019 『クラス対抗魔法戦争・買い物編 メル視点④』
はやめの投稿。
「結構人多いねー」
学園都市につき、とりあえずは魔学店に向う。休日だからかもしれないけど、けっこう人が多い。それに、ほとんどが学生では無くお金持ちそうな外の人ばかり。もちろん学生もちらほら見かけるけど、やはりそんなにたくさんはいないみたいだ。
なんでかなぁ、と疑問を持ちつつそのまま歩みを進めた。
5分程歩いていると、急に入れ替わったように学生客が増え始めた。場所による問題なのかな? と一人で思考する。そのまま考え込んでしまったらしく、結局魔学店に着くまでずっと唸っていたけど何もわからなかった。今度調べてみようかな、と考えつつ店内に入った。
「いらっしゃいませ!」
にっこり、と店員さんが営業スマイルで微笑む。
あまりに完成され過ぎた笑顔だったので、少しひいた。その後とりあえず店内を一周してみようという話になり、見て回ったわけだけど……。
「……広いな」
隣で白夜が呟いた。
「そうだね……っていうか広すぎだよ。1周するのに1時間もかかるとは思わなかった……」
ふぅ、と疲れ気味の嘆息を漏らす。
「地下があるってのは知ってたけどよぉ、まさか30階もあるとはな。流石に広すぎだと思うぜ」
大和は明らかに疲労を表情に表している。サービスで配っていた水を一気に飲み込んで、もう一回ベンチに寝転がる大和の姿を見て、「流石に店内で寝るのはやめようよ」と苦笑。
「疲れたってのは俺も同じだし、先に飯でも食うか?」
「そうだね、もう12時だし食べ終わったらもう一回来ようか」
悲鳴を上げる膝に鞭を打ちながら立ち上がると、渋々といった表情で大和も体を起こす。
「つーか、どこで食うんだ? 俺ここらへんの店とか全然知らねえぞ」
「俺も知らないな。メルが調べて来てくれてると思ってたし」
2人の視線があたしに突き刺さる。
その視線にあたしは顔を逸らすことなく答えた。
「ふふふ……ここで調べてなかったぁ。っていうお約束の落ちは無いよ! しっかり調べてきたよ!」
思いっきり踏ん反りかえって、堂々と宣言する。
『はぁ』
「え、なんで溜息吐くの!?」
『いや、なんでもないよ。別に』
「なんか悪いことした!? ねえねえ、あたしが悪いの?」
結局この調子で、ご飯を食べ終わるまでいじられました。たまに真面目に行動したと思ったらこれか!
食後、いじられたことを根に持ってずっといじけているあたしに、白夜が「悪かったって」と笑いながらソフトクリームを渡してきた。
「わぁ、ありがとう!」
一気に機嫌が直り、思い切りかぶりつく。
ひんやりとしたアイスの感覚が口の中に広がり、幸せな気分に浸る。
「現金な奴め」と大和に呟かれたけど、そのまま余韻に浸り続けた。
「……もう限界」
半分ほど食べ終わって、流石にギブアップする。
白夜は目を丸くして、「お前こんなに食えたのか?」と質問を投げかけられたけど、それに答える余裕もないくらいにお腹がいっぱいだ。
「残り……食べといて。たぶん5分くらいで落ち着くと思うから」
一言だけ発して、テーブルに突っ伏し、聞こえてくる声だけを脳内で再生する。
「俺甘いのだめだから、白夜。お前が食ってくれよ」
「ん、いいぞ。メルが食べてるあれ、美味そうだったしな」
「ありがとな……くく」
「むぐ、ん? どうかしたか」
「いや、なんでも」
「そ、そうか」
微妙な切り方すいません。
そのままの話が後半です。