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白の魔法使い  作者:
第2章 1学期
9/51

007 『魔法特異体質』

大幅変更あり

「風の魔法は放出(リリース)飛行(グライド)の2種類に分かれます。放出は手から圧縮した風の力を出す魔法、飛行は空を飛ぶ魔法です。 この2種類の魔法にも適性がありどちらが使えるかによって……」

 

 と、まだ先生の話は続く。 

 

「なぁ、メル」

 そろそろ先生の話に飽きてきて俺は小声でメルに小声で話しかける。

「ん? なに?」

 メルもたぶん飽きてきていたのだろうあくびをしながらこっちを向く。

「いや、話長いなぁって」

「うん、そうだね……はやく魔法の練習したいなぁ」

 

 

 

「はい! では魔法の練習をしていきたいと思います!」

 

 お、ちょうどいいタイミングだな。 

 

 

「ここの台にリンゴを置きます」

 先生がそばの台を指す。

「このリンゴを……そうですね、5メートル離れたところから落としてください。これは放出、飛行どちらをやるにしてもできなければならならないことなので頑張ってください」

 

 

「今回は簡単だね。 もうちょっと難しいやつがよかったなぁ」

 メルが残念そうにつぶやく。

「簡単でいいじゃないか」

「え~なんで~! せっかく魔法の授業なんだから難しいの覚えたい!」

 メルがぷくーっと頬を膨らませる。

「ごねるなって、今はまだ入学したばっかだからしょうがないだろう」

「……まぁいっか。……あ! そういえば白夜って放出か飛行どっちの魔法使うの?」

 メルのいきなりな質問に少し戸惑いながらも

「俺は両方使えるんだ」

 と答えた。

「え? 両方? 片方しか使えないよね」

 やっぱりこの反応か。

「いや、両方使える……実は魔法特異体質なんだ、俺」

 

 魔法特異体質というのは、魔法を使える人の中でもごく稀にしかいない珍しい体質のことだ。

 俺の場合は通常、片方の魔法……例でいうなら『放出』と『飛行』のどちらかしか使えない。 だが俺の能力があれば放出も飛行も使用することができる。 当然、雷でも両方使用可能だ。

 

「え! ほんと? 白夜も魔法特異体質なんだ~」     」

「あぁ」

 

 …………『も』?


「『も』ということはメルもそうなのか?」

「うん!」

「じゃあどんな能力かおし……」


「はい! そこの2人しゃべってないでこっち来て!」


先生のせいで能力を聞き損ってしまった……


また後で聞くか。




◇ ◇


 

 

「あぁ~……おなか減った~」

 自分たちの部屋に着いた瞬間にメルのおなかがぐぅ~っと鳴る。

「腹減っててもメルは全然食べないだろ」

「あたしだって食べるときは食べるよ! 今日はお茶碗1杯分ご飯たべる!」

 ……それは、多い方なのだろうか?

 疑問に思いつつも俺は

「まぁ、無理するなよ」

と、だけ言っておいた。

 

 

 

 

「く……苦しい」

 夕食を食べ終えた俺たちは自分の部屋に向かって歩いていた。

「だから無理するなって言ったんだよ、俺は」

 嘆息しながらメルに言う。

「だ……だって! 今日はおなかとっっっっても減ってたから食べられると思ったんだよ!」

 ちなみに、今日メルが食べたものはお茶碗1杯のご飯と味噌汁を半分 (もう半分は俺が飲んだ)

 

「……なぁ、メルってなんでそんなに小食なんだ?」


「ふぇ? 小食? あたし、結構食べる方じゃない?」

 どうやら、本人には小食の自覚がないらしい。

 俺たちがそんな話をしていると


「なぁ、白夜ぁ~」


 と、唐突に後ろから声をかけられる。 

 誰かと思って後ろを振り返ると、大和がジト目でこちらを睨みつけていた。

「ん? なんだ? 大和」

「お前らさぁ、やっぱり付き合ってないの?」

大和がにやにや笑いながら聞いてくる。

「付き合ってない!」


 こいつ……まだ言ってたのか。


「そうだよ! 付き合っていないって言ってるじゃん! ……ぅ!」


「って! おい、大丈夫か!」

 メルが大声をだして興奮したのか、吐きそうになっていたので急いで背中をさする。

「……そういうとこが付き合ってる風に見えんだよ!」

 大和がキレ気味に叫ぶ。

「だから、違うって言ってるでし……ぅぅ!」

「おい! 興奮するなって! 大和、俺ら先に部屋戻っとく!」

 

 俺はメルをおぶりながら駆け足で自分の部屋に戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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