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暁(あかつき)のエメラルドノヴァ  作者: 月織


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第06話:守れ!小さな夢の歌声

月織--広大な物語の世界を縦横無尽に駆け巡る、新進気鋭の物語紡ぎ手です。


ジャンルを問わず、読者の心に深く響く「希望」と「葛藤」、そして「成長」の物語を描き出すことを信条としています。特に、全年齢対象作品においては、子供たちの純粋な心にも、大人の複雑な感情にも寄り添い、ページをめくるたびに、新たな「光」を見出すような感動体験をお届けすることをお約束します。

すべての作品が、読む人の明日を照らす一筋の光となることを願って、今日も筆を執ります。

星が図書館を出て、パトカーでの巡回に向かおうとした、その矢先。


「あああ! 嫌だデータ・ゴーストとの情報戦は、予想外に早く決着したおかげだ。とはいえ、その戦いが彼女の心に残した波紋は深い。自分の存在意義が、常に「誰かによって決められる」のではない! 返してよ!」


近くの広場から、甲高い少女の悲鳴が聞こえた。


星が駆けつけると、数人の粗暴な若者が、小さな少女を囲んでいた。それは、図書館で見かけたかという不安が、時折、彼女の心を覆い尽くす。


「星、今日はこの後、予定あるの?」響が、少し前のめりになって尋ねてきた。


「え? 特にないけど。どうしたの、響?」


「実はね、近所の商店街で、小さなダンス&ボーカルコンテストが開かれるの。ボランティアで、ちょっと見に行こうと思って。昔の星なら、絶対見少女、渡辺詩織だった。彼女は泣きながら、持っていたマイク型のデバイスを掴もうとしている。


「やめろ! これで僕らのアイドルになって歌えよ! お前みたいなのが憧れるヒーローなんて逃さなかったでしょ?」


響の言葉に、星の心がチクリと痛む。響は、星がアイドルだった頃からの熱烈なファンであり、彼女の才能を誰よりも理解している。その響の前、どうせ嘘だろ!」


若者の一人が、詩織が大切にしていた、ボロボロになったマイクデバイスを奪い上げ、高く掲げた。


「うちの親父、昨日、会社の不正で「もう過去の人だから」と言うのは、ひどく空虚に響いた。


「そうだね。昔はよく出てたな、そういうの」


星は乾いた笑みを浮かべる。ステージに立つ喜びで酷い目にあったんだ! 街なんか信じられない! お前みたいな夢見てる奴が、一番ムカつくんだよ!」


若者たちは、カオス・インベーターズの信奉者、あるいはそのを、今は「刑事」という立場が許してくれない。


「今日のコンテストの子たち、みんなキラキラしてるんだろうな」


「きっとそうよ。夢に向かって努力する姿って、いつ見ても美しいもの影響下にある者たちだった。彼らは、社会の不条理に対する怒りを、最も純粋な夢を抱く詩織にぶつけていたのだ。


詩織は震えながら叫ぶ。「私は、エメラルドノヴァみたいになりたいの! みんなを元気にしたいのよ!」


その言葉を聞いた瞬間、星の心臓が激しく脈打った。エメラルドノヴァ。自分自身の名前が、こんな形で」


その時、星のポケットの中でグリフが微かに振動した。

『マスター、警戒レベルを少し上げてください。付近で、感情エネルギーの過剰な揺らぎを感知しました。ポジティブな感情が、こんな形で汚されようとしている。


「やめなさい!」


星は刑事の制服姿のまま、若者たちの前に立ち塞がった。


「私は、この街の刑事よ。あなたはたった、何かに引き寄せられているようです』


「え? コンテスト会場付近?」


---


星は響を伴い、商店街の特設ステージへと向かった。既に多くの観客が集まり、熱気に包まれている。


コンテストは順調に進んでいた。小さな子どもたちが、精一杯のダンスや歌を披露し、観客は温かい拍手を送っている。


「見て、響今、恐喝と器物損壊の現行犯よ!」


若者たちは星の制服を見て怯むが、リーダー格の男が嘲笑した。

「なんだ、新米のお嬢様刑事か。あの真ん中の子、すごく上手ね。緊張してるけど、楽しそうだわ」


ステージ上で、まだ小学校低学年くらいの少女が、一人でマイクに向かっていた。彼女の名は「ミナ」。真っ。お前が何をしようと、世の中なんて腐ってるんだ。夢なんて捨てちまえ!」


男は、詩織から奪ったマイクを振り上げ、威嚇するように詩織に向かって振り下ろそうとする。


---


時間がない。変身すれば、この場で人目を引くことになり、データ・ゴーストに格好の餌を与えることになる。だが、目の前の子どもの「夢白なワンピースを着て、少し体が揺れているが、その瞳は真剣そのものだ。


ミナが歌い始めた。それは、少し古い曲だったが、彼女の小さな体から絞り出される歌声には」が壊されるのを、刑事の立場で止められない。


「グリフ、最優先プロトコル。周囲の通信を一時的に遮断、警察の到着まで私に戦術的優位性を与えて!」


『了解。ただし、マスター、エネルギー負荷は最大です!』


星は、制服のまま、しかし研ぎ澄まされた刑事の動きで動いた。彼女の身体能力は、既にエメラルドノヴァとして、純粋な「想い」が込められていた。観客も次第に引き込まれていく。


だが、エメラルドノヴァの視点を持つ星には、その光景が異質に見えた。


「グリフ、ミナちゃんの周りのエネルギー、見て」


『マスター、確認しました。異常です。彼女の持つポジティブな感情エネルギーが、まるで外側に溢れ出し、何かに吸い寄せられているかのように濃密限界を超えて鍛え上げられている。


「刑事の動きなんて、所詮ヒロインには敵わない!」と若者の一人が叫ぶ。


星はそれを否定するかのように、超人的なスピードで動いた。彼女の動き化しています。このままでは、彼女の『夢』が、**エクリプス・システムのエサ**になってしまう』


数ブロック離れたビルの陰。黒い影が一つ、巨大なエネルギーを集積装置のようなは、昨夜の戦闘で得た空間把握能力と、アイドル時代のステージングの感覚が融合したものだった。


「一つ! 相手の軸を崩す!」


星は、一番手前の若者の懐に潜り込み、体術の要領で相手の重心をずらした。若者はバランスを崩し、持っていたマイクを放り投げる。


マイクは宙を舞った。


「マイクを渡して!」詩織が叫ぶ。


星は、空中高く舞い上がったマイクめがけて跳躍した。制服のスカートが翻り、彼女の身体能力が最大限に解放される。そこには、スポット機械を起動させていた。データ・ゴーストの仕業ではない。もっと原始的で、感情を狩ることに特化した、**アフェクト・リーパー**の分隊だった。


「ヤバイ、あれはライトを浴びたトップアイドルが、ファンサービスとして最高のパフォーマンスを見せる瞬間の、あの正確さと優雅さがあった。


しかし、彼女はアイドルではない。刑事だ。


星はマイクをキャッチ物理的な攻撃ではない。ミナちゃんの『夢』をエネルギー源にしようとしてる!」


観客の熱狂が、怪物の餌になってしまう。このままでは、ミナの夢も、彼女の輝きも、全てすると同時に、空中で体勢を反転させ、自由になった片手で、後ろから忍び寄っていたリーダー格の男の顔面に、鋭い正拳を叩き込んだ。


「二つ! 容が奪われてしまう。


「響、ごめん、ちょっと席を外す!」


星は響に声をかけ、人混みを縫って裏道へと走り出した。刑事として、そしてヒーローとして、守らなければならないものがある。それは、人々の「希望」の芽だ。


---


星は、商店街の裏手の、人の目に触れない倉庫の陰に滑り込んだ。


「グリフ、奴らのエネルギー収束ポイントを特定して! 現場に戻るには時間がない!」


『了解。座標を解析中。ターゲットは、南東300メートルの廃ビル屋赦はしない!」


空中で放たれた一撃は、若者の顔面を的確に捉え、彼は地面に叩きつけられた。


「うぐっ…な、なんだこの女刑事は…!」


残りの若者たちも怯み、動揺する。彼らは、単なる女性刑事ではなく、予測不能な動きをする怪物と対峙していることに気づいたのだ。


星は優雅に着地する。制服のスカートは乱れ、髪も乱れているが、彼女の眼差しは氷のように冷たく、かつてのステージの女王の迫力を持っていた。


「あなたたちが信じられないのは、この街の『正義』じゃない。上です。しかしマスター、**変身した場合、周囲の感情エネルギーが不安定になり、コンテスト会場の熱狂を増幅させてしまうリスクがあります。**』


「分かってる。だから、時間を稼ぐだけ。変あなたたち自身の『諦め』よ」


星はマイクを拾い上げ、震える詩織の元へ歩み寄った。


「私は、ステージを降りた。けれど、夢を捨て身は最小限に、この現場で、あの怪物の動きを止める!」


星は決断した。目立たずに、しかし確実に、ミナの夢を奪おうとする影を打ち払う。


翠装すいそう!」


例の如く、緑色の光が星の体を包み込む。だが、今回はフィールドが狭く、光は体表に張り付くように収束し、スーツがたわけじゃない。夢を追うことは、誰かに許されることじゃない。自分で掴み取るものよ」


詩織は、星のまっすぐな瞳を見つめた。その瞳は、まるで遠い日のステージ形成される。


「エメラルドノヴァ!」


その変身は、普段の派手な登場とは異なり、音もなく、必要な部分にだけ、鋼のパーツが装着されるように完了した。エネルギーの漏で見た、あの星の瞳と同じ色をしていた。


「このマイクは、あなたの夢の器よ。汚させちゃだめ。そして、私自身の体で証明するわ。たとえ、世界がどんなに暗洩を最小限に抑えるための、極秘の「ショート・チェンジ」だ。


エメラルドノヴァは、光の槍を構える代わりに、手に光のエネルギーを集中させる。


「ノヴァ・バレット!」


彼女は、光のエネルギーを小さな弾丸のように絞り出し、高速で廃ビルの方角へと放った。それは、音もなく、しかし確実に、怪物のエネルギー収束装置に命中し、オーバーくても、誰かのために輝こうとする意志は、決して無力じゃないって」


詩織は、涙を拭い、星からマイクを受け取った。

「…はい! 星さん!」


その時、遠ロードを引き起こした。


「キイィィィィィィ!」


遠くの廃ビルから、不気味な断末魔が響く。エネルギーの収集が中断され、コンテスト会場の熱気は、ただの熱狂へと戻った。


エメラルドノヴァは即座に変身を解除した。光が収束し、制服姿の星が、荒い息を整えながらその場に蹲くからパトカーのサイレンが近づいてきた。若者たちは、刑事と、謎の超人的な女性のオーラに怯え、そのまま逃走を図った。


黒岩たちが到着した時、若者たちは取り押さえられ、詩織は静かに星に礼を述べていた。


「ありがとうございました、星さん。私、頑張って歌います。みんなを元気にできる歌を」


「ええ。私も、このる。グリフがそっと彼女の足元に現れた。


「間に合った…」


---


星は急いでコンテスト会場に戻った。ミナはステージで、少し街を元気にできる、刑事として、そして…もう一つの顔で、頑張るわ」


星は、若者たちを取り囲む黒岩に、軽く会釈をして、その場を後にした。


夜の帳が降りる頃、星は屋上でグリフと二人きりになっていた。


『マスター、今日の戦闘は、変身せずに勝利しました。これは、マスターの「意思」の力が、グリフの戦闘支援能力汗をかきながらも、最高の笑顔で歌い終え、観客からの熱い拍手を浴びていた。彼女の瞳は、先ほどまで感じられたような「吸い寄せられる光」はなく、純粋な喜びで満たされている。


「ミナちゃん、本当に素敵だったわ!」響が感動したように星の手を握った。


星は、ミナの無事と、彼女の夢が守られたことに、心から安堵した。


「響、あの曲、すごく感動的だったね。夢を追いかけるって、本当に大切だよね」


「そうね。星も、昔はあんなにキラキラしてたんだから。今のを上回ったことを示します』


「そうだといいんだけど。疲れたわ…」


星は空を見上げた。星々が、ささやきかけてくるようだ。

アイドルとして輝き、刑事として正義を求め、そして今はヒーローとして未来を守る。その全てが、今の彼女を形作っている。


「ねえ、グリフ。私の光は、偽物じゃない。私が選んだ、私だけの光なのよ」


グリフが、静かにマスターの無事を喜び、優しく光を灯した。


(第6話了)

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