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白の魔法使い  作者:
第2章 1学期
10/51

『過去の記憶』

更新遅れてまことにすいません!

メルside


「ぅぁ~。ひま~」

あたし、メル=ジェミニは暇すぎて時間を持て余していた。

その理由は白夜にある。

今朝、朝ごはんを食べてから部屋を出ようとしたときに、


「ちょっと待て、メル。今日は学校休め」


「へ? なんで?」


「いつもより微妙に顔色が悪い。昨日も体調崩したばっかなんだから今日は大事を取って休んどけ」


「え、いやでもあた――――」


「休んどけ」


「だからあ――――」


「休め」


「……はい」



ということがあったから。


心配してくれるのは嬉しいけどあたしが大丈夫って言ってるんだから別に行ってもいいじゃん!

今日は魔法模擬試合があったのに。


頭の中で愚痴りながらベッドの上をごろごろと寝転がる。


「……眠たくなってきた」


昨日はぐっすり寝たのにまだ体がだるいなんて。本当にあたし具合悪いのかな?


「せっかく休みなんだしもう寝ちゃお」


勝手に納得してあたしは眠りについた。










「あれ? ここどこ?」


気が付くとあたしはベッドの上ではなく、青々と茂る草原の上でぽつんと寝そべっていた。

――――ここはどこだろう。

そう思い、体を持ち上げる。

軽く体についた草を払ってから周りを見渡すと綺麗な赤色の髪の毛をした小さな女の子が花を摘んでいるのが見えた。

ちょっと話をしてみようと女の子に向かって走り始めたその時。


あたしは膝から地面に崩れ落ちた。

頭の奥の方から黒いものがあふれ出るような感じ。

怖くて怖くて仕方がないような、頭の中で絶望が回っているような、そんな感覚。


「ねぇ、どうしたのおねーちゃん」


儚げで透き通った声を聞いた瞬間、背筋が凍るような悪寒が流れ、立つことはおろか身体に力を入れることさえできなくなった。


まるで全身の感覚が《凍りついたように》。


「寒いの?」


「い……や、やめ……て。さわ……触らないで!」


徐々に鈍っていく感覚を必死で抑えながら差し出された手から逃げ出すように後ずさる。


「じゃぁ、ムースがあっためてあげるね……《爆砕の加護アブレーション》」


地底から湧き出るようにして現れた《炎の川》は青々と茂っていた草原を焼き尽くす勢いで燃え広がっていく。


「えへへ、ムースえらいでしょ。《メルおねえちゃん》ほめてほめて!」


その言葉を最後に、プツンと映像が途切れた。





次回からはもっと早く、長くしていきます。





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