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白の魔法使い  作者:
第2章 1学期
23/51

020 『クラス対抗魔法戦争・買い物編 メル視点⑤』

今回のはクオリティが低い気がする。

今度しっかり改稿します。

「わぁぁぁぁ!」

 あたしはガバッ、と音が鳴るほどの勢いで体を持ち上げて白夜の方に視線を向ける。

「むぐ?」

 ……ちょうどかぶりついた瞬間で、白夜はこっちを目だけで見てソフトクリームを食べ続けている。


 遅かった……。


 自分の頬が熱くなっていくのを感じながら、必死で目を逸らそうとしている大和を睨む。

「気づいてたなら止めてよ!」

 恥ずかしさからか、声の制御が効かなくなり思った以上に声が出てしまって少し驚いた。周りのお客さんから変な目で見られたけど、今は関係無い。そのまま唸りながら大和を睨みつける。大和は諦めたように嘆息すると、笑いながら小さく「悪かったって」と言った。

 笑うな! と怒鳴ってやっても良かったけど、今度大声を出したらお店から追い出されそうなので、必死に堪える。そうこう話しているうちに、白夜はソフトクリームを食べ終わったらしい。「もう歩けるんなら行くぞ」と声を掛けられ、仕方なく席を離れる。

 まだ少し辛いけど、動けないというほどでは無い。激しい運動とかをしない限りは大丈夫……だと思う。

 白夜がソフトクリームのゴミを捨てに行った後、あたしたちはもう一度魔学店に向かった。




 まだお昼時だったからか、今は割と人が少ない。

 朝は人が居すぎて歩き辛いほどで邪魔だと思っていたけど、ここまで一気に少なくなるとちょっと寂しい感じがする。


「朝と比べたら、歩きやすいな」

 あたしと同じことを考えていたらしい白夜が周りに並んでいるお店を見ながら、ぽつりと呟く。


「やっぱりみんなお昼ご飯中じゃないかな。あたしたちは結構早く食べ終わったし」


「そうだな。まだ12時だし、もしかしたらこの時間が一番自由に買い物できるかもな」

 その後も適当に雑談をしながら歩いて、もう魔学店が目の前に来たところで突然大和が口を開いた。


「つーか気になってたんだけどよ……具体的に魔防具ってどんなのを買えばいいんだ?」


 大和の言葉に、あたしは首を傾げる。

 ……あれ? そういえば知らない……。

 今日の目的は魔防具を買うことだけど、あたしはどこで買うかとか、周りにどんなお店があるかだけで、どんなものを買えばいいのかは調べていない。

 そこらへんは白夜が知ってるだろう、と思いながらここに来ていた。

 それをもう一度確認してから、あたしは口を開いた。その時ちょうど白夜も声を出したらしく、二人の声が被って響く。


『メル(白夜)が知ってるとおもうぞ(よ)』


 ……?

 聞き間違いかな? 

 白夜が知らない訳、無いもんね。

 本心では気づいていたけど、気が付いていないフリをして、自分でも分かるくらいぎこちなく声を上げる。


「はく……や? え、もしかして。知らないの? あたし、白夜なら知ってるって思ってたんだけど……」


「俺は、メルが調べて来てくれてると思って……たんだ、が」


 凄くいたたまれない空気があたしたち3人を襲う。店の前で立ち尽くしているので、店からしたら果てしなく邪魔な客だろうけど、今そんなことを気にしている余裕はない。頭の中に「どうしてきたの?」とか「なにするの?」なんていう気持ちが浮かんできては、消えていく。


 正直、買い方の基準が分からないなら此処まで来た意味は無いと言える。


 でも店の前まで来て引き返すのは、やっぱり悔しい。


 何かいい考えは……。


 とりあえず思考を巡らせる。店員さんに聞くのは……いや確か駄目だったと思う。魔学店で働いているのは、何の魔法も使えない普通の人。だから、魔法に関しての知識は全く持っていない。種類くらいは分かるだろうけど、その人に合った《型》を見つけるのは難しいと思う。


 う~ん。


「よしっ!」

 ふいに白夜の叫び声が聞こえ、一気に現実に戻される。


「ど……どうしたの? もしかして、どうすればいいか分かったの!」

 期待を込めた目線を送ると、白夜が自信を持った様子とは全く逆の様子で言った。


「……とりあえず中に入ろうか」





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