変装
「そろそろ帰ろう」カーティス公爵はリネットをエスコートしようと立ち上がった時にカミルが現れリネットの手をそっと持ち上げ「私にエスコートをさせてください。美しいご令嬢」そう言ってウィンクした。
カーティス公爵は笑いながら「ではお願いしようかのう」と言って先に出て行った。リネットはカミルを見つめて「カミル,お願いします」と苦笑いしエスコートされて馬車に乗った。
なんとカミルも乗り込んで「帰る場所は同じだからいいだろ?」と言って笑っていた。「カミル、先程の令嬢はどうしたんだ?」とカーティス公爵が聞くと「途中から機嫌が悪くなって面倒だからゴメンって出てきちゃった」
「まあ、カミルってひどい人」リネットはその令嬢が可哀想になった。「そうかな?俺はリネットの方が良いから別に気にしない」そんな事を言った。「カミルって本当、、」リネットは呆れた
「しかし、どうしてリネットは変装している?」いきなりカミルは言った「リネットは目立ちたくないから変装をした」カーティス公爵が言った。「目立ちたくないって、めちゃくちゃ目立っていたぞ」カミルが言った。
「うむ。そうだろうな、ワシもそう思う」カーティス公爵がいった。「でも、全然普段の私と接点無さそうだから大丈夫」リネットが言った。
「うーん」二人はそう思わなかった。リネットは不思議な魅力がある。それは言葉にできない魅力なのだが、変装しても変わらない。「とにかく、今日は楽しかったです」リネットは言った。カーティス公爵とカミルはリネットが嬉しそうに笑っている事に幸せを感じていた。
カーティス公爵とリネットがプレゼントした洋服をカミルは喜んでくれた。「お祖父様、リネット,ありがとう。まさか俺の為の外出だったなんて、、嬉しいよ」そう言って二人にハグをした。「リネット、カミルが喜んでくれてうれしいな」カーティス公爵はリネットを見て言った。「はい、とっても嬉しいです」リネットもカーティス公爵を見て微笑んだ。
「俺,本当にこのルークラフト公爵家が好きだ。お祖父様とリネットがいてくれて良かった。」「なら、夜も遊び過ぎず早く帰ってくるんだな」カーティス公爵が笑いながら言った。「お祖父様、遊びも社交のうちですから、、」「カミルは本当にどうしようもない人ね」「リネットまで、、」カミルは苦笑いをしつつ、「以後気をつけます」と言って早く帰ってくるようになった。




