開幕
ここは冒険者が集う都市「モリブス」
ここには色んな冒険者が集まっていて酒場にはパーティを組んでクエストを受ける人や、酒を飲む人が沢山いる。だいたいランクはEからCの人がよく集まる。その中たった今、冒険者として認められクエストを受けようとしている男がいた。名前はクロームと言う。
そして...
「うわあああああぁぁぁぁぁ!」
冒険者として2ヶ月が経った。今までは薬草の採取や街のパトロール、スライムなどの弱いモンスターの討伐をしてきた。今はEランクへ昇格するため、ボスゴブリンを討伐する昇格クエストを受けているのだが...
「無理無理無理死ぬ死ぬ死ぬ!」
見ての通りボスゴブリンにボコボコにされている。普通ボスゴブリンは攻撃力は高いものの武器は持たない。理由は、拳で戦う方が素早く攻撃できるからだ。だが目の前のモンスターは手に木で作られたハンマーを持っている。しかも2本。けど俺は冒険者、この2ヶ月ただ草を採ったり街を歩いてた訳じゃない。
「これでも喰らえっ!」
俺は腰につけているポーチから小さなナイフを投げた。そしてそのナイフ、いやナイフに見える金属の塊はボスゴブリンの目の前で強烈な光を浴びせた。
「ウガァァァァァ!」
この隙に俺は自作で作った鉄の剣を奴の腹に切りつけた。だがその時...
「ドンッ」
奴は俺の頭にハンマーを叩きつけた。確かに目眩しは成功したはずだ。
「なぜ...効いていな...」
俺の意識はそこで無くなった。
...
俺は意識を戻した。目を覚ますとよく分からない小屋にいた。中は薄暗くとても鉄臭い。鉄を保管してるのだろうか。
「ガラガラガラ」
扉が開いた。
「おう、意識戻したか」
見た感じ60歳程の元気なじいさんが扉から出てきた。
「お前さん、大丈夫か?そのアザは誰にやられたんだ?」
「...これはボスゴブリンにやられました...」
「あぁ、こいつか」
そうじいさんが言うとさっきのボスゴブリンが扉から現れた。
俺はすぐに剣を構えた。
「お前...何者だ!一体お前はなぜ俺をここに連れてきた!」
そういうとじいさんは答える
「いや...実はコイツにこの鍛冶屋の見回りを任せてたんだよ。ちょうどさっきコイツから怪しいヤツがいると聞いて、ここに連れて来られたんだよ。ちなみにコイツゴブリンじゃなくてそういうコスプレした俺の仲間だ」
「はぁ...」
俺はとにかく状況が飲み込めないままじいさんに鍛冶屋にまで連れてかれた。
「俺の名前はグラディ、よろしくな」
じいさんはそういうとニカッと白い歯を見せて笑った。
「兄ちゃんの名前はなんだ?」
「...クロームです。」
「おう!クロームか!いい名前じゃねえか!」
「は、はぁ...」
60なのにこんなに元気な老人は初めて見た。
鍛冶場内にて...
「さて、まずはうちの仲間が手を出してすまねえ。お詫びと言ってがなんだがお前さんの剣、刃こぼれしてるかもしれないから無料で修理する。いや、させてくれ!」
「わかりました、とりあえず謝罪は大丈夫です。私だってグラディさんの土地に勝手に入ってしまったのですから。なので剣の修理は別にしなくても大丈夫です。自分で出来るので」
そういうとグラディは悲しそうに
「そ、そうか...」
と答えた。
俺はそのまま鍛冶場から去ろうとした。だが、俺はひとつある噂を思い出した。それは鍛冶職をしつつ、冒険しているSランク冒険者がいたと言うものだ。
「もしかして...グラディさん」
「ん?なんだ?」
「貴方って冒険者でしたか?」
グラディは少し悩んだ後答えた
「まぁ...元だけどな」
やはりそうだ。こんな物騒な場所に鍛冶屋として生きていけるのはそれ相応の戦闘力がある人でないと厳しいだろう。
「それならひとつお願いがあります...ここで修行させてくれませんか!」
グラディは困った顔をして、少し悩んで口を開いた。
「...いいだろう。だがお前さんの今の剣ではスライムすら切れん。」
「修理に関しては任せてください。さっき言った通り自分でしますので。」
そう言って自分は持参のハンマーとグラディの鍛冶場にある金床を貸してもらい自分の剣を打った。
しばらくして━━━━━
「剣を修理したので稽古をつけてください!」
グラディは俺の手に持っている剣を見て大きな声で笑った
「クローム!お前さん正気か!?!?そんな剣で稽古をつけてもらおうとしてるのか!?」
グラディはしばらく笑ったあと俺の剣を取り肩に担いで言った。
「クローム。今からプロの俺が剣を打ってやる。しっかり見とけよ!」
その時のグラディの顔はまるで若返ったかのような生き生きとした顔をしていた。
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