表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無欲な私の本気の恋  作者: ねここ
1/46

恋の始まり


「おい!お前らリネットをいじめたらぶっ殺すぞ!」

「やばい!カミルだ!殺されるぞ!逃げろ!!!」


「リネット大丈夫か?」

「カミル、、ありがとう、、いつも助けてくれて」

「リネット、俺はずっとリネットを守るから安心しろ!」




 それ以来カミルは私にとって大切な人になった。


ずっとずっとずっとずっと片思いをしていた。


カミルはこの想いに気がつかない。


この恋は私だけの秘密。






 そして私たちは大人になりカミルはクラウディアと婚約をした。


 私の恋はそれでも消えることはないだろう。無欲な私の本気の恋。


 



 孤児院で育った私達は仲良し五人組だった。

カミルは幼い頃から人と違っていた。銀色の髪に青い瞳、

彫りの深い憂いある美しい顔の美少年だった。


 カミルと同じ部屋のアランは金色の髪にグリーンの瞳、クールな顔立ちの美少年で二人はタイプが違ったがとても仲が良くいつも一緒にあそんでいた。

ベティは金色の髪青い瞳のお人形のような少女で、甘え上手な女の子だ。

エルマは優しいブラウンの髪に薄いグリーンブラウンの瞳の美しい少女で同い年なのに姉のような包容力があり誰からも好かれていた。



 そして私、リネットは黒髪に黒い瞳で悪魔の子と呼ばれていた。

この帝国で黒髪に黒い瞳は悪魔の象徴と言われていたからだ。



 そんな私は施設に入ってもやはり悪魔だと言われ虐められていたがカミルが私を助けてくれて以来皆んなも助けてくれるようになりそのうちに四人と親友になった。


それ以来リネットは「悪魔!」といじめられてもすぐにカミルが現れ「お前らぶっ殺す!」と言っていじめっ子達を完膚なきまで叩きのめし「リネット、気にするな、お前は悪魔じゃない」と言って守ってくれるカミルが大好きになった。

 

 カミルがいじめっ子を半殺し?にしてしまい、孤児院のマーガレット先生にこっぴどく怒られたがカミルは自分は間違っていないと反省すらしなかった。でもマーガレット先生は小さな声で「リネットの王子様はかっこいいわね」と言ってくれた。マーガレット先生は私たち五人を理解してくれているからカミルも含めみんなこの先生が大好きだった。


 ところがある日カミルが帝国の公爵の孫だと判明し孤児院は大騒ぎになった。私達は引き離される事を嫌がり五人で籠城した。

「カミル奥のベットに!」アランはそう言ってドアの前に机を倒して入れないようにした。エルマはカーテンをしめながら「窓が開かないように釘をうつわ」といって窓を固定した。


ベティは泣きながら「カミルと離れるのは嫌」と言ってカミルにしがみついている。私はドアの前にゴミ箱や本やホウキや手当たり次第あるものを置いて、さらにシーツを水浸しにしてドアの前に吊るしておいた。「入ってきたらこれを落とせばびっくりするからその間に逃げよう!」


 カミルは言った「俺たちは皆んな一緒に暮らして今では家族みたいなものだから離れるなんて絶対に受け入れられない。離れるなら俺はここから出ないぞ!」「うん、みんな一緒に生きるし、一緒に死のう!」アランが言った。「ええ、私達は絶対に離れないわ!」エルマも言った。「約束よ!みんな一緒にだよ」ベティはカミルにしがみつきながら言った。


「私はこの絆を守る為に戦うわ!」私は自分を受け入れてくれたみんなの為に戦う事を誓った。「でも、リネットは弱そうだな」カミルが言った。「うん、。でもカミル、やってみないとわかんない、私もカミルのために戦いたいよ」そう言ってリネットはホウキを手にした。


 「コンコン」ドアがノックされた。「俺は行かない、行くなら五人一緒だ!!!」カミルは叫んだ。「はい、カミル様、皆さんと一緒に公爵家に行くことになりました。カミル様のお祖父様が了承いたしましたのでご安心ください」「嘘だ!そう言って騙すつもりだろう?」「いえ、信じていただけないなら私執事のアルバートが命を持って償いますゆえ、どうか信用ください。」


「どうするカミル?」皆んながカミルを見つめた。「よし、全員手を繋いで行こう!」そう言って私達は無事五人揃って帝国一のルークラフト公爵家でお世話になることが決まった。孤児院のマーガレット先生と離れるときはカミル以外みんな泣いた。


でもカミルは「また遊びにくる」と言ってマーガレット先生と約束していた。マーガレット先生はカミルに「待っているわカミル」と言って泣いていた。寂しい別れを経験して五人は帝国に向かった。


 カミルの両親は結婚を反対され次期当主のカミルの父は男爵令嬢と家出をし、カミルを授かった。しかしカミルの両親は馬車の事故で死んでしまいカミルは孤児院に行ったのだ。しかしカミルの祖父のカーティス公爵が息子を探す中でカミルを発見し、今に至った。


 カーティス公爵はこの五人にもキチンとした礼儀作法や、勉強を教えてカミルと分け隔てなく五人を育ててくれた。数年後、それぞれ大人になり、美しく成長をした。


 カミルは公爵家の次期当主らしく美しい容姿に頭の良さ、剣術の兼ね備え社交界では恐ろしいほどモテた。いつも一緒にいるベティも華やか愛らしさのある令嬢に成長して、エルマも輝くような美しさがあり、アランもカミルと違うタイプの美男子で女性が群がった。この五人グループは人から一目置かれる存在となった。


 そんな中でリネットは陰で悪魔の子と言われていたが、リネットの美しさはまだ誰も気が付かない。だたひとりを除いて。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ