カミルの決断
リネットは昔カミルと出会った孤児院に来ていた。
ルークラフト公爵がこの孤児院に多大な寄附をしたお陰で立派な孤児院に変わり、子供達も楽しそうに走り回っていた。
「マーガレット先生、お久しぶりです。」
「リネット姫、、お久しぶりです。この間も立ち寄ってくださってありがとうございました。」
「先生、もう姫ではありません。昔のようにリネットと呼んで下さい」
「ああ、リネット、よく来てくれたね。。ニュースをきいて本当に驚いたけどここもリネットの家ですよ。ゆっくりして行って」
マーガレットはリネットが全てを捨てて旅をしていると知っていた。
いつかここにも来てくれると思って待っていた。
「ありがとうございます!」リネットは少しこの孤児院で滞在することにした。
リネットは孤児達のお世話の手伝いをして日々を過ごしていた。
そんなある日帝国を揺るがす大事件が起こった。カミルが全てを捨てて消えてしまった。
そのニュースはリネットを驚かした。
カミル?!
どこに行ったの?どうして?
カーティス様は?カミル!
クラウディア様との結婚は??
リネットはそのニュースに動揺した。
あのカミルが、あの責任感が強いカミルが、、なぜ?
マーガレット先生は新聞を買ってきて見せてくれたが、カミルのその後は書かれていない。
だけどカミルは全ての仕事を終えて、全て誰が見てもわかるようにしていた。
それは昨日今日でできる仕事量では無く、少なくとも数年前から準備していたのではないかと書いてあった。
カミルが公爵家を去ってしまい、クラウディアとの婚約は解消されクラウディアは国に戻った。
クラウディアは不名誉な解消では無かったのでまた誰かと結婚したい時にはこの件は不問となる。
カミルはクラウディアに言っていたのだろうか?リネットは色々と考えたがやはりわからなかった。
それでも一日はやってきて過ぎてゆく。