第16話 神様とかくれんぼ
「ど、どうしてですか?」
真愛さん(神様)の言葉がよく分からないので、聞くことにした。
「私は子供と遊んだことが無いんです。だから、あなたと遊んでいて、子供と遊ぶのがどんなものか知りたいんです」
人間の女の子と神様がいっしょに遊ぶなんて、聞いたことない。
「大丈夫なんですか、人間と神様が遊んで」
「たぶん、大丈夫です・・・」
たぶんが付いてるから、心配だな。
「さて、何して遊びます?」
話はよく分からないけど、遊ぶことになってしまった。
「私は・・・」
まさか夢の中で神様と遊ぶなんて、思っても見なかった。
「じゃあ、かくれんぼがしたいです」
パッと思い付いたのが、それしかなかった。
「分かりました。10秒数えます」
カウントダウンが始まった。人の家でこんなことしていいのかと思いつつ、衣装ケースを見つけてその中に入った。
「もう、いいですか?」
真愛さんの声がしたので、
「もういいよ」
と答えた。
あれ、神様に"もういいよ"なんていっていいのかな・・・
そう考えている内に足音が聞こえてきた。
「海、どこにいるの。返事して」
返事したら、かくれんぼの意味がないので答えなかった。
「どこに隠れているのかしら」
と言いつつ、私を隠れている衣装ケースの扉を開けた。
「海、見つけました」
あっけなく、見つかってしまった。
人間と神様が遊んでいいのか?