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憂いの君へ  作者: 1畳畳
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憂い、愁い、患

「ミーン。」

いつから人類はセミの鳴き声をこの様に形容するようになったのか。正直理解できない。

元来、夏は好きではない。蒸されるような熱気や肌を突き刺すような紫外線、これらに苦しめられるのはもううんざりだ。

どうでも良い事ばかり考えながら歩いていると視界の端に自動販売機が入り込んできた。まるで買えと言わんばかりの奇抜な赤色をした自販機の前に立ってからやっと自分の汗腺という汗腺から汗が吹きでている事を認識できた。1本のミネラルウォーターのみを購入し、出口から強引に引きずり出す。

周囲は暑いのにミネラルウォーターだけ冷えていて変な気分がしてきた。せっかくのミネラルウォーターを飲み干してしまうのは勿体ないと自分の嫌な癖が出て歩き出しても飲まずに手に持ったまま歩いた。先程まで汗ばんでいた手がミネラルウォーターの冷たさで汗が引いてきて心地良い。

学校に着くやいなや、挨拶を半ば強制的にさせられる。この時期、学級委員が挨拶を促進するため校門に立っている。毎回思うのだが、横一列に並ばれるのは威圧感が凄く挨拶がしにくい状況を作り上げている気がしてやる意味が分からない。

その時手に持っていたミネラルウォーターが消えた。

一瞬のうちに。

 「これ、頂戴」

無邪気な笑顔を浮かべてミネラルウォーターを取ったのは

三上 蘭だった。

蘭は自分の毛並みの揃った黒髪の先を数回手先で遊んだ後に、額の汗を拭った。

普段の重めな前髪が乱され、顔全体が顕になる。

「…いいけど、ぬるいぞ」

「別にいいよ」

短く返し、キャップを捻る。そのまま勢いよくぬるいミネラルウォーターを喉に流し込んだ。

蘭は知れば知るほど分からない女だった。

雰囲気は、学年内でのお姉さん的な存在を醸し出しているが、実際は幼稚で行動が短絡的な人だった。






2畳になっちゃうかもね。

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