表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無欲な私の本気の恋  作者: ねここ
3/46

それぞれの道



 カミルはリネットに言った「リネットまでいなくなったら寂しい。リネットは居て、どこにも行ったらだめだ」「カミル、ありがとう」リネットはカーティス公爵に相談した。

 

「カーティス公爵様、私はこのままここでお世話になる訳には行きません。私をメイドとして雇ってくれませんか?」カーティス公爵は言った。「リネット、私はリネットを自分の孫だと思っているんだよ。リネットにメイドをしてほしいとは思わない。ただここに居てくれたら私は幸せなんだ。」


「カーティス公爵様、ありがとうございます。けれどもカミルも大人になり結婚をしたら素性のわからない人間がこの公爵家にいるなんて受け入れられないと思います。私を大切に思ってくださるなら、私をメイドにして下さい。お願いします。」「リネット、お前がメイドになったらパーティーやお茶会にも参加出来ないのだよ」

 

 「アハハハ!カーティス様、私はそんなものなんの興味もありません。今までは皆んなが行くから行っていただけで実は家にいる方が好きです。」「ハハハ,リネットは面白い娘だな。わかった。リネット、私の専属のメイドになりなさい」カミルには反対されたが、リネットはカーティス家のメイドになった。



 「おはようございます。カーティス様、カーテンを開けますね」リネットはメイドの制服を着てカーティス公爵のメイドになった。今まで食事は皆んなで取っていたが今はメイドとなり、カミルとカーティス公爵にせめて食事は一緒にと言われてもリネットはメイドとしてそれは受け入れなかった。ただ、その気持ちに感謝している。


 カミルは次期当主として日々勉強や剣術に追われていた。時々「元気?」「頑張ってる?」「困ってる事ない?」など心配して声をかけてくれるカミルにリネットはいつも笑顔で「ありがとう!大切に思ってくれて嬉しいよ」と答えて感謝を伝えていた。そんな生活も慣れてきた頃久し振りにこの公爵家で五人で集まることになった。


 久し振りに会うベティ,アラン,エルマは見違えるような令息、令嬢になっていた。しかし話を始めると昔のように砕けた口調で話だし、五人は大笑いをし、変わらぬ友情を誓った。そしてメイドになったリネットを心配してくれたが、リネットが幸せだと分かると皆んな安心してくれた。


 カミルは「俺がリネットをぞんざいするわけでないだろ?何よりリネットはお祖父様のお気に入りだから俺より待遇がいい」そう言って笑った。本当に楽しい時間だった。「次は誕生日に集まろうね!」ベティが言った。「俺たち皆んな同じ日だから盛大に誕生会をしよう!」カミルが言った。孤児院にいる時皆んなで決めたみんなの誕生日だ。「あ、最近社交界でお友達になったケアリー令嬢呼びたいわ」ベティが言った。


「ベティ、そうなるとリネットが遠慮してしまう」カミルが言った。「あ、気にしないで、私は大丈夫。お祝いしてくださる方を呼んでください」「リネット、そんな事をしたらお前は参加しなくなるじゃないか」カミルが言った。「カミル、私は図々しいのよ」「アハハハ、リネットが図々しいなんて説得力ないわ」エルマが言った。


 ベティは少し不服そうな顔をしている。「まあ、それでも俺たちはそんな世界で行き始めたんだ。俺らだけは恐らく通用しないから、またそれはそれで場を設ければいい。」アランが言った。「ありがとうアラン」ベティが言った。カミルはリネットを見た。リネットはカミルに微笑んで大丈夫とジェスチャーした。こうして誕生会の開催が決まった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ