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白の魔法使い  作者:
第2章 1学期
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028 『クラス対抗魔法戦争・寮の夜編⑦』

寮の夜っていつまで続くんでしょうね。

自分でも謎です。

「腹減った……」

 ぐぅ、と唸りを上げるお腹を押さえる。

 普段ならもう飯を食い終わって、気持ちよく自室に向かうところだが、メルを医務室に連れて行った時間と飯の時間が被っていたらしく、俺たちは夕飯を食い損ねたのだ。


「流石にあんだけ動いてからの飯抜きはキツイよな」

 ふざけたように明るく言う大和だが、口調とは裏腹にさっきからずっと足を引きずっている。

 オーバーな、とも思うかもしれないが、これは演技でやっているのではない。

 今日一日中ずっと歩き回り、更には飯も食っていない。俺はさっき魔法を全力で使い、大和に至っては気絶していた。

 もう、精神的にも肉体的にも疲労が半端ないのだ。

 本当ならば、このまま自室に直行して眠りたいところだが、今はそうはいかない。

 医務室にメルを置いてきてるのだ。


 なんで置いてきているかの理由は簡単、あの後医務室でぼーっとしていたら「今からこいつの服脱がすから早く出てけ」と言われたからだ。流石にそう言われて出て行かない訳にも行かないので、倒れていた大和を担いでそそくさと退散したわけだ。


 先生には10分後くらいに来いと言われていたので、その間に飯を食ってしまおうと食堂に来たのが今の状況。

 飯は既に無くなっていたので、適当に談笑して時間を潰していたのだ。


「……それにしても」

 思考中の俺に話を切り出すように大和が言葉を紡ぐ。

「メルちゃん、大丈夫かな?」

 パイプ椅子を投げられた恐怖や学校での噂もあってか、大和はかなり怯えていた。少々からかいたくなったが、グッと堪える。こいつは一応怪我人なのだ。

 俺は「あの先生ならたぶん大丈夫だろ」とだけ答えて、欠伸を漏らす。


「よくそんな落ち着いていられるな……」

 呆れた、といった言葉が含まれてるであろう視線を向けられる。

 いやだって、しょうがないだろ。本体見た後にあんな噂聞いたって信じられないって。視線を振り払い、知らん顔で時計を確認する。


 時刻は既に7時30分。

 医務室から出たのが20分くらいだったので、ちょうど10分経った頃だろう。


 そろそろ向かおうと、医務室の側に向き直る。が、大和が居ることを思い出し一つだけ声をかける。


「大和も一緒に来るか? 帰りたかったら先に部屋帰っててもいいけど」


「当然行くに決まってる……って言いたい所だけど。今日は流石に疲れたから、部屋で休ませてもらうわ。メルちゃんにお大事にとだけ言っといてくれ」

 微妙に挑発してみたのに意外に素っ気ない反応で俺は拍子抜けしてしまった。

 いつもの大和なら、絶対乗るはずなのにな……。

 考えてから大和を見て、理解した。


 ちょっと前にした魔法模擬試合。それが終わった後にも大和はこんな表情をしていた気がする。おどけたような態度の下には確かな疲労の色が見て取れた。


「わかった。お前もお大事にな」

一言だけ告げると、照れくさそうに顔を逸らした大和が踵を返す。

そんな大和に、俺はさっきからずっと考えていたことを告げ、医務室に向かうことにした。


「俺って、なんでお前を医務室に置いてこなかったんだろうな」


「知らねえよ!」




え? そういえばロリキャラが多い?




うん、まあ。色々と目論んでるから大丈夫だよ。

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