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無欲な私の本気の恋  作者: ねここ
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大人になるって

「おお、また来てくれたのかリネット」「はいカーティス公爵様、今日のお花はすみれです。華やかさはありませんが強くて美しいお花ですよ。」リネットはそう言いながら小さな花瓶にすみれの花を生けて窓辺に置いた。


「リネット、お前はみんなと行かなかったのか?」カーティス公爵が聞いた。「はい、私はあの場所にそぐわないですから遠慮しました。」リネットは言った。

 

 「なぜそう思う?」リネットは少し間をおいて言った。「教会では黒髪に黒い瞳は悪魔の子だと教えております。そんな所に私が行ったら、、皆さんに迷惑をかけてしまいますし、公爵様にも迷惑をかけてしまいます。あ、でも私は落ち込んでいませんから!!」そう言ってリネットは微笑んだ。


 「リネット、お前は本当に心ある優しい娘だ。そんな事をいう教会はもう要らんな」公爵はそう言って執事のアルバートを呼んだ。


「街にある教会全て寄付を止めろ。リネットの美しい髪と瞳に文句を言うならもう二度と寄付はしないと言いなさい」「まあ、公爵様、そんなことはしてはいけません。私は大丈夫ですから、、」リネットは驚いたが公爵のリネットを思う気持ちに感謝した。


「カーティス公爵様、こんなリネットを可愛がって下さって本当に感謝を申し上げます。大好きです」リネットはカーティス公爵にハグをした。「リネット、お前の美しさはいつか皆んながわかる日が来る。お前は自信をもっていいのだよ」リネットは幸せだった。


 五人はいつも一緒に出かけ、華やかなパーティーも五人一緒に参加した。


そんなある日アダムソン伯爵がベティを養女にしたいと申し出た。アダムソン家は由緒ある伯爵家で伯爵夫妻は幼い我が子を無くしてから子供に恵まれなかった。しかし亡くなった子供にそっくりなベティを見てカーティス公爵に相談したのだ。


最初は嫌がっていたベティだがある日をきっかけにベティはアダムソン伯爵の養女になる事を決めた。「ねえベティ、どうして行くことにしたの?」リネットはベットの中でベティに聞いた。


「私はカミルを愛しているの。でもこの間のパーティーでキャロル令嬢に言われたの。そんなにカミル様が好きでもあなた身分がないじゃない?一生相手にされないわよ。可哀想にって。」リネットはベティがカミルを愛しているとはっきりと知って胸が痛くなった。

 

 「ベティそんなことがあったのね」エルマも同じベットに入ってきてベティに言った。「本当に腹が立つけど、事実なの。私がいくらカミルと仲良しでも結婚出来ないの。でも、身分さえあれば変わってくる。本当にみんなと離れるのは悲しいけど、大人になるってこう言う事だと思ったわ。私はカミルが好き。だから伯爵家に行くわ!」ベティの決心は固い。


 「わかったわ。寂しいけど、ベティ、頑張るのよ」エルマは言った。「ベティ、応援しているわ」リネットも言った。「二人とも大好きよ!」ベティはそう言って二人を抱きしめその夜は三人で眠った。リネットはベットの中でカミルに対する恋心は秘密にしておこうと決めた。素直にベティを応援しよう。そう心に誓い眠った。

 

 二週間後、「ベティ、寂しくなるな」カミルが言った。「カミル、家は違うけどこれからもパーティーや、お茶会で会えるわ!キチンと令嬢になるからその時はエスコートしてね」ベティはそう言ってカミルとハグをした。アランもエルマもリネットもベティとハグをして、最後にカーティス公爵に挨拶をし、ベティはベティ アダムソン令嬢として伯爵家に行った。


 それから立て続けにアランとエルマにも養子、養女の申込がカーティス公爵に届いた。アランもエルマもやはり亡くした我が子に似ていると言う内容で、二人とも最初は嫌がったがオルコット伯爵はアランと話をし、アランは優しいオルコット夫妻を支えるために行く事を決めた。


そしてエルマもヒューズ伯爵の養女として行く事を決めた。このオルコット家ちヒューズ家は懇意にしている家紋同士で帝都内でも屋敷が近くいつでもお互いに会える環境だったのも大きな要因だった。


 なぜならアランとエルマは愛し合っていた。それも承諾してもらい二人は行くことにした。カミルは寂しがったが、一緒に住まなくても今まで通り会える事で納得した。リネットは一気に二人が居なくなる事を悲しく思ったが、二人が幸せなら応援しようと思った。そして自分はどう生きればいいのか考え始めた。


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