』というクエストでも発注しようかなー。いや、ガーネットかユスタに教えて貰えばいいか。


「二人とも、何か良いクエストがあったら教えてくれ」


「うん! 」

「はーい」




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




 良いクエストか……


 今はダンジョンに潜りたい気分でも無いし、素材集め……素材集めはモンスターを倒して得る素材や鉱石、山菜、魚などもあるのか。一人の時に釣りでもしようかな。


「ねえ京太郎、これはどうかしら? 」


「どれ? 」


 一人で考えていると横から声がかかる。


「依頼クエストで……ペットのペロちゃんが行方不明になりました。見つけてくれた方には10万トルカ……って10万トルカ⁉︎ 」


「ねっ! 凄いでしょ! 」


 ロエはえっへんと胸を張りながら俺を見る。


「悔しいが確かに良いクエストじゃねーか」


「ロエさん凄いよ! 」


「そうかな〜ふふん! 」


 ガーネットに褒められてデッヘデッヘしている。俺が褒めた時よりデッヘデッヘしている……悔しいッ!


「じゃあこのクエストにするか! 」


「「うん! 」」


 俺は依頼クエストのチラシを取り、受付に持って行く。


「ご依頼クエストですね、承りました。依頼主に連絡を取りますので少々お待ちください」


「分かりました」


 受付のお姉さんが連絡を取る間、俺たちは酒場に行って少し休憩する事にした。


「なー、ペロちゃんって何の動物だと思う? 」


「え? 犬とか猫じゃないの? 」


 俺の唐突な質問にロエとガーネットは首を傾げている。


「いくら何でもペットの捜索に10万トルカは破格過ぎないか? 本当に今更だが…… 」


「飼い主がペットを溺愛してるだけなんじゃないのかな? 」


「そんなもんかな……? 」


 イマイチ不安が拭えないが、そう言われるとそれまでなので考えるのを止めにしよう。


「ちなみに今回の報酬も山分けだからな! 」


 今回は先に言っておいた。後で渋られて俺の世間体が悪くなるのは回避しておきたい。


「分かってるわよ」

「うん、そうだね」


 二人は笑いながら返事をする。今回は素直に聞いてくれたので俺は内心ホッとする。


「お待たせしました! 」


 そんなのち、受付から声がかかる。


「それではこちらが依頼主の住所になっております。依頼内容については依頼主に聞いてください! 」


「分かりました」


 俺は受付のお姉さんからメモ用紙を渡される。そこには住所らしきものが書かれていた。


「それでは、ご武運を願います」


 受付のお姉さんはどこまでも丁寧に頭を下げる。



「それじゃあ行くか! 」


「「うん! 」」







「…………住所まったく分かンねぇ! 」





最後まで読んで頂きありがとうございます!


テスト期間のため更新できない日がありますが、これからもよろしくお願いします_(:3」z)_

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