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後悔している。俺は独りだ。こんな事になったのはアイツと関わったからなのか?違う、俺が悪かったんだ。この他責思考を変えないといけないのに……
もう、ずっと心臓が動いていないように感じる。動いているのに、熱を感じないんだ。どうしたら良かったんだ。だって、仕方が無いじゃないか。俺は知らなかったんだよ。俺は何をしても許されて、どんなことをしても認められて……愛されるべき存在だと思ってた。俺に敵意を向けてきたり、恨み嫉妬してくる奴らは、そいつらが俺を愛して満たせなかったから自業自得だったはずなんだよ。
俺が悪かったのかって?そんなの分かってるよ。でも、理解はできても納得が出来ないんだよ。だって、俺が愛を注いだのにアイツは俺に注いでくれなかったんだ。
違う違う違う違う違う。アイツは俺に愛を注いでいた。なのに、その貴重な愛を俺が無下に扱っていたんだ。
……アイツ?アイツって誰だ?名前が思い出せない。なんだっけな。ああ、そうだ夏美だ。何で俺はアイツの名前も碌に覚えていないんだよ。だから、嫌われたんだよ。違う、俺は嫌われたんじゃない、今でも好かれているんだ。でも、アイツは俺の腕の中からいなくなった。俺のせいで。
あれから俺が見ている世界が変わった。道行く人みんなが俺の中を覗き込んでくるんだ。
助けてくれ。誰でも良いんだよ、誰か助けてくれよ。誰かって言っても、もう、誰の顔も名前も思い浮かばないな。そうだよな、みんな遠くへ行ったんだ。ああ、これも違う。元々、俺の周りに助けてくれる様な人はいなかったんだ。いたのは俺が都合よく使う人間と俺を利用してた奴らだけだったんだ。
そんな中でアイツだけは違ったんだ。やっぱり、アイツは特別だったんだ。今だからはっきりとわかる。
夏美夏美夏美夏美夏美夏美夏美夏美夏美夏美夏美夏美夏美夏美夏美夏美夏美夏美夏美夏美夏美夏美夏美夏美夏美夏美夏美夏美夏美夏美夏美夏美夏美夏美夏美夏美夏美夏美夏美。
分かってる。もう、遅い。俺が何をしようが夏美は居ない。偶然、出会って嫌われるのも嫌だ。
どうしよう。どうやって生きたらいいんだろう。分からない。俺は生きる方法を間違えた。でも、これからも生きていかないといけないはずなんだ。だって、俺が俺だから。
そうだ、こんな事は忘れて今まで通りに生きていけば良いんだ。うん、そうだ。これで俺は幸せになれるんだ。そうだよな……?
あ。駄目だ。無理だ。生き方が分からない。教えてくれよ夏美。