〜職業〜
主人公、職業貰う前から頑張ってます。
冒険者を目指そうと決めた日、父、アレクにその事を伝えた。
父は昔、王国騎士の騎士団長を務めていた。その時に挙げた功績のお陰で、今は爵位持ちとなっている。
そのため、父の身体は鍛え抜かれえいる。また、騎士団長を務めていたただけあって、教育者としても優れていた。
その証拠に、兄たちの身体も父には及ばないが、とても逞しい。
「冒険者かぁ。王国騎士なら推薦出来るんだが本当にそっちがいい
のか?」
父が聞いてくる。
「うん!色んなとこ行ってみたい!」
子供っぽく答えてみた。
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翌朝から、父や兄たちに混じって朝練に参加した。
父は王国騎士にならないのか、と若干落ち込んではいたが、兄弟は平等に訓練してくれるらしい。
父の訓練は正直言って、チョーキツイ。身体を温めるためにまずは、ランニング。と言っても、体力向上トレーニングも兼ねているので、町に一番近い山の頂きまで。
これが、片道15キロメートル。
ランニングが終わったら、早速兄たちは剣の稽古。兄たちはそう、兄たちは。
この世界では15歳で成人らしいのだが、その時に女神様とやらから、職業を授かるらしい。
兄たちは既に、成人しており、長男のアゼルは【聖騎士】、双子の次男のアークは【魔導師】、双子の三男のルークは【上級剣士】だ。
アゼルとルークは、剣術系の職業なので当たり前なのだが、アークも参加するのは、父曰く魔導師でも咄嗟の接近戦に備えるためらしい。
まだ職業を授かっていない僕は、筋トレに1人勤しむことになった。筋トレは腕立て伏せやスクワットなど、基本的なものは勿論、敏捷力向上の為のダッシュ100本、最初のランニングを更に10本などものすごくキツイ。
父に剣を教えてくれるよう頼んでみても、身体が出来上がっていないとまともな訓練は出来ないと言われた。
早く強くなりたい。
という事で、僕は翌日からは、筋トレの量を増やし、文字通り死ぬほど努力した。
しかし、やりすぎは身体を壊してしまう、と父に言われたため休憩もしっかりととる事にした。
ただ休憩しているのでは時間の無駄のため、瞑想して自分の中の更なる内側の『魔力』を見つけ、それの操作を試みたり、イメージトレーニングをしていた。
これらは全く体力を使わないため、筋トレと交互に行っていたらすごく効率が良い。
まぁ、魔力は消費し過ぎたら身体が動かなくなるのだが。
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そうして、10年の月日が流れ、僕の成人の日がやってきた。
訓練を始めて5年位経った時には、だいぶ身体が出来てきていたので、兄たちに混じって剣の稽古に参加していた。
なので僕も、出来れば剣術系の職業が望ましい。
職業は町の集会所で、王都から派遣された牧師さんによって、女神様の声が伝えられる。牧師さんは、年に一度しか派遣されない為、同い年の子はこの日に、順番に伝えられる。
そして、遂に僕の順番がきた。
「一緒に女神様に祈りを捧げて、声をききましょう。」
そう、牧師さんに言われたので胸の前で手を組み目を瞑っていると、頭の中に声が響いてきた。
「貴方の職業を申し上げます。、、、【無職】」
次回木曜0時投稿予定