表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/11

アネモネ~儚い恋

翌朝の回です。

少しだけ空気が変わります。

朝の光で目が覚めた。

障子越しの白い明かりが、部屋をぼんやり照らしている。


隣の布団では、彼女がまだ眠っていた。

昨夜と同じ距離のままなのに、なぜか少し遠く感じた。


「おはよ」


しばらくして彼女が起き上がる。


「あ、おはよう」


何でもない挨拶なのに、声が少しだけぎこちない。

彼女は軽く笑ったが、昨日より静かな表情だった。


帰りの電車では会話が少なかった。

一日一緒にいたのに、お互いのことを何も知らないままだと気づく。


駅に着く直前、彼女が小さく言った。


「ねぇ、来週、引っ越すんだ」


一瞬、音が遠くなった気がした。


「急に決まってさ。お父さんの仕事で」


言葉が見つからないまま、景色だけが流れていく。


「なんで昨日言わなかったの?」


「言ったら、昨日みたいに過ごせなかったと思うから」


優しさなのか、ずるさなのか分からなかった。

それでも責める気にはなれなかった。


ホームに降りたとき、彼女はいつもの声で言った。


「じゃあ、またね」


“また”が本当に来るのか分からないまま、僕は頷いた。

このあと、物語は少し動きます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ