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白の魔法使い  作者:
第2章 1学期
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048 『クラス対抗魔法戦争・謎の転入生編②』

 それから少し時間が経ち、教室にチャイムの音が鳴り響く。が、クラスメイトたちの騒ぎ声は一向に止まる気配がなく、それどころか悪化しているようで徐々に大きくなっていった。


 ……あーもう、うるさい!

 流石に耐え切れなくなり、痛む頭を押さえながら席を立つ。授業に遅れることになるし、何よりこの前あんなことがあった場所なので、これだけはやりたくなかったが、仕方ない。


 ……保健室……行こう。

 ふらふらとした足取りで、扉の方に進む。普通なら先に先生に声をかけてから向かうべきだろうが、今先生は転入生の情報を少しでも入手しようとしている生徒が取り囲んでおり、簡単には近づけない。とりあえず近くにいた生徒に「保健室にいってくるから先生に言っといてくれないか?」とだけ言って扉を開く。そしてそのまま廊下に出ようとした時、くいくいっと服の裾を誰かに引っ張られた。

 なんだ? と振り向くと、そこには心配そうに俺を見つめるラルが立っていた。


「は、白夜さん……顔色が悪そうですけど、大丈夫ですか……?」

 おどおどとした様子で俺の様子を伺ってきた。


「いや……結構大丈夫じゃなくなってきてな。今から保健室行って来ようと思ってたんだよ」

「あ、そうだったんですか……よかった。白夜さん、体調悪くても頑張って授業受けてそうなイメージがあったので」

 心底ホッとした様子で言われたので、ちょっと申し訳ない気持ちになる。

 ごめん、確かにちょっと調子悪いくらいだったら余裕で授業優先してたよ……。


 少しバツが悪くなって顔を逸らすが、ラルはそれに気づかなかったのか、「それじゃあ、お大事に」と笑顔で見送ってくれた。

 俺はラルに手を振り、「ありがとう」とだけ言って教室を後にした。



 ◇ ◇

 保健室までの道のりは俺の教室から案外遠かったりする。遠い、といっても歩いて7分ほどの距離だが、学校内での移動にしては長い方だろう。

 それに歩いて7分というのは身体の調子がいい時の話であって、今回は必死に歩いて保健室の近くまで来たころには既に15分の時間が経過していた。


 長かった……。ほんと……学校の廊下がこんなにも長いとは。


 覚束ない足どりで、ふらふらと保健室の扉めがけて再度歩き出す。正直、一歩歩くたびに頭がジンジンと痛むが、今は保健室に向かう事の方が先決だ。

「ぐあぁぁ!」


 必死で歯を食いしばりながら、一歩ずつ進む。そしてあと数歩で到着するところまできた瞬間。


 急に後ろから「あのー」と、誰かに声をかけられた。







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