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白の魔法使い  作者:
第2章 1学期
30/51

027 『クラス対抗魔法戦争・寮の夜編⑥』

クオリティ、低いねー。




 背中の少女をずっと背負ったままでは重いので、近くにあったベッドに起こさないようゆっくりと慎重に降ろす。

 もしまた起きてしまったら、先生の前で抱き着かれるという洒落にならない事態に陥ってしまうので、めちゃくちゃ手が震えたがなんとか起こさずにベッドに横たわらせることに成功。

 同時に全身の筋肉から一気に力が抜け、地を踏む足がふらふらとおぼつか無くなり、「おととっ」と声が漏れる。

 危なかったが寸の所で足に力を込め、なんとか転ばずに踏みとどまった。


 そんな俺の様子を全く気にしていない様子で手前の少女――もとい養護教諭はメルを見下ろす。

 あれ? 見下ろすくらいの身長なんかあったか? と本人に聞かれると失礼過ぎる考えが脳をよぎるが、足の方をよく観察してみると小さめの階段っぽいのがベッドに取り付けられていたので勝手に納得する。


 しかめっ面でメルの顔を見つめた後、口を開く。


「なんでこいつ酔ってんだ? あれか、酔わして部屋に連れ込もうとしてたのか」

 しれっと何言ってんだよこの人。一応教師だよな?


 そんな俺の考えを知ったことは無いと言わんばかりに、話を続ける。


「駄目だって、ここの寮は生徒の自室以外は監視カメラとか音響察知センサーとかで見張られてるから。どう足掻いてもばれるって」 

 本棚の中に埋もれて入っていたホコリまみれの薬瓶を取り出し、息を吹きかける。灰色の細かい綿が空に舞う。


 って、え。ここって監視カメラ付いてたのか!? じゃあここまで隠れてきた意味ないじゃん!

 今更知らされた驚愕の事実に俺はがっくり肩を落とし、同時に赤面する。


 抱き着かれてたのも見られてたのかよ……ぐぁぁ! 恥ずかし過ぎる!


 発狂するのを必死に抑え、赤く紅潮している頬を見られまいと両手で覆い隠す。

 周りから見たら完全に全く何をやっているかわからないが、今は人の目を気にしている余裕はない。ここまで動揺している自分を人に見られたくない。


 そんな俺の姿を不思議そうに小首を傾げて見つめている、見た目少女の養護教諭。


 ……いや、この人が年上とかありえないから。

 混乱中の頭でもなぜかツッコミを入れたくなってしまう。これは俺のさがなのか、それともこの人の才能なのか、どちらかはわからない。でも、こういった無駄なことを考えるだけで俺自体少し落ち着いてきた。


 ともかくはこの雰囲気を脱しようと、ふと考えたことを口に出す。


「先生って、なんて名前なんですか?」


 かなり素朴な質問だが話を逸らすのには十分の効果があるはずだ。出来るだけ平静を装って様子を伺う。

 そして今頃だが、ずっとメルをおぶっていたので足がかなり疲れているのに気付き、メルが寝ているベッドに腰を降ろす。座った瞬間に一気に力が抜け、今は立てるかどうかも怪しい。


「……名前なんていいだろ。先生って呼べばいいだろ」

 なぜか俺から顔を逸らして、わざとらしく口笛を吹き始める。


 これはあからさまに怪し過ぎる。つーかメルもなんか誤魔化そうとする時こういう動作するよな。


 名前に何かあるのだろうか?


俺の中にぼんやりと小さな疑問が浮かんだ。

現在少し寂しいので、お気に入りユーザーお待ちしています。


(ちらっ)

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