047 『クラス対抗魔法戦争・謎の転入生編①』
タイトルのネタバレ感が半端ないよね
「頭が痛い……」
朝。
学校に着いた俺は速効で自分の席へ向かい、腕を枕にしてうつ伏せになる。
その姿をみた大和は目を丸くして俺の席まで走ってきて、どうした? と声をかけてきた。
「いや……なんか知らないけど。朝起きたときからずっと頭が痛いんだよ……。なぜか昨日の夜の記憶もないし」
「へ、へー。そうなのか、昨日はお前ずっと魔力使ってたから、疲れてすぐ寝ちまっただけじゃないか?」
と大和はなぜか目を逸らしながら言っていた。俺は首を傾げつつも、「まあ、そんなところだろうな」と同意する。
その瞬間、メルがなぜかほっと胸をなでおろしていた。
「ん? 何かあったか? メル」
「い、いや。別になんでもないよ! 本当に、まったく、ぜんぜん!」
ブンブン! と思いっきり振りながら否定する。
強く否定し過ぎて逆に怪しいが、今はそんなことより頭が痛い。
「ぐわぁ……!」と呻き声を漏らしながら、再び机に突っ伏す。
「保健室行った方がよくね?」
と隣で大和から声をかけられたが……当分のあいだ保健室……というか医務室には関わりたくないのが本音なので「遠慮しとく……」と伏せたまま答える。
大和はこのまま話しかけ続けるのは逆効果と考えたのか、「んじゃ、まあお大事にな」とだけ言うと自分の席に戻っていった。
俺は気を効かせてくれて大和に感謝しつつも、ちょっとでも体調を回復させるために朝のHRまでの短い時間を睡眠に使うことにしてゆっくりと瞼を閉じた。
――――その瞬間。
「はーい! みんなおっはよー!」
と、なぜか妙にテンションの高い春川先生が教室に登場した。
クラスメイトのみんなもそのテンションに圧倒されたのか「お、おはようございます」と戸惑ったように返事をしていた。
……一人「寝かせてくれよ……」とため息をついていた俺以外は。
春川先生はその異様なテンションのまま教卓の前に立ち、大声を張り上げた。
「なんと……今日はうちのクラスに転入生がやってきます!」
その言葉に、クラス中が急激に盛り上がったのは言うまでも無く……クラスメイトの騒ぎ声で頭痛が悪化したのも言うまでも無い。