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無欲な私の本気の恋  作者: ねここ
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クラウディアの牽制

「お茶会の途中で退席するほどの事が起きたと心配して探しに来ましたが、、リネットを探しに来たのですね」


 クラウディアは微笑みながら言った。


「ああ、そうだ。」カミルが答えた。


 

 「カミルの大切な人は私にとっても大切な人。私も心配していましたよ。リネット」



 クラウディアはリネットの方を向き直し柔らかい笑みを浮かべて言った。




「はい、、申し訳ありません、、私の勝手でお二人に大変な心配をおかけしてしまって、、」



 リネットは心乱されているが平静を装って謝った。



「リネット、この丘の別名称はご存じですか?」

 

 「いえ、この丘には初めて登りましたので、、」




「この丘は恋人の丘と言われていて夕方恋人同士が夕日を一緒に眺めると恋が成就すると言われているのよ」クラウディアは言った。


 

 

 クラウディアは笑顔だが疑われている!直感でそう思った。




 「そうなんですね!知りませんでした。夕日が有名と聞いて来たのですが眠ってしまって起きたら今でしたから、、縁がなさそうですね!」



「私もカミルと夕日を見ましたの。。そのお陰で今日ね、皇帝から結婚の許しが出ました、リネット、喜んでくれる?」


 

 クラウディアはリネットを見つめながら言った。


 

「クラウディア、今そんな話関係ないだろ?リネット、もう暗い送っていく」


 カミルはリネットの手を握って歩き出した。



「カミル!離して、」


 リネットはカミルにつかまれた手を振り解きクラウディアの方を向いて言った。



「クラウディア様おめでとう御座います。私はお二人の幸せを願っております。こんなふうにお二人に心配してもらう様ではダメですね、、。私もこれを機にちゃんと自立します!……アンディが心配していると思うから帰ります、、おそらく私には騎士がついていると思いますので彼らと帰ります。。失礼します」

 

 リネットは二人に頭を下げて走ってその場を離れた。


 後ろから騎士四人がリネットを守る様についていた。


 クラウディアはリネットを見てカミルを見た。



 カミルは黙ってクラウディアの横を通りすぎて街中に消えた。



 

 リネットは走りながら胸の中の重たい鉛の様な気持ちに押しつぶされそうになっていた。



 会いたくなくてお茶会に行かなかったのに、聞きたくなくて行かなかったのに、、


 こんな気持ちで二人を祝福できるわけがない。


 さっきだって笑えていたのかわからないほど動揺してた。二人の顔をまともに見れなかった。。


 どうして放っておいてくれないの?カミル、なんでお茶会を退席してまで探してくれるの?



 バカな私はそこに特別な理由があると思いたくなる。


 こんな現実を見せられてきかせれても、それでも少しの希望を探したくなる。


 


 バカなリネット。。もう本当にカミルを諦めないと。。。




 幼い頃からずっとずっと大好きで、カミルだけを見つめてきたけど、彼は私を大切にしてくれたけど、、




 愛してくれたことは一度も無かった。




 こんなシンプルに答えが出ているのにずっとずっと前から答えは出ていたのに。。


 私は本当に愚かだ。。だけどきっと愛なんて愚かな感情からはじまるものなんだ。



 

「ただいま。。」リネットは邸宅に戻った。


「リネット!!!心配していた!!」

 

 アンディがエントランスでリネットを待っていた様でリネットが帰ってくると同時にホッとした表情でリネットを迎えた。


「リネット!!お帰り、あれ?カミルは?」ベティもアンディと一緒に待っていてくれた。

 

 ベティはリネットを抱きしめながら聞いた。


「……カミルは途中で別れたよ。心配かけてごめんなさい」リネットはなんとか笑顔を作って言った。

 


「カミルは今日皇帝からクラウディアとの結婚の許しが出た途端退席しちゃって、、アンディと私は焦ったわ。クラウディア様は笑顔を崩さなかったけど。。」


 ベティが言った。


「アンディ?ベティ、今お兄様をアンディと呼んでくれた?」リネットは言った。

 

 「あ!!やだ!!」ベティは恥ずかしそうにアンディを見た。アンディは


「リネット、リネットのお陰でベティに会えた。リネットの大切な友達は私の最愛になったよ」

 

 「アンディ、ベティ、、本当に嬉しい。二人とも私の大切な人。ありがとう!!」


 リネットは目に涙を浮かべて二人を抱きしめた。


「リネット、昔リネットに嫉妬してあんなことしてごめんなさい、リネットはそれでも私を好きで、信じていてくれた。私は一生リネットを大切にするって決めてたの!!リネット、あなたの気持ちわかってるわ。私たち一緒に泣いていっしょに笑おう!!」

 

 ベティは号泣しながら言った。


「ベティ!!アンディをお願いします。アンディはベティの様な人が良いって思ったの!!やっと安心できる。。ありがとうアンディ、ベティ!!」

 

 リネットは本当に嬉しかった。ボロボロな気持ちで帰ってきたけれど、二人の愛に触れて気持ちが落ち着いた。



「お腹すいた。。」リネットは徐にいった。

 

 「あははは!リネット、カミルと何か食べなかったの?」ベティが聞いた。


「あ、カミル……カミルはいつ私を見つけたんだろう……私眠ってて気がついたらカミルがいたんだよね……」

 

 「あの時カミルが退席したのってお茶会が始まってすぐにだったよね、それから?リネットいつ寝ちゃったの」


「覚えてない、、気がついたら星が出てた。。」

 

 「本当、カミルって昔からリネットの心配しかしてなかったよね。リネットはどこ行った?リネットが転んだ、リネットが泣いている、本当リネットリネットって、私は嫉妬した。クラウディア様は大丈夫かしら、、。カミルって本当は、、」


「ベティ、クラウディア様も私を心配して来てくれたの。だからお礼をいって先に帰ってきたのよ」

 

 「違う心配したんじゃないの?皇帝から直々に結婚の許しが出たのに返事もせずすぐに退席したカミルを見て不安にならない人は居ないと思うわ。。。」


「……」

 

 「リネット、お腹が空いただろう?今用意させたから食べておいで」アンディはリネットに言った。


「ありがとうお兄様、ベティ失礼しますね」

 

 リネットは一旦一人になりたいと思った。ゆっくりこれからのこと考えたい。。

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