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スズラン〜再び幸せが訪れる

ここから物語は、二人の「再会」の場面に入ります。

時間が空いたことで変わってしまった距離と、変わらなかった感情。

祭りの賑やかさの中で、言葉より先に伝わるものがあるのかどうか――

そんな瞬間を書いた章になります。


夏祭りの夜、神社は提灯の光と人の熱気に包まれていた。

浴衣に身を包み、人混みの中で美波を探すけれど、なかなか見つからない。花火の音が大きく響き、誰かに声をかけようとしても届かない。


その時だった。


屋台の隙間の向こうに、白い浴衣の彼女が立っていた。

少し背を丸め、不安そうに周囲を見渡している。


――見つけた。


胸が強く鳴り、気づけば名前を叫んでいた。

人の波をかき分け、ようやく目の前にたどり着く。


そっと袖に手を伸ばす。

触れた瞬間、彼女の身体が小さく震え、ゆっくり振り返った。


目元は少し赤く、唇が震えている。

言葉より先に、彼女が手を握り返した。


「…会いたかった」


花火が夜空に大きく弾け、音がすべてをかき消す。

それでも彼女は微笑んでいた。


手は、確かに繋がっていた。


この章は、気持ちをはっきり言葉にする前の段階を意識しています。

確かめ合うというより、同じ気持ちだったと分かる瞬間。

次の章で、二人の関係の輪郭が少しだけ見えてきます。

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