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冒険者養成学校 適性試験

スパルタ修行を乗り越え、とうとう15歳になったアデル。

冒険者養成学校に通うため、城塞都市ブルグムンドを訪れた。





「うーん。流石、冒険者のイロハを学ぶ施設。敷地が広い」


 冒険者養成学校は、街の北部に位置している。

 南が最前線ということで、万が一の時、生徒を守るために、この配置らしいね。



 一応、遠目に見たことは何度があるけれど、中に立ち入るのは今日が初めてだ。

『本日入学適性試験』と描かれた看板を横目に見ながら、門をくぐる。



 広場には既に何人かの受験者が集まっていた。

 理解できる理由は非常に簡単で、みんな胸に自分の割り振られた番号のゼッケンを装着している。

 実技試験もあるから、試験官側に判別しやすくするためだろうね。


 この場に来ているのは、皆わたしと同じような年齢の子ばかり。 まあ、16歳以上は普通に冒険者ギルドで試験受けた方が早いからね。15歳でどのみち規則上登録できないからこそ、学校に来て学びとスタートダッシュのための実績を得る時間に当てるわけだし。


 受験料は高くないとはいえ、やっぱりそれなり以上に自信のある15歳が殆どかなぁって感じ。

 ……ここからふるい落とすんだから、一学年20人程度しかいないのは仕方のないことか。


 さて、じゃー試験が始まるまでのんびりと待っていようか。

 特に友達がいる訳でもないし、流石に試験会場で友達作りはいろんな意味で危険だからね。




 ◇◇◇◇◇◇◇◇




 午前中は筆記試験だった。

 と言っても、前半は心構えとか、一般的な常識のチェックとかがほとんどなんだけど。


 問題は、後半。とある上級魔法の魔法陣を書けという問いに始まり、魔力と自らの肉体のみで闘う戦士のことを一般的になんと呼称するかとか、あるAランクモンスターの弱点は何であるかとか、紅龍(Sランクモンスター)の生態を簡潔に述べよとか。

 なんというか、冒険者を志すってだけの人たちが知っているわけがないレベルの問題のオンパレード。


 コレはアレかな。前半で満点をとる前提で、後半はなんかこうユニークな人を判別するために使うのかな。それこそ、特待生用の選別問題……みたいな。


 お母さんのスパルタ修行の中に座学が入っていなければ、危なかったかもしれない。

『基本の魔法陣を全て暗記していれば、魔法使いと対峙する時に咄嗟に反応をしやすいわ!』とは母の言。

 出来るかー! っておもっていたけれど、まさかこんな形で役に立つとは。



 さて。色々と突っ込みどころはあったけれど、筆記試験は終了。

 お昼を食べて、実技試験となる。



 そして、試験本番。

 広場に集められた受験者に対して、実技試験が課せられた。


 まずは、適性検査。魔法の才能があるかどうかを、簡易装置で測られる。

 私の結果については、特に変わるわけでもないので言う必要は無いだろう。

 あ、一応、魔力量が影響する光の強烈さは、かなり凄いことになっていたよ。


 そして次は、遠距離への攻撃能力を測る。

 今更だけど、これ冒険者自体への適性試験だけじゃなくて、クラス……どんな戦闘スタイルが向いているかの判別試験も兼ねているっぽいね?


 恐らくだけど、実技試験は何らかの分野でずば抜けることが出来れば、それで問題ないんじゃないかな。

 例えば、魔法がダメでも肉体が物凄く強い、とか。

 距離離れるとダメでも至近距離なら物凄く強い、とかね。


 とはいえ、それじゃー納得行かない。どうせならできる限り高得点だしたいよね。特待もかかっているし!



 さて、ということで遠距離への攻撃試験。最大20mほど離れたいくつもの的に対して、正確な攻撃を当てて割ることができるか。


 当然ながら、魔法という選択肢がない上に飛び道具も持っていない私には、本来不可能な試験に見えるかもしれない。

 けれどまぁ、20m位なら…………


 拳を、信じろっ!!


 規定の位置から的へ向けて、真っ直ぐに拳を突き出す。

 狙いは上手くいったようで、『拳圧』で近くの的を折ることができた。


 よし。いける。後は、方向だけしっかり調整して……えいっ、えいっ!えいっ!!



 ……結果から言えば、無事、一撃あたり一枚の的を正確に砕くことが出来た。恐らく、及第点は貰えることだろう。



 続いては、基礎体力試験。

 身体能力を測る。腹筋とか、長距離走とか、そういう類。

 これに関しては触れなくても良いよね。結果だけ言えば、全競技においてぶっちぎりのトップだったよ。



 最後の試験が、瞬発火力試験。

 番号順に並んで、自分の番が来たら全力で用意された結界に攻撃を撃ち込むというもの。


 なるほど。今の時点でどれほど自分の攻撃能力について理解し、強い攻撃を打てる状態にあるのかということか。

 これに関してもあれかなぁ。特待生用かな。

 だって、冒険者を志す人にとっては攻撃なんてこれから学ぶことだもんね。


 まぁこれはシンプルで良いだろう。自分の番になると、試験用結界の前に立つ。

 そして、全身の力を込めてせいけんづきを放った。


 ビシィ──ッ! という大音量を響かせ、結界が大きな振動を引き起こす。

 記録をとっていた試験官がざわついていたのを見ると、上手くいったんじゃないかな?



 ……という訳で、試験の全行程が終了。

 案の定というべきか、友達は1人もできなかった。


 本当は、試験が終わった後には一人くらい誰か話せる人できるかなーって淡い期待を抱いていたんだけど。

 誰も話しかけてくれなかったし、こちらから話しかける隙もなかったと言うかなんというか。

 …………避けられてないよね?


 ま、まあ、さっきも言ったけど、試験の日はピリピリしているだろうからね! 友達は入学してから作ったら良いよね!







早くお友達作って???(追い撃ち)


皆様の応援ポイントが何よりも力になっております。本当にありがとうございます!!

ど、どこまでこのペース頑張れるだろう(震

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