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白の魔法使い  作者:
第2章 1学期
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031 『クラス対抗魔法戦争・寮の夜編 メル視点②』

遅くなってすいませんでした!


色々と言い訳はありますが、遅れたのは事実ですので本当にすいません!

「ん~! んん!」

 塞がれている口元をあたしはもごもごと動かす。


 ガムテープって、意外と頑丈だなぁ……。


 抵抗を止め、あたしは力なく項垂れる。

 といっても、自由に手足を動かせられるわけじゃないから体勢が変わったわけじゃなけど。

 動かない両腕を眺め、内心で嘆息する。


 今のあたしは推理もののドラマとかで誘拐された人によくある格好で、両手足を拘束され、口にはガムテープを貼られているというこれぞ、といったもの。

 動く事も出来なければ、助けを呼ぶこともできない状態になっている。


 あれ? これって絶対絶命じゃない?


 …………。

 黙考。


 あ、どうしよう。普通にピンチだ。


 今更ながらに自分の置かれている状況を理解。しかし、不思議と落ち着いている。

 なんでかな? と、疑問に思う前にその理由が発覚する。


 それは至極簡単なこと。

 もう何しても無駄だから諦めただけだね♪


 無駄に張り切って言ってみたけど、そうしたところで気分は明るくならない。逆に現実を突きつけられて真っ暗になってしまった気分だ。


 視界に捉えることは出来ないけど、さっきの少女は今、なにかの用具を洗っているらしく水音が聞こえてくる。

「ったく、最近の若い奴は腹触ったくらいであんなキレるものなのか。もっと心にゆとりを持てよ」

 ザブザブという音にに紛れて、少女は愚痴を零している。

 愚痴りたいのはこっちだよ……。というあたしの気持ちは伝わるわけがなく少女の愚痴は続いていく。


「あーあ。テンション下がるなー。大人しく触られとけよ、あの小娘が」


 いやいや、勝手に体触られて怒らない訳ないじゃん。というか、小娘って……。絶対そっちの方が年下でしょ。


 やれやれ、と少女が腕を振る。

 いや、実際に腕を振ってるのが見えたわけじゃなくて、なんか振ってそうな気がしただけだけど。


「よっと」

 ポォン、と軽快な機械音が鳴り、室内に響いていた水の音が止まる。一切の物音が止み、少女の愚痴もいつのまにか止まっていた。

 完全な静寂が、あたしを圧迫する。


 ――――なにか、気配が変わった。


 心が妙にざわつく。気配しか感じられないけど、先程までの少女の気配は完全に消え失せている。


「えへへ、へへ」

 不気味なくらい小さな笑い声。楽しいそうであり、嬉しそうであり、――どこか狂気じみている。


 かぶせられていた布団を一気に取り払われ、冷たい外の空気が肌に触れる。


「ちょっと痛いけど我慢してね……おね――」



「ちょっと待ったぁああ!」

 バッタァァァァン!


 白い扉がとんでもない騒音を立てて開く。


 さっきの声、白夜!?


「ん~! んん~!」

 言葉を出せない口を懸命に動かし、自分の場所を示す。


「メルか!? よかった……間に合った」

 荒い息を繰り返しながら、溜息を混じらせて白夜は言った。


「ちぇっ、もうちょっと遅く来いよ。そしたら解剖(ばら)せたのにさ」


「やっぱり本気だったのかよ! 一応生徒だぞ!」


「生徒をどうしようが、教師の勝手だろ?」


「勝手じゃねぇよ!」


 珍しく取り乱している白夜が少女を怒鳴りつける。


「どっちにしろ、今回は何もやってないんだからいいじゃないか。早くそこの奴持って帰ってやれよ」


「言われなくてもな!」


 完全にキレている白夜がズンズンと大きな足音と共に近づいてくる。

 あたしは拘束されていることをアピールしようとしたけど、いつのまにかそれらは全て外されていた。


 自分から起き上り、んー、と軽く伸びをする。


 なんだか、妙に肌寒い。


冷や汗でもかいたのかな? と自分の身体を見て、絶句する。


『何もないのだ』。傷は無いし、汗もついていない。そして、服も着ていなかった。


あまりに突然の出来事に、頭が動かなくなる。

普通の人なら、ここで自分を隠したり「こっち来ないで!」なんて言うんだろうけど、あまりにもパニックになり過ぎて行動に移すことが出来ない。


ベッドから起き上がってほぼ何も隠せていない最悪のタイミングで、白夜があたしの前に到着した。

それまで背後の少女を睨んでいたらしく、まだあたしの状態については理解していない。


そこでようやく身体が動きだす。


今だ!


後ろを見ている隙をついて、床に落ちている布団を拾い上げる。が、予想していたより重量があり、簡単には持ちあがらない。

自棄になり、本気で布団を引っ張る。


ずるっ。


ベッドのシーツがめくれあがり、あたしは真っ逆さまに床に墜落するけど、ある程度クッションがあったおかげで怪我をせずにすんだ。


そのまま呆けているわけにもいかず、眼前の布団を必死で手繰り寄せる。


「……は?」


強烈な視線にあたしは凍りつく。

ゆっくりと、ちょっとずつ白夜の方に振り返る。


目と目が合う。

白夜は幻でも見ているみたいに両目を何度も擦りつけ、また目を開く。


視線はあたしの胸にいっている。


「み」


思いっきり息を吸い込み、


「見ないでぇぇええ!」


言葉の光線をぶちまけた。






お詫びと言ってはなんですが、白魔に出す、キャラクターを募集します。


一人だけ採用して、物語に登場させていきます。


べ、別に楽したいわけじゃないよ!

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