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お喋りな兎さんたち

「女王様ぁー!ここにおられましたか!我々がどれほど待ち続けて来たことか!」


兎がぴょんぴょん跳ねながらこっちにきた。周りを見回したが、私以外人っ子一人いない。


「女王様?どうかなさいましたか?」


兎が私をみて問いかけてくる。どうやら、私が女王様のようだ。


「私、女王様なの?」


あまりに訳が分からずに問いかけてみれば、兎は驚いたように言った。


「何をおっしゃっておいでです?純白のドレスに金のティアラ、間違いなくあなたが女王様です!」


純白のドレスに金のティアラ…?改めて自分の状況を確認してみる。まず、ジャングルの中に私と兎がいて、私は、確かに白いドレスを着ていた。手で頭を触ると、確かにティアラがあり、外して見ると金でできていた。


「確かに私は純白のドレスに金のティアラをつけてるけど、人違いじゃないの?私、女王様になった記憶なんてないよ」


「いいえ、あなたは女王様です。間違いありません。」


後ろから声が聞こえ、振り向くと、別の兎が私を見据えていた。他にも何匹か兎が増えている。


「どうしてそう思うの?」


「そりゃあ、女王様の気が溢れてるからだよ」


また別の兎が答えた。


「そうだ、女王様こそ我らの救世主!」

周りから同意するような声が続く。


「救世主って…?」


本当に、なんのことか分からない。さっきから女王様だの救世主だの言われているが全く身に覚えがない。

第一、なぜ兎が日本語を喋っているのか。さっきから疑問に思っていた。


「ねえ、兎がどうして喋っているの?」


私の質問に兎は一斉に黙り込んでぽかーんとし、お互いに顔を見合わせた。そして、一斉に答えた。


「「「「「「「「それは、兎が兎だからだよ」」」」」」」」


今度は私がぽかーんとする番だった。答えになっていない。しかし、逆になぜ人間は喋るのか、と聞かれたとしよう。…返答に困る。人間が喋ることは当たり前のことであり、当たり前のことをなぜ?と聞かれても答えられないからだ。そして、納得した。この世界では動物が喋ることは当たり前のことなんだな、と。


☆☆☆


その人は、木にもたれかかって観察していた。


「やはり、来たか…」


薄ら寒い笑みを浮かべて呟くと、霧のように消えた。

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