閑話 町での生活とガキ大将
なんとなく書いてみた閑話です。
「だいぶ、ついてこられるようになったね、レリーナ」
師匠が振り向いて、レリーナに話しかけた。彼の弟子になって、1ヶ月。
登録したあと、レリーナはワンピースやら洋服やら靴やらをたくさん買ってもらった。もちろん、ウエストポーチは前のまま。
日の出前から、町を10周。終わり次第、朝ごはんの支度と洗濯をルーベンと分担し、朝食をとってから、ルーベンは出勤。レリーナは掃除。ギルドマスター宅であるため、結構広い。2時間かけて掃除を終わらせたら、買い出し。買い出しは週に2回なので、今日は行かない。その後、ギルドに行き、クエストを受ける。あと1ヶ月でランクを一つ上げなければならない。必死にクエストをこなしている。
「さあ、あと一周だ!頑張れ!レリーナ!」
この一ヶ月で、体力が多くなった。この走り込みも楽にはなったが、しゃべる気力がないので、どう思っているのかわからない。しかし、足はしっかり地を蹴り、腕はしっかり振っている。辛くて、上向きになりかけているが、しっかり前を走っている師匠を見ている。
「よく頑張ったね、レリーナ。さあ、朝ごはんの支度をしようか。洗濯はよろしくね」
レリーナは「わかった」と言い、疲れた体をほぐしながら、洗濯をしに行った。
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レリーナはいつもの朝のルーティンを済ませ、ギルドへ向かっていると、いつもどおり、デルテの息子につかまった。
「よう!レリーナ!俺らと一緒にご飯食べに行かない?」
「あら、ジャック。こんにちは。もちろん、行かないわ」
「つれないな。じゃあ、結婚する?」
「貴方と結婚なんてするもんですか!」
プイッとそっぽを向いた。あぁ、めんどうな奴に絡まれた。早くギルドに行きたいのに……。レリーナが困っていることをよそに、ジャックは話をすすめる。
「はぁ?!気持ち悪い目を持つお前を誰が嫁にほしいと思うんだ?そして、魔獣をあっさりやっつけれるお前がよ!ありがたいことにこの俺がもらってやるんだから、感謝ぐらいしろよ!」
いつもこうだ。レリーナはいつも、これに耐えている。自分を象徴する碧眼と銀眼を侮辱されるのは、頭にきている。怒るのは我慢していた。しかし、今日の今日は黙ってなかった。我慢できなかった。
「あのさ、私の目が気持ち悪いだって?!毎日毎日、散々悪口を言う貴方の所に行くもんですか!というか、貴方、何様のつもり?ここの町のガキ大将だかなんだか知らないけど、言っていいことと悪いことがあるくらい、ご存知よね?!まさかだけど、私に喧嘩でも売ってるのですか?それなら、容赦なくやってあげましょうか?」
レリーナはお気に入りのウエストポーチからいつもの大刀を取り出し、鋒をジャックに向けた。ジャックは予想外の出来事に後退りした。
騒ぎを聞きつけ、わらわらと人が集まってきた。現在レリーナが口喧嘩をしているのは、町の中心にある広場。 もちろん、ギルドの人も知り合いの冒険者もいる。
ジャックは舌打ちをし、足早に人混みに紛れた。
「逃げるのか!まったく。皆様、お騒がせしました。申し訳ありません」
レリーナは四方八方にいる人にペコペコとお辞儀をした。
それから、ガキ大将ジャックは大人しくなり、デルテさんにも感謝された。現在の子どものトップはレリーナとなった。
そして、「キレても、武器は出さない」とさんざん養父に説教されたのだった。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます!
【本編の方も本日中に出すつもりだ】
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【ほんとに飛び上がってたな】
うるさい!