終わりとはじまり
私の名前は柊木叶
大好きな文芸の編集として作家先生方の作品を1人でも多くの人に目に止めて貰えるように努力している。
上司:「柊木さん、S先生の原稿は今日貰えそう?」
私:「大丈夫です。午後からM先生と対談の時にいただきます。」
上司:「助かるよ。柊木さんは先生からの信頼厚いから。M先生との対談も今回の特別企画で載せれて文芸部の株も上がったよ。」
文芸部は他の分野に比べ伸び悩みがあり他社との部数争いがこの所目に見えてきている。
どこの文芸も作家先生を抱え込み、部数上げの為に路線変更やいわゆるゴーストライター等を使う所もあった。
私はそういうのが嫌で前の上司とはよく揉めたが今の上司は考えも似ており好きなようにさせてもらって作家先生方と良好に仕事をしていた。
全てが順調のように思えた。
よくありがちな自分の知らないところで静かに少しずつ、歯車が狂い始めていた。
信頼する後輩に、一番感情の中で曖昧な愛という感情と目の間にある欲に負けた・・・。
後輩:「柊木さんはここに配属されてから、辞めたいと考えたことはないですか?」
いつも元気で笑顔な後輩から意外な言葉を聞き驚きを隠しながら言葉を選びながら答えた。
私:「うーん。私は文芸が好きで入社から有難いことに移動せず仕事をさせて貰ってるから辞めたいと思ったことはないかなぁ?」
後輩:「そうなんですか?僕、今担当させていただいてる先生と考え方が似ていてとても仕事が楽しいんですが...この所、先生の評価が良くなくて路線変更しないかと会社から言われて……」
彼の担当しているM先生は私の担当しているS先生の後輩に当たり、今回も対談する事で伸び悩んでいる部数上げも測ろうとしている。
これまでは順調に作品を出されて評価されていたのに不思議に感じていた。
私:「S先生との対談でM先生もきっと光がさすと思うから今日の対談をまずは楽しく進めよう。」
後輩:「そうですね。M先生も今日をとても楽しみにされていたので。」
正直なところ、今日の対談でヒントがかならず見つかるとは思えないが...お互いにリスペクトしている者同士での対談は今ぶち当たっている壁に傷をつけるくらいはできると思う。
後輩と先生方がいる部屋に向かった。
部屋の前に近づくにつれM先生の声が聞こえる。
M先生:「先輩、いつまで私たちの関係を隠すの?担当も変えてって言ったじゃない。」
S先生:「この対談で話すっていっただろ。落ち着けよ。」
M先生:「結婚の話も全然進めてくれないし。」
S先生:「担当の入れ替えをすればいいのになぜ彼女を辞めさせようとするんだ?」
扉のノブに手をかけて一瞬止まったが、聞こえなかったように開けた。
私:「遅くなりました。対談の準備を始めてよろしいでしょうか?」
部屋の中に流れていた空気を換えるように
S先生:「あぁ。」
M先生:「大丈夫なわけないでしょ?状況わかっていってる?いつもいつも本当にムカつく。」
S先生:「いい加減にしろ。君の勝手な思い込みで言うのはやめろ。」
感情的になるM先生をなだめようとするS先生と後輩。
後輩にM先生がささやくように何かを伝えた。
フラッと後輩が立ち上がり、私に近づく。
私:「どうしたの?」
言葉を発したと同時に腹部に刺すような痛みが走った。
後輩:「うわぁぁぁぁぁぁぁ。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい・・・・。」
後輩が離れた瞬間に自分の腹部から生暖かい何かが出ていることに気づき触れ血が出ていることに気づく。
S先生:「柊木くん、しっかりしろ。」
S先生の声とケラケラと笑うM先生の声に後輩の泣き叫ぶ声、一瞬にして惨状となった中心に自分がいた。
撮影のために入ってきたカメラマン達が警察と救急に電話をしている。
スローモーションのようにスタッフが動いている姿が見えて傷口を押さえるS先生と正気を失ったM先生の叫び声
遠のく意識、みんなの声が遠くなり自分の死を悟った。
意識が途切れた瞬間、ふっと身体が軽くなりとても心地よい感じになる。
私:「ここは?」
水滴が落ちる音と共に遠くでわたしを呼ぶ声がする
中々開けれるまぶたを開けると真っ白な空間?
光が眩しいから白く見える❓目が慣れてくると
遠くから女性らしき人が手招きをして呼んでいる。
?:「叶……」
目を擦りながら光の射す方へ歩き出し数歩歩くと真っ白な空間なのか木の下に1人の女性が立っている
近くにゆくとローマ神話に出てくる女神のような美しい容姿の人だった
?:「叶、ごめんなさい。本当はもっと早くにこちらの世界に呼ぶはずだったのに。」
彼女の声を聞いて何故が懐かしくも感じ安心したのかまたまぶたが重くなりそこで意識が途切れた。




