表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
氷の追放令嬢、死神辺境伯の熱に溶かされて幸せになります ~捨てられた聖女の調和魔法で、極北の地を宝石の都へ~  作者: 花菱エマ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

10/20

第10話:独占欲の檻と、甘すぎるご褒美

「……エルシア。よく頑張ったな。あんな不遜な男を前に、自分の言葉で言い返せるとは」


 謁見の間から連れてこられたのは、カイルム様の私室だった。

 扉が閉まった瞬間、彼は私を背後から包み込むように抱きしめ、首筋に深く顔を埋めた。

 

 その肩が、微かに震えているのがわかる。

 怒りか、それとも――。


「……怖かったか? 私が、君を手放すのではないかと」


「……いいえ、カイルム様。あなたの手が、私をずっと温めてくれていたから……。私、あんなにハッキリと自分の気持ちを言えたのは、生まれて初めてなんです」


 私は、自分の胸に回された彼の大きな手に、そっと自分の手を重ねた。

 王都にいた頃の私なら、きっと震えて、ただ俯いて、言われるがままに連れ戻されていた。

 けれど、今の私には、守りたい場所がある。

 この人の隣という、世界で唯一の居場所が。


「そうか。……だが、私は怖かった。あんなゴミのような男たちの言葉に、君の心が少しでも揺らぐのではないかと、気が狂いそうだった」


 カイルム様は私をくるりと正面に向けさせ、逃げられないように両腕で閉じ込めた。

 見上げる彼の瞳は、熱を孕んで潤んでいる。


「エルシア。君を頑張らせたご褒美を上げなくてはな。……いや、これは私の独占欲を満たすための、ただの我欲だが」


「……ご褒美、ですか?」


 彼の手が、私の銀髪を愛おしげに梳き、そのまま頬を包み込んだ。

 親指で、私の唇をなぞる。その熱い感触に、身体の芯が甘く痺れた。


「……今日は、もう誰にも君を見せない。この部屋で、私だけが君を慈しむ。……いいか?」


「……はい、カイルム様。私も……あなたと、ずっと一緒にいたいです」


 私が頷いた瞬間、視界が反転した。

 気がつけば、私はあのふかふかの大きなベッドの上に横たわっていた。

 カイルム様がその上に覆い被さり、私の両手をベッドに縫い止める。


「……冷たい君の肌が、私の熱で少しずつ赤く染まっていく。その様が、たまらなく愛おしい」


 彼はそう囁くと、私の鎖骨のあたりに、熱い口づけを落とした。

 

「ひゃ……っ、カイルム、様……」


「……もっと、声を聴かせてくれ。王都の奴らが一言も聞いたことのない、甘い声を。……君のすべては、私のものだ。指先一本、吐息の一つまで、誰にも渡しはしない」


 それは、重すぎるほどの独占欲。

 けれど、愛に飢え、冷たさに凍えていた私にとって、その重さは何よりも確かな「生」の実感だった。


「……私のすべては、あなたのものです。カイルム様……。私の氷を、もっと……もっと溶かしてください……」


 私がそう告げると、カイルム様の瞳に溜まっていた情熱が溢れ出した。

 何度も、何度も繰り返される口づけ。

 額、瞼、頬、そして――。


 深い闇に包まれた部屋の中で、二人の体温が混ざり合い、新しい「春」が生まれていく。

 窓の外では、王都からの使者が去った後の静寂が広がっていたけれど。

 この部屋の中だけは、どんな真夏の太陽よりも、眩しく、熱い愛に満たされていた。


 捨てられたはずの「不浄の氷」は。

 今、世界で一番幸せな「氷の花」として、彼の腕の中で完璧な美しさを咲かせていた。

「君のすべては、私のものだ」

カイルム閣下の、狂おしいほどの溺愛が爆発した第10話。

皆様、二人の甘すぎる「ご褒美」タイムに、

ご自身の心まで温まってしまいましたでしょうか。


勇気を出したヒロインに、最高の愛で応えるヒーロー。

これこそが「ハッピーエンド」へ続く、揺るぎない道のりですわね。


さて、二人が甘い時間を過ごす一方で、

追い返された使者が王都へ戻り、事態は最終局面へと動き出します。

「許してやる」と増長していた王太子の末路は……。


もし、カイルム閣下の重すぎる愛に「もっとやって!」と思ってくださったなら、

ぜひ【ブックマーク】と【☆☆☆☆☆】の評価をお願いいたします。


皆様の応援が、二人の絆をさらに深く、

そして悪役たちへの「ざまぁ」をより苛烈なものに変えていくはずです。

次回、第11話「王都の炎上と、聖女の真実」でお会いしましょう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ