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白の魔法使い  作者:
第2章 1学期
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045 『クラス対抗魔法戦争・看病編④』

前書きって何を描くところなんでしょうね。

メルの発言に周りが凍りつく。

さっきまで妙にテンションが高かったラルまでもが、「そうなんですか!?」と素で驚いていた。


「でも、白夜の為なんだったら。あたし、頑張って料理するよ!」

メルは元気よく立ち上がり、腕まくりをして気合をいれる。


……俺、大丈夫かな。

初手料理で、さらにメルが作るという事で、とんでもない料理を出してくるんじゃないかと冷や汗が止まらなくなる。メルってなんか料理できなさそうなキャラしてるんだよなぁ……。

青ざめていく俺の事を察したのか、大和は目線だけでどんまい、と送ってくれていた。……憐れむくらいなら助けてくれよ。

ラルはラルで、「初の手料理……うん、いいかも」と意味不明な事を言いながらふふっ、と静かに笑っていた。

なにこのラル怖い。


しかしメルは俺達の反応なんて一切気にしていないのか、ふんふーんと鼻歌を歌いながらキッチンに向かっていた。が、キッチンにたどり着く前にラルが後ろからメルを引き留める。

「料理の本、渡すの忘れてました!」

ラルがさっきエプロンを出したカバンからとある料理本を取り出す。その料理本を見て、俺は心の中でおっ、と声を漏らす。ラルが取り出したのは、毎月発売している料理雑誌「くっくる」というもので、毎回毎回基本的な料理から珍しい料理まで幅広く紹介している人気雑誌だった。料理好きの俺はもちろん愛読者で、今月号も楽しんで読ませてもらったのを覚えていた。

こんな身近に同じ雑誌を読んでいる人がいるのを知り、少し嬉しくなった。高校生で買ってる人は少ないからな、この雑誌。今度本気で料理についてラルと話してみたいな……。ラルとの意外な共通点? を見つけ、ちょっと嬉しくなる。……が。

次のメルの言葉で、その喜びの気持ちが一気に吹っ飛んだ。


「あ、大丈夫大丈夫! 自己流でやってみるから!」


……え?

俺以外の二人は、ん? と首を傾げさせ、俺も内心で耳を疑った。


「め、メルちゃん。さっきなんて……」

ラルが確認の為にメルに聞いてくれる。

……そうだよな、さっきのは聞き間違いだよな。いくらなんでも初めての料理をレシピを見ずに作るなんてそんな馬鹿な事……

「ん? 料理本はいらないよ、自己流で作ってみるからって言ったけど?」

する奴はいるもんだな。

メルの言葉でラルと大和は本格的に固まってから、どちらもはっと我に返ってメルを止めようとするが。

「~♪ ♪~♪」


顔を上げた瞬間鼻歌を歌いながら上機嫌にキッチンに入っていくメルを見てしまい、同時に頭を抱える。確かにあれを止めるのは辛いな。なんであんなに機嫌いいんだよあいつ。

止めることをあきらめたのか、二人は俺に同情の視線を向けていた。




……さて。



どうしよう。



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