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無欲な私の本気の恋  作者: ねここ


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カミルの覚悟

リネットはアンディが国王としての自覚をもち始め、ベティがアンディを支えてくれるこのノールズ王国はこの先リネットが居なくなっても大丈夫だと思った。


 ちゃんとやる事をやって自由になろう。明日、皇帝に挨拶をして国に帰る。



 辛いのは明日だけ。



 明日さえ終わればもう二人を見ないでいい。。



 今日、初めてクラウディア様は私を牽制した。カミルは、、カミルはどうして俺が結婚したら寂しいか?と聞いたんだろう。



 寂しいと答えたら何かが変わる?婚約までした二人が婚約を解消する事はあり得ない。


 婚約解消された女性はほぼ他の人と結婚できない。そんな事カミルができる訳がない。


 そもそも解消する理由もない。二人はこの一年の間に結婚するだろう。


 その前に、、とにかく明日は無事に,平穏に早く終わりますように。。。

 


 翌日アンディと共に城に挨拶に出掛けて行った。


 リネットは昨日のお茶会をある意味すっぽかしたが、何か言われたら謝ればいい、言われなかったら何も言わずにいようと思っていた。


 今日は兄妹揃って白だ。アンディは白にゴールドのノールズ王国の紋章の刺繍が入っている。ノールズ王国の紋章は星と月だ。リネットのドレスは白に星をモチーフとしたダイヤが散りばめられている美しいドレスだ。


 

 城に向かう馬車の中でリネットは気持ちを整えていた。何が起きてもポーカーフェイス、気持ちを悟られる事がないよう頑張ろう。。


 城に到着した。


 あの日の様に既に貴族達が集まっていた。アンディはリネットをエスコートして皇帝の前まで歩いた。あの日と違うのはアンディはもう緊張していない。


 自信に溢れた国王の顔になっていた。そんなアンディを見つめリネットは微笑みを浮かべた。


 リネットが歩くたびにキラキラと美しく輝くダイヤモンドは多くの令嬢達の心をとらえた。

 その日のリネットは髪を一つに纏め大人っぽい印象がまた魅力になった。


 皇帝はその姿を見て嬉しそうにリネットの手を取りその手にキスをした。


 リネットはまだ挨拶も交わしていないのに皇帝の突然の行動に驚いた。


 驚くリネットを見て皇帝は言った。「リネット姫、昨日は驚いたぞ、あなたは本当に魅力的な姫で、驚かされたばかりだから今日は驚かしたくてな。許せ」そう言ってリネットにウィンクした。


「まあ、本当に驚きました。。皇帝には敵いません。。」リネットは少し恥ずかしくなって顔が赤くなった。

 

 その様子をみたカーティス公爵は「皇帝よ、リネットを困らせないでくれ。」と言って助けてくれた。


「カーティス様、、」リネットは大好きなカーティス公爵に微笑んで頭を下げた。

 

 その微笑みは見ている人を幸せな気持ちにするほど優しく美しい微笑みだった。


 カミルは黙ってリネットを見つめている。


 リネットはカミルの視線気がつきカミルを見た。カミルの髪が短く切られていて、カミルは長い時よりも大人に見えた。


 そして見惚れるほど素敵だ。


 リネットはステキなカミルに微笑み「髪もステキだよ」と呟きカミルに頷いた。カミルはリネットに微笑み返した。


 クラウディアの視線を感じたがあえて見ない様にした。



 今日は許して下さい。。。リネットは心の中で謝った。




「ノールズ王国はこの兄妹が居れば大丈夫だろう。帝国はノールズ王国と良い関係を続ける。アンディ国王、そしてリネット姫、また来てくれるか?」「はい、皇帝に認められて大変嬉しく思います。またお会いできる日を楽しみにしております。」アンディは答えた。


 リネットは何も言わずに皇帝に微笑み頭を下げた。約束出来ない。。だからごめんなさい。そんな気持ちだった。


 リネットはカーティス公爵の視線を感じカーティス公爵をみた。カーティス公爵は寂しそうな顔でリネットを見つめている。


 リネットは突然カーティス公爵のところに走って行き抱きついた。


 ごめんなさい、。。カーティス様ごめんなさい。。カーティス様はもうわかっている。


 リネットが二度ここに来ないと。


 ごめんなさい。。。リネットは泣きながらカーティス公爵に心の中で謝った。



「リネット、わかっている。リネットはもう十分やってくれた。人生でどうしようもない事はある。リネットにはそんな想いして欲しくなかった。でも結局そんな選択をさせる事になってしまった。。本当に、、辛い思いをさせてしまったな。。でもな、わしにとってリネットは唯一の孫娘なんだ。生きている限りお前を見守っているぞ」

 


 カーティス公爵は他の人間に聞こえない様にリネットに言った。



 恐らく他の貴族はノールズ王国に帰るリネットがカーティス公爵と離れることが寂しいと思っている。


 だけど本当はリネットが自分の身分を捨てて自由に生きることを選んで別れを惜しんでいるのだとわかる人間はカーティス公爵だけだった。




 カミルは二人を見つめていたが嫌な予感がした。


 カミルは徐に歩き出し二人のところに行った。



「カミル,歳をとるとこの別れが最後に感じてな、、、」カーティス公爵はそう言ってごまかした。

 



 「お祖父様、リネット、俺は、、」




 カミルが二人に何かを言いかけた時クラウディアがやってきて言った。


「カーティス様、リネット、すぐにまた会えますよ。。先ほど決まった事ですがご報告がございます。」

 

 クラウディアはリネットを見て言った。

 




「八ヶ月後カミルと結婚する事になりました。その時リネットは家族として呼びますからすぐに会えますよ。。」

 




クラウディアはそう言って微笑んだ。






 リネットは一番聞きたくない事を聞いてしまい言葉が出てこない。




「クラウディア、今話す事じゃないだろう?何故そんな話を?!」カミルが怒った。


 




 もうやめて、見たくない、、聞きたくない。。リネットはカーティス公爵を見つめ、悲しみを堪え微笑んだ。




「カーティス様、もう寂しくありませんよ。私のお役目もここまで、、ですね。」


 


 リネットはそう言ってクラウディアを見た。





「クラウディア様、おめでとうございます。八ヶ月後、、春ですね。美しい季節に美しいお二人の結婚、、夢の様ですね。。お祝い申し上げます。」

 




 そしてカミルを見た。




「カミルに心配ばかりさせてしまったけど、これからはクラウディア様だけを心配しお守り下さい。私はアンディがいるからもう大丈夫。おめでとう。幸せを祈っています」


 




 そう言って頭を下げてアンディのところに戻った。





 もうこれ以上ここに居るのは無理だった。


「お兄様、国に帰りましょ。」リネットは力なく言った。

 

 「リネット、帰ろう」アンディとリネットは皇帝に改めて挨拶をし,会場を出た。


 

「アンディ!」ベティがいた。


 リネットはアンディに言った。「お兄様先に行きますからベティとゆっくりして」リネットはそう言って城から出て行った。





 もうここに来ることはない。来たくない。早くここから離れたい。




 リネットは涙を流しながら階段を降りて行った。最後の一段を降りる寸前でリネットは腕を掴まれた。




 もう誰かわかっていた。分かっていてももう会いたくなかった。




 自分を保つ術が今は何一つなかった。だけど自分を殺して振り向いた。





「カミル?どうしたの?」リネットは笑顔で聞いた。

 




 「リネット、、、、、俺は自分が欲しいものは必ず手に入れる。絶対に。そのための努力は惜しまない。その為に捨てなければならないものがあったとしても、本当に欲しいものはそれ以上の価値がある。俺はそれを諦めるつもりはないんだ。」



 「カミル、カミルは幼い時からそうだった。何も変わらない。そんなことずっとずっと前から知ってるよ。」




「ああ、俺は変わらない」カミルはそう言ってリネットを抱きしめた。




「カミル、髪短くなったね。かっこいいよ」

 



 「ありがとうリネット、でもまた伸ばす事になるよ」カミルはそう言ってリネットを見つめた。





 リネットはカミルを見つめ心の中で何度もカミルが好き、ずっとずっと好き、きっと死ぬまで好きだと思う。


 だけどもう会えない。カミル、、さよなら。とけじめをつけた。

 



 カミルはリネットをもう一度強く抱きしめて「さっき言ったこと忘れるなリネット」そう言って城に戻って行った。

 

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