カミルの新しい恋人
それから五人で学園祭の演劇や屋台を楽しんだ。
カミルに憧れる学生達は羨ましそうにこちらを見ている。
「あ、カミル」
みんなでティータイムをしている時美男美女のグループが声をかけてきた。
「ああ、アンディ」
カミルは笑顔で手を上げた。
「あ、この子?カミルの家族の子」
「ああ、リネットだ」
「リネットさん、カミルの友達のアンディです。」
「はじめまして、リネットと申します」
リネットも挨拶をした。
「リネットさんはじめまして、クラウディアと言います。カミルの大事な家族だと聞いています。お会いできて嬉しいわ」
リネットに挨拶をしてきたクラウディアはこんな綺麗な人がこの世にいるのか?と思うほど美しい女性だった。
ベティが小声で言った。
「カミルと付き合っている姫よ」
「は、はい。クラウディアさんはじめまして、リネットと申します」
リネットは動揺を隠し挨拶をした。なんて美しい人、。カミルと引けを取らないほど美しい人。。
「リネットさん、顔見せて」
アンディはクラウディアと挨拶している時に突然リネットの帽子を取ってしまった。
「あ!」
リネットは驚いてアンディを見た。リネットはその顔見覚えがあった。
「、、うわ、、俺と同じ黒い瞳、、、こんな綺麗な顔隠したら、、もったいないよ」
アンディはリネットを見つめて言った。
「アンディ!何をする」
カミルはすぐにリネットの顔を見られないように自分の方に引き寄せアンディに怒った。
「リネットは人見知りするんだ!初対面でこんな事許されないぞ!!」
「すまない、、カミルが大事にしている子だったから気になって、、悪気はないんだ。。」
アンディは謝ってきた。
「。。はい」
リネットは一応返事をしたが震えている。アレンやエルマもリネットを庇うようにアンディ睨んだ。
「私の友達になんて失礼な!!」
ベティは怒って言った。
リネットはアンディのことを知っていた。
彼は祖国の第一王子で義理の兄だ。。
自分の存在がバレてしまうかもしれない。
そう思うとリネットはいても立ってもいられなくなった。
「カミル、お願いカーティス様の所に連れて行ってください。。」
リネットは半泣きでカミルに言った。カミルはリネットが震えるほど怖い思いをしていることが気になったが、すぐにカーティス公爵の所に移動した。
リネットはカーティス公爵の顔を見るとすぐに走ってカーティス公爵に抱きつき、何かを言った。
カミルはリネットが何を言ったのか聞こえなかったが、リネットの言葉を聞いたカーティス公爵はすぐにカミルを呼んだ。
「カミル、事情があってリネットだけ先に帰る。」
カーティス公爵は言った。
「お祖父様、一体どう言うことですか?なぜリネットはこんなに怖がっているのです?心配です。理由を教えて下さい」
カミルは言った。
「カミル、今は言えない。カミルがここを卒業して帰ってきたら話をしよう。とにかくリネットだけ先に帝都に帰すから、すまんな」
カーティス公爵は言った。
「カミル、、ごめんなさい、、ちゃんとはなすから、、今はごめんね。。。」
リネットは涙を流しながらカミルを見た。
「リネット、、、」
カミルは何も言わなかった。
「わかった。その時ちゃんと話してくれ。リネット、約束だ。俺もリネットを守るから」
カミルはそう言ってリネットを抱きしめた。
こうしてカーティス公爵は騎士達にリネットを託し、リネットはすぐにドミニク中立国を出ることになった。
万が一ノールズ王国の姫だとバレても帝国にいれば手を出せない。
今はバレた訳ではないが、万が一を考えての行動だ。
リネットは騎士に守られながら帝国行きの船に乗った。
リネットは特別室に案内され二日間ここに滞在する。特別室はふた部屋あり、もう一つもどこかの令嬢が入って行った。
カーティス公爵ときた時はルークラフト公爵家の船はだったが、急ぎ帰ることになったリネットは一般の船に乗船したのだった。
リネットはベットに腰をかけ一息ついた。騎士達は一旦自分達に部屋に行きまた戻ってくる。
それまでは部屋に鍵をかけて待つように言われた。
「コンコン」
ドアがノックされた。騎士達が戻ってきたと思い部屋を開けた途端、リネットは口に布を当てられそのまま意識を失った。




