014 『クラス対抗魔法戦争・準備編④』
新キャラ、ごめんなさい。次の回に出ます&次はかなり早く出すと思います。
翌日。
授業を終え、残りはSHRだけとなった俺たちのクラスはクラス対抗魔法戦争、略して魔戦のリーダーを決める為の会議を行っていた。といっても、誰もリーダーなんてやりたがる人なんていないので全員譲り合い合戦をしているだけだが。
SHRが始まったすぐにこのクラスの担任、春川先生が「ちょっと用事があるから、先に話進めといて~」と言ってから、もう10分程経過しているが、話は全く進行していない。
当たり前だ、と俺は思っている。
こんな話し合いをしたところでこうなるのは目に見えていたのに、なんで春川先生はこんな無駄なことをさせているんだろう。もしかして気づいてないだけなのか?
本心が口に出そうになり、慌てて口に手を当てる。代わりに出てしまった「はぁ」という嘆息が、隣に座る大和の溜息と見事に重なった。
お互いに顔を合わせ、更に嘆息。
「なんで俺たちがリーダーなんてしなきゃいけないんだよ……」
自分の頭を抱きかかえ、涙目になりながら大和は言った。
「そんなの俺が知ることかよ。聞くならこいつに聞いてくれ」
体を動かさず、指だけでその『犯人』を指した。大和はその指の方を向き、苦笑する。
「白夜、じゃあこれを俺に起こせってか?」
「あ?」
自分で指をさした方向に、身体を移動させる。
最初に目に入ったのは、特徴的な水色の髪……では無く、完全に眠りこけているだらしがない顔だった。
完全に机に突っ伏しているわけでは無く、両腕を枕にしながら少しだけ頭を横にして眠っている。口元は半開きになり、規則正しい寝息を立てている。あまりにも幸せそうな表情なので、「あ、これは起こせない」と思ってしまう。逆に、自分も眠くなってくるような感じがしてくる。一種の魔法だろうか。と、思ってしまう程に、強力な眠気が襲ってくる。
睡魔と戦いながら、話を切り替える。
「つーかさ、こんな話し合いでリーダーが決まると思うか?」
「……え? すまん、もう一回言ってくれ」
どうやらこっちも睡魔にやられていたらしい、必死に目をこすりながらこっちの意見に耳を傾ける。
「いやな、こんな話し合いでリーダーが決まるかな、と思ってさ」
「決まらないと、俺は思う」
聞いた瞬間に答えが返ってきて、やっぱりか、と内心で呟いた。俺はそれを確かめたいだけだったが、大和はそのまま話を続けていたので耳を傾ける。
「だってさ、リーダーになったってなんもいいこと無いじゃん。なんか褒美があるならやるって奴も居るかもしんねぇけど。『自分の力を確かめたい!』みたいな熱血主人公みたいな奴もどっかには居るだろうけどさ。少なくとも俺はパスだな」
「だな。とか言いつつも、俺たちはリーダーをやるんだけどな」
「それを言うな……」
大和は疲れ切った様に声を吐きだしながら、熟睡している隣の少女を軽く睨む。
「あんな表情されて断れる男がいると思うか? 女だって難しいと思うぞ、あれは」
頭の中であの顔を思い浮かべて、少し頬が熱くなるのを感じた。その瞬間。
ガララッ!
「お……おもたい」
いきなり教室の扉が開いたかと思うと、段ボール箱の様なものを持っている春川先生が立っていた。段ボール箱が意外と大きかったので、最初パッと見て誰だか分からなかった。栗色のロングヘアーを揺らしながら、ずんずんと教卓まで歩いていき、段ボールを床に突き落とした。
「ねえ大和君、まだ決まって無いわよね?」
「へ? ……あ、はい」
いきなりの質問に、素っ頓狂な声を上げる。
「そっかならいいわ。じゃ、これからリーダーを後2人決める、『くじ引き』をやりたいと思いまーす」
にっこりと微笑んだ春川先生の口元からは、確かな悪意が滲み出ていた。
突然ですが、挿絵を描いていきたいと思っております。まだまだ汚い絵だと思いますが、どなたかアドバイスをよろしくお願いします。
小説の方もどしどし応募。因みにイラスト自体もどしどし応募です(笑)