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白の魔法使い  作者:
第2章 1学期
11/51

008 『魔法模擬試合』【挿絵】

戦闘描写ってむずいっすねw

「魔法模擬試合を行います。《魔防具トゥーラ》を装着してください」


 昼休みが終わり、俺たち学生は魔法実習室に集まっていた。

 因みに、先生が言っている魔法模擬試合というのは試合形式の1対1で魔法を出し合い、先に相手の魔法を3発受けた方の負け、という簡単な競技だ。

 魔防具をつけていないと、最悪死ぬ可能性もあるので俺はいそいそと腕輪状のそれを身に着けた。


「では、ペアを組んでください」


「おい白夜! 一緒にやろうぜ!」


 大和は話が終わるのと同時に話しかけて来たので特にやる相手がいなかった俺は快く了承した。

 相手の使用属性は土と火だ。土は操作めちゃくちゃ難しいと評判なのでまだ入学したての大和は火だけしか使ってこないだろう。


「ぅっしゃ、ぜってぇ負けねぇぞ!」


「それはこっちのセリフだ!」


「では、戦闘…………」


 身体が緊張で固まり、それをほぐすように何度か深呼吸する。

 こんな体験は何度かあった。一応名門の家だから兄ともよく手合わせをしていた、そして試合の前にはいつもこの心地のいいような緊張感を味わったものだ……まぁいつも負けてたけど。


 もう一度、大きく息を吸い、ゆっくりと吐き出して、俺は目を閉じた。魂をシフトさせるためのその掛け声は、いつになく強く、はっきりと聞こえた。


「開始!」


「先にやらせてもらうぞ! 《放出ヴィンター》!」


 試合が始まると同時に手を前方に突出し圧縮された風の弾丸を流れるように発射した。一つ一つは10センチにも満たない小さな弾だが複数あればある程度のダメージになる、しかもこの試合は威力ではなく命中度を競うもの。それなら数が多い方がいい。


 風の弾丸は吸い寄せられるように大和に向かい、当たる直前で――――消滅した。


「《爆発ファーバイス》」


挿絵(By みてみん)


「は!?」


 俺は思わず声を上げ、目を疑った。

 避けるなら考えられるが消す、というのは聞いたことが無い。

 魔法名からして火の魔法っぽいけど火は《熱切ブラスト》と《爆発ブラスト》の二つ。

 火の魔法ならどちらも派手な爆発音が聞こえてくるはずだ。


 だが、今はそんなことを考えている暇もない。次の魔法の詠唱を開始する。


「どんなトリックかは分からんがもう一回受けてみろ!」


 俺の言葉に慌てたのか大和が前方に体を身構えたのを見て口をにやりと吊り上げる。


「《落雷(ディセンダ―)》!」


「な!」


 何処から出てきたのか大和の真上に現れた雷雲から白い閃光が迸った。これは俺が得意な魔法、落雷だ。

 相手の真上に雷雲を生成し、稲妻を落とす魔法。威力は本物の雷には及ばないが(というか及んでしまうとこの部屋が潰れる)魔法が発動するまでのスピードは最速。大和は何も出来ぬままに雷を直に受けていた。


「痛っつぅ! 騙しやがったな!」


「戦略だ、騙される方が悪い」


 さらに口を歪め、意地汚く笑う。外から見れば完全に悪役だろう。

 俺の言葉が癪にに障ったのか此方を睨みつけながら魔法を詠唱し始めた。


「くっそ! ならこっちも本気を出してやる! これ見て腰を抜かすなよ! 《爆発ファーバイス》!」


 詠唱が終わっても爆発は起きずに大和の《手》が炎に包まれた。


「な!? お前も魔法特異体質か!」


「へぇ、よく分かったな。俺の能力は自分の身体からならどこからでも魔法が出せるっていうものだ。ま、教えたところで勝つのは俺だけどな!」


 大和が軽く地面を蹴るとボゥッと足から炎が噴出し、それに驚く暇もなく顔面を殴られ、そして爆発した。

 かなり痛かったのに血が出ていないことに感心しつつも素早く体勢を立て直し、呆れる様に言葉を漏らした。


「……その能力チートじゃないか?」


「ははっ! やっぱりそう思うか」


 自分の能力が褒められたことが嬉しいのか少し弾んだ声を上げているのを見ながら次の魔法を考える。

 《落雷》と《放出》は使ってしまったから同じ魔法を出しても躱されるだろうな……仕方ない、俺も能力を使うか。


「だが……油断するなよ、魔法特異体質はお前だけじゃない! 《飛行ヴィンター》!」


「飛行!? お前さっき放出を――――」


 言葉を言い終える前に大和の背後に回り込み、油断していてがら空きだった背中に照準を当てて魔法名を詠唱した。


「《放出ヴィンター》!」


 俺は自分の周囲にピンポン玉程度の風の弾丸を出現させ、機関銃マシンガンの様に連続で撃ち放った。

 流石にこれは避けられないだろう。そう思った瞬間大和の《背中》から炎が噴出し、風の弾丸をすべてかき消した。


「は?」


 驚愕のあまり、空いてしまった口を閉じようともせずに俺はただポカーンとしていた。


「言っただろ、体からならどこからでも出せるってよ」


「……チート過ぎるだろ」


 思わず漏れてしまった言葉と同時に時間切れのホイッスルが鳴った。




 ◇ ◇


「へー。分岐魔法をどっちも使える能力か。いいなぁ~、その能力」


 学校帰りに寄ったスーパーでメルのお見舞いの品を買いながら大和は納得した……という表情をしながらしきりに頷いた。


「いや、大和の能力の方が良いだろ。全身から炎とかチート過ぎるぞ」


「確かに強いけどもあれ、普通の魔法より魔力の消費がでかいんだって……」


「そうなのか? どれくらい違うんだ」


「普通の魔法の消費が10だとしたらこっちは50くらいかな」


「結構持ってかれるんだな、ってかそれなのにあれだけ魔法使えたってことは魔力多い方なのか?」


「いーや、生憎魔力は普通くらい。おかげで今はすっからかん」


 おどけたように言っているがよく顔を見てみると大和の顔には確かに疲労の色が出ていた。


「悪い、疲れてるのに買い物付き合わせちまって」


「いいっていいって。それより早く買って帰ろうぜお前の彼女が寂しいって泣いてるぞ~」


「おい! だから付き合ってないって言ってんだろうがっ!」





ぐっだぐっだになってしまったorz

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